43話 決戦前　作：紅瑠璃

影の世界…。シャドータウン。この世界を鈴菜は１度見ている。伊月と一緒に。
黒伊月「さぁてね。ここから出たければ…わかるよね？」
あぁわかる。No.を置いていけと言うのか、戦闘でも行うのか…。でもどちらも出来ればしたくなかった。なぜならNo.を置けば加奈人は助けられない。戦闘を行えば生きていられる保証は無いからだ。しかし、黒伊月から出た言葉は鈴菜を驚かせた。
黒伊月「俺とデュエル。してくんねぇ？」
鈴菜「あ、あら…あんたからそんな言葉が出るなんてね。戦闘でも行えば良かったのに。」
黒伊月「たしかに戦闘をすれば俺は勝てる。…が、それじゃつまらねぇ。ちょうど伊月以外の奴とやってみたかったんだよ。」
鈴菜「私はいいけど…あんたはNo.あるのかしら？」
そもそも鈴菜にはデュエルをしている暇などない。一刻も早く伊月を止めなければ…。それだけを考えてた。ここから出られる方法…。No.66の能力。鈴菜はNo.66を手にし、頭上にかざす。………。しかし、反応がない。
鈴菜「なんで！？私にはNo.8を所持しているはず…。」
黒伊月「おやおや…てことは真保みたいなサイコデュエリストではないのに使えたのはNo.8のおかげと…。」
鈴菜「サイコデュエリストの事も聞いてたのね。」
鈴菜には誤算しかなかった。鈴菜の所持しているNo.66は偽者。きっと真保と戦った時、うまく他のリアルNo.と忍び込ませて居たのだろう。
鈴菜「はぁ…。スピーディに終わらせる。」
鈴菜はNo.19を頭上にかざし、デュエルディスクを作る。黒伊月の所持しているNo.は…。

～森の中～
伊月「はぁ～…アジト探してたら。まさか、蜜柑にあうなんてね。幸運なんだか不幸なんだか…。」
蜜柑(Ⅳ)(No.96)「お前…潰す…。」
伊月「おぉ～恐い恐い。」
蜜柑は0クリエイトの体で、大きな爪を立てて伊月に攻撃をするが、伊月がかわす。蜜柑は連続で攻撃を仕掛ける。
伊月「っ！」
伊月の腹に強力な一撃を与える。伊月は動くことが出来ない。蜜柑は伊月に近づいて大きな爪を振り上げる…。殺されるっ！本気でそう思った。 いや、そう思っていただけでまだ動ける。伊月は足元の蜜柑の影に触れた。伊月、黒伊月の能力。影を操る能力。相手の動きも封じれる強い能力。

～シャドータウン～
黒伊月「いけっ！不乱健…。鈴菜をやれ。」
やれって殺れだろそんなことはどうでもいいこの攻撃を受けたら…物理的にも受けたら本当に殺られる。せめて物理的にやられないようによけるが異常に不乱健が速かった。正面から拳を受けてしまった。さらにしたからアッパーも食らった。２度目の攻撃…黒伊月を見たとこ、あいつは「鋼の拳」を発動していやがった。
黒伊月「これはなぁ…まぁ知ってるか…。改めて言うと、２回攻撃をさせるんだ。にしても、リアルNo.ってすげぇな。こうして周りにも被害がおよぶ。って血だらけじゃんよ。」
伊月「イヅ…。蜜柑見つけてきたから保護してよ。」
黒伊月「俺はお前だからお前が決めろ。」
伊月「でもここを管理してるのイヅじゃん！…藍野？生きてるか～」
鈴菜「くっそ…。」
伊月「あとは任せなって」
鈴菜「いやだ…。」
黒伊月「どんだけ好きなんだよ…。」
鈴菜「prprしたいほどに決まってるでしょ…。」
二人の冷めた目は今の鈴菜に痛かった。痛いことを言って、痛かった。鈴菜はアジトに行ってないのかと尋ねると、蜜柑を見つけたから行ってないと答えた。
黒伊月「さて、こいつの戻し方を教えろ。」
指差す方を見ると影に拘束されている蜜柑を見つけた。教えないと答えると伊月がある写真を見せてきた。加奈人に許可を得て撮った写真だと答えた。それに飛びついた私を二人は可哀想な物を見ているような目で見つめていた。…本当に私は可哀想な物だ。自分でもわかるほど鼻血を出していたからだ。私は戻し方をペラペラとしゃべってしまった。そして私は無理矢理治療ポッドに投げ込まれた。その隣のポッドに蜜柑が投げ込まれたのもわかった。
伊月「さてとNo.69かNo.93じゃないと戻せないのか…。おっともうそろそろ朱音と夢月が治療し終わる頃だ。」
黒伊月「四人でどう攻め、どう助けだし、どうやってNo.を回収する？まぁNo.は必用だろ？」
いつの間にとったのか鈴菜が所持していたNo.すべてを見せる。
伊月「さてと…決戦…かな。」