62話 人浪　作：紅瑠璃

朱音が散歩しにいってから１５分が経とうとしていた。蜜柑の課題はとっくに終わっていた。
黄蜂「…夢月は大丈夫なのかな？」
永村「珍しいな。お前が夢月の心配をするなど…夢月は今京子といる。京子の事だから暴走状態の夢月と戦闘をしているさ。」
黄蜂「そっかー。…」
永村「それよりも朱音が遅すぎる気がするのだが…」
鈴菜「そういえばそうだね…でもねぇ～無料通話アプリのリンクで呼んでるんだけど出ないんだよ。ちょっくら探してくる」
そして鈴菜から連絡があったのはその3分後の事だった。朱音が心配停止の状態で発見されたのだ。しかし傷が１つも見つからない。さらに回りには木々があるため酸素不足とも言えない。また、熱中症とも言えない。なぜか？朱音は右腕に数珠をしているのだが、その数珠と朱音が合わさることで炎を操れたり、体温調節ができる。もちろん水分調節もだ。それよりもその数珠…稲荷がそう語っていた。稲荷が言うには猥談に耐えられなくなった朱音が稲荷と喋ってる途中で糸が切れたかのように倒れ、心配停止になったそうだ。朱音の近くにいた人間は藍野 鈴菜。猫山 蜜柑。黄蜂 三咲。藤崎 優衣。伊月 十夜。鈴木 千聖。ネア。の7人だ。
黄蜂「始めに…優衣、伊月、千聖、ネア。なんでここにいたの？」
伊月「俺はアストライアーに向かってただけだよ。」
確かに伊月はアストライアーの一員だ。ここに来ることは普通だ。
優衣「私は今日こそ朱音のお胸を触れるかと思って…潜入するつもりでした！」
とりあえずこいつを犯人にしたい。アストライアーに潜入することは困難だが不可能ではない…らしい。
千聖「私はネアとガン〇ムについて語ってたの！いやぁνはかっこいいすわ！あの白と黒のボディ…あれぞガン〇ムの完成形だよ！」
ネア「そうだね。私の体機械だから改造しようか？」
千聖「ネア。ネアは今のままで充分カッコいいし、可愛いわ♪」
ネア「…チサ、これが嬉しいなのか？新たに学習した。撫でられること=嬉しい」
アホか。バカップルか。…黄蜂は第一発見者を聞いたとこ、優衣であることがわかった。これは稲荷もそう言っている。優衣はもちろん朱音の 胸を鷲掴みにしてさわったと言う。警察に連れていきたい。

(天界)
黄泉「まずは魂の成り行きから語ろうか…」
ネメシス「前置きが長い！」
黄泉「まだ何もしゃべってなかろうに…まぁよい。」
ヴァルゴは急遽この天界に呼ばれ、黄泉の前にいる。ヴァルゴの後ろにはネメシス。黄泉、ヴァルゴ、ネメシスだけが金霊聖杖スピカに触れることが許されているのだ。
黄泉「今、冥界に魂が大量に行っているとのことだ。これだけ聞けば普通だと思うだろ？いや、思って貰っては困る。そもそも天界は冥界に行く魂の順序よくするのだが、そもそもの天界を通り越して直接冥界に向かっているそうだ。魂が溢れすぎた冥界は亡者の住みか。冥界である固まりが生まれればその固まりは広がりやがては冥界を載っとる。」
ヴァルゴ「そうですね…」
ネメシス「前置きが長いが…要するにヴァルゴに冥界に行って、調査をしてもらおうと言うわけ。犯人はどうやら地上に存在するもの言うならカードらしいんだ」
ヴァルゴ「そこまで知ってるのならなんで私に？」
ネメシス「私たちカードって知らないから。あぁいざというときは金霊聖杖スピカを使ってね。んじゃ、いってらっしゃい。」
ヴァルゴ「え！？今ですか！」
ネメシス「前置きが長い！」
ネメシスはヴァルゴは押し倒し、冥界につながる門に落とした。そしてヴァルゴは考えるのをやめた。

(朱音サイド)
黄蜂たちは心配停止の朱音を囲んで考えた。誰が犯人か、それは人浪ゲームにも思えた。そのままでは誰も動かなさそうなのでアストライアー本部近くの施設に皆を連れていった。
黄蜂「私としては優衣。あなたが怪しいわ」
優衣「ちょっと！私な訳、私も考えるから。」
黄蜂「優衣。あなたはいつも言ってるわよね。犯人か否かは証拠、目撃者が語ると。けど優衣。あなたは朱音をこんな状態にさせてない証拠、目撃者はいない！だから私は怪しいとまで答える。信用はしていない。」
優衣「そうね。けど黄蜂。鈴菜も千聖もネアにももちろん伊月にも犯行は可能よ。先程聞いたけど鈴菜、あなたが探しに出てから５分後に連絡をよこしたらしいわね」
鈴菜「そうだけど…」
優衣「つまりあなたが朱音を心配停止にさせてから得意のスピードで逃げて、たまたま私が通り第一発見者にさせた。とも言える。」
鈴菜「まてまて！ならどうやって心配停止にさせた！？」
優衣「この世にはそういう怪異もいる。そうでしょ？ネア」
いつかの時に町に怪異が現れたとき黄蜂や朱音たちが心配停止状態にされたことがあったが、ネアは機械なため、心配停止にならずみごと怪異を倒し、皆をもとに戻したことがある。こいつは罪を怪異に着せようと言う。しかし人間では不可能な方法。今はその道で考える他ない。なら…なら、誰が怪異を連れ込んで来たのか。あそこはギリギリアストライアーの管理範囲内。管理は一匹たりとも入れないのだが、協力者の手を借りれば怪異でも入ることができると言う。このシステムは狩った怪異を運んで処理したり、研究したりするためにあるものだがまさかこんな風に悪用されるとは…まてよ。と言うことは蜜柑も犯行の手助けができた。彼女は課題をしてる最中何回か退室している。その数分後に戻ってきているがその数分の間、猫の脚力を使えば管理室まではすぐにつくだろう。また、嫉妬の悪魔を使えば皆といる間にも管理室まで行き、操作することは簡単だ。
蜜柑「んにゃ！？そ、その目はミカを疑ってるの！？ミ、ミカはそんにゃことできにゃい小心者です！」
へにゃへにゃと崩れていったのを見ると本当にできなさそうだが…今までもこういう犯人はいた。
黄蜂「まぁそういうことにしとくよ…誰が人の皮を被った狼なのか。あばき合おうか。」