78話 だぁ～れだ　作：紅瑠璃

重い…体の上になにか乗ってる…右はベッドの外。左は柔らかい…。

「んぅ…。ね、猫か。ん？シユの胸か。ミカ、どけ。」
「にゃー」

蜜柑はいつも猫の状態で朱音を起こすのだろう。そうだ。昨日私は朱音の家に止まりに来たのだ。

「んぅ…おはよー。蜜柑。鈴菜。」

やっと起きた。今は7:00学校に行く支度をしないと…。一階から親の声がする。私が降りて、挨拶をするのだが、朱音の両親はいつもと変わらぬ顔でおはよう。と答えた。そして、二つのお弁当箱があった。一つは朱音の。もう一つは私のだ。蜜柑は少食なのでおにぎり１つ、多くても二つ食べればお腹いっぱいになると言う。そして、着替えて、歯を磨き…今の時刻は7:30…行ってきますの声に朱音の両親は行ってらっしゃい…と答えた。血は繋がってないが家族のように思えた。

～学校にて～
うちの学校は渚町にあるからか、「私立渚高校」という。そこそこの広さ。体育館が二つ。施設、設備も十分だ。そして今は3時間目体育。来週だか再来週の球技大会の練習だ。種目はバスケとサッカー…私はバスケを選んだ。いや、「私たちはバスケを選んだ。」この方がいいのかもしれない。実質かったるい…私はA組、朱音と蜜柑はC組、夢月と千聖とネアはD組、黄蜂と優衣はB組…黒羽 梓…彼女もいたな…蜜柑と知り合いの黒羽も私と同じA組だ。体育はいつも二つの組と合同なためA組とB組で行う。優衣の回りには黄蜂のみだ。それもそうだ、優衣は女子の着替えてる中体をなめ回すように見たり、触る。おもに胸部を…同性愛者だから仕方ない…といってる間に試合だ。もちろん私も黄蜂と優衣も真面目にやるわけないやったら、本番も頼りにされてしまう。私にかかればコートのどの場所からでもゴールできる。100％絶対に約束できるほど。…いや待てよ、約束はできないかもしれない。蜜柑や黄蜂、夢月と言った相手がいるのだから。

「なっ…ボール！？」

つい受け取ってしまった。パスを出せる相手はいない。打つしかない。私がシュートしたボール…私たちの陣地から投げたボールは入るわけがない。みんなはそう思うだろう。思っただろう。実質、いくらプロのシューターでも入れるのはむずかしい。だが、私は投げる投げた。そして綺麗にゴールした。「アニメかよ」そんなボソッっと言った言葉が聞こえたほど静まり返った。たしか、コートの長さが28m…となると私は相手のゴールボードから25m離れたとこから打ったことになる。
頼りにされてしまう。そんなことを考えてしまった。

～帰宅途中～
さんざんだった…黒羽からの質問攻め。

「シユ…あたしゃつかれたよ」
「おばあさんみたい。」

蜜柑は先に帰ったようで私は朱音と帰った。私用にとお弁当箱を作ってくれたが、食べ終えて、朱音が持って変えるそうだ。普通なら「私が持ってかえって洗って返すよ。」なのだが…。先程ラーメンを食べてきたばかりだったからお腹が空いてない。ただ…ただレモンが食べたい。

「私はこの辺で、お弁当箱ありがとうね。いつもごめんね」
「私たちのなかじゃない♪」

意味深だ。

「じゃぁね」

手を降り帰る。そうだな…手を降ってから何分したのだろう。私が手を降り、歩いた直後に加奈人君の事を妄想していた。危ないとこも…なに？高校生が中学生のことを変な風に見るのはおかしいと？何度もいってる気がするが私は小さい男の子が大好きだ！男の子を初めてを…おっと話がそれたかな。とにかく妄想していた事に気がついたから…10分か。突然後ろから目隠しをされた。

「だぁれだ。」

朱音の声だ。以前にも同じようなことがあったから「またか…」何て思っていた。そしてその手をどかし朱音に話をする…

「はぁ…シユ…お前なぁ～いいかげ…ん…にし。お前は…一体！？」

私が見たものは朱音じゃない。その目は目付きが鋭く…そこからは覚えてない。

～2日後～
黄蜂は情報を集めていた。鈴菜がいなくなってから2日たった。普通なら風邪かなですむが、朱音と鈴菜は毎日連絡をしている。その連絡がなくてすっ飛んで鈴菜の家に行くと、鍵がかかっていた。朱音の右腕の数珠には精霊が宿っているからその精霊に中の様子を調べさせていたのだが、もぬけの殻。人の影はなかった。それよりもビックリなのがアパートの修理の早さだった。鈴菜の部屋を少々壊してしまったが鈴菜の姿を見てないから鈴菜が犯人とも決めつけられないままドアは修理されていた。外装も少し変わっていた。

「怪異。その仕業だとしたら？」
「そんなっ！？レイが負けるなんて…。」
「…まぁ、怪異退治の専門家である私たちはその怪異は知らないでしょうよ。何せ私たちは退治の専門家。生体の専門家じゃない。」
「その言い、なにかあてがあるの？」
「まぁね。」

そのまま帰っていった。なんとしても探しだしたかった。鈴菜は黄蜂の家系図的に姉に当たる。黄蜂の父親の兄の娘。私が向かう先は待ち合わせ場所。何て説明すればよいのか…まぁ金と情報を貰い、体をめちゃくちゃにされる。それしか言えない。相手は私が亜人とは知らないから終わったら自分の銃で自分の頭を撃てば3分後にリセットされた状態で蘇る。リセットっても体内と、肉体の傷をリセットするだけだから記憶はリセットされない。

「だぁれだ。」

突然後ろから手で目隠しをされた。声は優衣の声だ。いやっ！優衣なら目隠しの代わりに後ろから胸を鷲掴みして「だぁれだ。」って言うはずだ！誰であろうと見えてしまうのだよ。私は亜人にしかだせないスタンドを出す。こっちの方がしっくり来る。ちょうどそんなアニメを見てるからかな。それともかつての恩人であり敵であったアーギスが名付けたのか。とにかく私は出して、スタンドの目を通して相手の姿を見た。こいつは亜人通しなら見ることができ、精神が不安定なら一般の人でも見える。

「お前か…」
「ずるをしたね。罰だ」

その体は黒く、何も見えない。私は私の体がその中に吸い込まれるのをスタンドを通して見た。そして私のスタンドも吸い込まれた。