63話 魂のままに　作：紅瑠璃

千聖「人浪！？まるで私たちの中に犯人がいるみたいじゃない」
黄蜂「そうね…そういうことよ。例えば…怪異以外で言うと武器ね。」
ネア「でも切られた傷もない、また、締め付けられたあともない」
伊月「…ⅩⅠなら…」
鈴菜「確かに！ZEROのⅩⅠこと、ジャックなら…」
蜜柑「ミカあのあと消えたからわからにゃいけど…？」
鈴菜「蜜柑を倒したあと黒伊月の影の中に吸い込まれ、こいつと出会って二人で脱出したところに朱音とジャックが戦ってたのよ」
蜜柑「ジャック…キングとクイーンの召使い。私たちの監視役。まさに苦労者だったにゃー。伊月そいつを呼び出せるの？」
伊月「呼んでくらからよ」
黄蜂「待ちなさい。あなたは残りなさい。黒伊月…いきなさい」
まぁ容疑者をそう易々と逃がさない。数分後、ジャックが呼ばれて来たが、「体は生きているが魂が死んでいる。答えは冥界にある。君たちができることはその犯人探しだろう。」と答えた。質問をしていくうちに魂と体が分離している、今の自分達では元に戻せない、分離させた方法は薄く、小さいもの。らしい。
千聖「はぁ…」
千聖がノートパソコンを広げ何か作業をしている。鈴菜が気になり覗き込むと動画の作成だった。しかも出来がいい。
千聖「よくこういうの作るとき素人なら、スカートに足が貫通していることがあるし、手足の動きに不自然があるけど私がやると…ほら！」
スゴい。服の動きが不自然でない…動きが細かい！ちゃんと呼吸している風に見えている、目の動きも完璧だ。ただの特撮や機械オタクではないことが今になって理解した。動画を見ないわからない鈴菜がこんなに吸い込まれるように見ていることは珍しい。と見ていたときだった。人が倒れるような音を鈴菜と千聖が聞いた。千聖と鈴菜がその場所に行くと…どうしたことか藤崎 優衣が倒れていたのだ。朱音と同じように傷がない。魂と体が分離したらしい。ジャックは自分で起こしたものは自分でしか直せないと語っていた…つまりこのまま一人、また一人と消えるしかないのか…。

～冥界～
ヴァルゴは冥界にたどり着いた。冥界…魂の分かれ道があるとこ。
ヴァルゴ「こんなに魂の列が…あれは…閻魔！」
閻魔「ん？おぉ！朱雀懐郷！来てくれたか！」
ヴァルゴ「あの…私はヴァルゴですが…。」
閻魔「ヴァルゴか！そうかそうかどおりで撫で肩な訳だ！」
意外と気にしていること…撫で肩であることをさらっと言うデリカシーのなさは閻魔の特徴。また、今は巨人の姿をしてるが本当は人間サイズであるのも特徴。
ヴァルゴ「なぜこんなに魂が？」
閻魔「知らん。があまりにも不自然過ぎて急きょ裁きをやめているが…う～む。戻せ戻せと喚くばかりでな…」
ヴァルゴ「…そうですか…。門をもう一度くぐることは？」
閻魔「出来ん。一方通行だ。新たに門を設立させるとなると…多額の金が…」
ヴァルゴ「門って閻魔様のお金で設立させてたんですか！？」
閻魔「そうだ。今金欠でな。そうだ。折角だからハデスにも会うがいい」
冥界のシステムがよくわからない。閻魔がいて、ハデスがいて…そんなこと言ったら地上も天界も同じなのだろう…だが…。
ヴァルゴ「御言葉ですが、ハデスには会いたくないです！本当は冬が来て欲しくない…。」
閻魔「そうか。そうだったな。ん？なんだ…魂が一度引き返している」
なんだ…何が起きようとしているかは全くわからない。けどとても良いマズイ気がするのは確かだ…。こういうときのヴァルゴの勘は…
No.45「突撃！」
No.65「閻魔～その席は俺の物だ」
100％確実に当たる。No.45とNo.65が無数の魂を引き連れ進軍してきた。それどころか二つのNo.は実体を持っている。こちらは二人のみ糸も簡単に二人とも捕まってしまった。その後二人は牢獄に閉じ込められてしまった。
No.65「これからは俺が裁こう。」

～牢獄～
ヴァルゴ「はぁ…はぁ…///」
閻魔「鎖に繋がれた程度で興奮するな…気色悪い。美人の癖に」
ヴァルゴ「私を口説いているつもりですか？…なぜ攻撃しなかったのです？」
閻魔「お前にも言えたことだろ？まぁワシの場合魂に攻撃は許されてないのだ。地上で言う…虐待？暴行罪？そんな物だ」
ヴァルゴ「なるほど。私はむやみな争いは嫌いなので」
閻魔「それで一度失敗しているのだろ？」
ヴァルゴ「…さてここからどうします？」
閻魔「考えは…ないな。」
ヴァルゴ「…超新星も使えない…機会が来るまで待ちましょ」

～朱音サイド～
優衣が倒れ続いて千聖も倒れた。残れは黄蜂、鈴菜、伊月、蜜柑、ネアだけ。皆いつ魂と体が分離するか、要するに幽体離脱、死とも言う。生きている物は死を恐れる。恐れないのは亜人だけだ。と言っても魂と体が分離するとなれば話が変わる。
黄蜂「…ネア…そうよネア岳は皆と違うわ！あなたに全てを託していい？わ、私も優衣みたいになるかもしれないから！」
ネア「…黄蜂…冷静さが欠けている。黄蜂の取り柄が消えかけている」
黄蜂「！？…そ、そうかも…ごめんなさい…」
鈴菜「あんたが冷静さを無くすとこ初めて見たわ。」
蜜柑「…それほど…怖いってこと…」
伊月「蜜柑！ZEROなら死の恐怖ぐらい乗り越えろよ。」
少し難しいと思う…そのとき鈴菜が倒れた。また人がへった