48話 千聖は特撮をかなり知っていた　作：紅瑠璃

放課後、優衣から逃げて蜜柑は鈴菜と町を歩いていた。鈴菜の手にはいつも通りレモンの炭酸ジュースを持っていた。
鈴菜「シユは？」
一緒に歩いて約10分。やっと喋った一声がこれ。正直がっかりだ。友達なんだから他にも会話する物があっても良いはずなのに…。
蜜柑「にゃんか…早く家にかえらにゃきゃって言ってたけど…。」
鈴菜「あっそ。」
冷たい。確実に冷たい。まるで黄蜂ちゃんの体温並みに冷たい。こないだも鈴菜と蜜柑と朱音で動物の泣ける映画を見たときにも館内で一人だけ涙目にもならず、ジュースをジュコージュコーと飲んでるだけだった。後でなぜ泣かなかったのかと聞くと、「はぁ？あんなのどこに泣くの？」と答えた。
鈴菜「他にも言いたいことある。何でこの人もいるわけ？」
梓「え、わ、私！？」
鈴菜「他に誰がいると？ 」
梓「いや…猫山さんに誘われて…。」
鈴菜「…あーはいはい。私、帰るわ。」
蜜柑「ふにゃ！？か、かえらにゃいで！」
梓「な、なんか…私…いらない？」
蜜柑「そ、そうだ！今から友達ににゃろ？ね？」
何を必死にしてるのだか…まぁ帰っても暇だし、誰もいないし…ずっと…誰もいない…。
鈴菜「はぁ…わかったから。そうね、外寒いから…あのショッピングセンターの中で話しましょ。」
ショッピングセンター。この町でとても大きいショッピングセンター。服も食材も充実してるとこ、三人はそのショッピングセンターのとあるベンチに座った。ふと、目の前を男の子が通り過ぎてった。
鈴菜「やべぇ。あの子、めっちゃ可愛い。」
梓「え？」
蜜柑「そんにゃ事ばかり言うから警察の人に事情聴取されるんだよ？」
梓「え？」
蜜柑「この人ねこにゃいだ、小学生の男の子をね…」
鈴菜「ちょ、お前止めろや。てか、何で知ってる…。」
蜜柑「千聖が…。」
鈴菜「あの特撮バカ…。」
梓「ち、千聖っていつも銀髪の人と一緒にいる…あの人？」
銀髪の人と…ネアの事だ。ネアは人ではない。機械だ。なぜ、機械が人のふりをして学校にいるのかと言うと…これまた話が長くなる。そもそもネアはある父親が病弱の娘に似せて作り、その中に娘の脳を搭載させている。それがネアだ。言うならハカ●ダー。しかしその父親は人と同じ生活をさせたい願いを持っていた。また、千聖は特撮と機械が大好きで機械であるにも関わらずネアと友達でいる。そして、人として生活させることに協力している。ざっくり話すとこんな感じだ。
蜜柑「う、うん…その千聖だよ。」
梓「そうなんだ。あの人特撮のこと凄い知ってるから…。」
鈴菜「そう言えばそうね…私はスペク●ルマンについて長々と聞かされた。 」
蜜柑「ミカは…コ●ドールマン。確か、命をかける価値のないそれほど汚れたニッポンの心の浴が生んだ悪と戦うとか…わが身を守る欲の皮が生んだ悪をけちらすとか…まぁ、命をかける価値のないのに悪と戦うとかスゴすぎって…。」
梓「私もそのコン●ールマンで、ゼニ●レイジーのことを…。」
鈴菜「あいついくつだよ。私はロ●コンしか知らないぞ…。」
蜜柑「し、しらにゃい…。」
梓「私も…。」
蜜柑「あ、私ね1回だけ千聖の部屋に行ったけどさぁ…ウルトラ●ブンとか、マイティ●ックとかのDVDがごっそりあったよ。あとプラモデル。」
鈴菜「今さらだけどさ…千聖の事だけで話終わるぞ。なんの話してたっけ…。」
答えられない。沈黙が続いた。
鈴菜「か、帰る？」
蜜柑「そ、そうだね…私は梓と真保の家に行くよ。」
鈴菜「あ、そうなんだ。じゃぁね」

～ある地下室～
カグラ「完成だ！絶望皇デスペア。No.39のデーターを含んだNo.96のおかげだ。」