41話 墜ちる希望　作：紅瑠璃

～白梅海岸の近くの森にて～
朱音「確かに鈴菜はそう言ったのね。」
蜜柑「うん…。レイのことだから加奈人君を人質に取られているんでしょ…。にしてもどこだろ…。」
朱音「…。真保ちゃんの様子は？」
蜜柑「あぁ。すぐににゃおったって。昨日作った薬を試したとか…。そして昨日巨竜の復活Rが発売されたから今ごろ…。」
～宮野家～
京子「はっ！…デッキからドラゴン…消えた…。」
真保「お姉ちゃん…。今いるモンスターだけでも私、オーバーキルなんだけど…。」
京子「火力がまだ満足できない…。」
と言いつつも真保のフィールド全てを除外し、京子のフィールドにはダークマター３枚、アークブレイブドラゴン、No.62。
真保「計算すると…。26000だね…。」
京子「ブルーアイズ…。いれようかな…。」
～森の中に戻る～
朱音「してそうw…ミカ、宿題終わった？」
蜜柑「は？今言うこと？」
朱音「えへへ～♪」
鈴菜「あー。私も宿題…してねぇや」
と言うと木の上から降りて二人を…特に蜜柑を見つめる。彼女の狙いは蜜柑の所持している「リアルNo.」つまり能力が使えるNo.の事だ。
蜜柑「も、持って来てにゃいと言ったら？」
鈴菜「今お前の身の回りで起きることを考えると持ってきてない何て事無いだろ」
良くわかっている。いつ誰がNo.に取り付かれるかわからない。そんな人を救うにはデュエルで勝つしかない。しかし、デュエルするにはそのNo.が必要になる。彼女はそれを知っていた、いや、教えて貰ったのだろう…カグラに…。
鈴菜「いくよっ！」
ナイフを構え、蜜柑に攻撃するが蜜柑は避ける。
朱音「レイ！やめて！」
鈴菜「お前には関係のない！それともこの戦いを止めるか？できねぇよな！お前は炎を操る能力を持ってるくせに戦いを好まない…。友達一人も殴ってでも止められない愚か者だからなぁ！」
蜜柑「シユの悪口を言うにゃぁっ！」
体制を立て直し、鈴菜に殴るがスピードでは天と地ほどの差があった。
鈴菜「お前を倒して、No.をかっさらい、加奈人君を助ける。」
鈴菜の蹴りとは思えないほどの蹴りで蜜柑を海岸まで吹き飛ばす。
蜜柑「(これが…No.…。番号は…わからにゃい…。)誰に…頼まれた…カグラってやつか？」
鈴菜「…そうだよ。あいつは加奈人君に…悪いことをして、傷つけている…私は！…私はそれが耐えられないんだよ！」
蜜柑「だったら！一緒にそこに行って助けようよ！」
鈴菜「１度はそう考えたさ。けど、私の問題なんだよ！奴は真保と蜜柑の持っているNo.を回収すれば人質を解放すると言った。」
蜜柑「けど！カグラはこのNo.で悪いことをするんだよ！」
鈴菜「ってる…知ってるよ！んなこと！」
ナイフで連続で攻撃するがふと顔を見た時鈴菜の目には涙が流れていた。 できればNo.を渡したかった。けど、これからの事を考えると渡せなかった。
鈴菜「お前も…渡したくないんだろ？だったら…全力で来いよ。」
蜜柑「…っは！」(zeroの姿になる)
蜜柑はこの姿になって余裕を感じていた。この姿に攻撃を当てれるのは魂を宿した物からの攻撃のみ。鈴菜のナイフには魂が宿ってない。攻撃が当たるわけないそんなことを考えていたがその考えを覆されたのは今気が付いた。
鈴菜「その姿で私の攻撃が当たらないと思ったか？」(蜜柑の腹にナイフを突き刺す)
蜜柑(Ⅳ)「ぐっ…。にゃぜ…。」(刺された所からは砂が流れる )
鈴菜「…。その姿…やっぱり忘れられない…私のお父さんを殺した奴の姿…。」
(No.96)「ニクイ…カ？ワ…タシノイウコ…トド…オリニスレバアイ…ツヲケ…セル。」
突然鈴菜の所持していたNo.96が宙を舞、鈴菜に語りかける。
鈴菜「でも…あいつは私の友達…消したくない…。」
(No.96)「ケド…オマ…エノココ…ロハボ…ロボロ…アイツヲケ…セバモトニ…モドル。」
鈴菜「蜜柑…を？消せば…私の心は…。」
(No.96)「ワタ…シニユダ…ネテミテハ…ドウカナ…。」
と言うとNo.96は鈴菜の中に入り込む。
鈴菜「いやっ！やめてっ！私の心を…！いや…だ…。私はそんなの…」
蜜柑(Ⅳ)「レイ！」
鈴菜(No.96)「お前を…消して…私は…幸せ…にな…る。」
蜜柑には見えた。鈴菜はNo.に取り付かれている。そして、泣いていると…。 そして…。
蜜柑「ぐっ！？…」
自分の腹にナイフが刺さっていること。
鈴菜「ホープ…お前の終わりだ…。お前は闇に朽ちる。お前の所持者もな…」
黒いオーラが蜜柑の中に入り込むのを自分でもわかる。いや、カードではあるがNo.39自身もわかるのだろう。しかし、抵抗が出来ない。
朱音「レイ！…」
稲荷「おじょぉ！あの二人を止めなければ！」
朱音「稲荷…私には…出来ない！友達を傷つける事なんて…私には…。」
鈴菜(No.96)「おぉ。この体の…親友だな…。友達をも殴れないとはな…。愚か者だな」
稲荷「おじょぉ…。しばし体を借りますぞ…。」
朱音「い、稲荷！うぐっ…。」
鈴菜(No.96)「お前を始末する…。！？…なっ…なに！？」(鈴菜の腹から血が流れる)
蜜柑(Ⅳ)「お前を…始末する…消す…邪魔だ…。」(鈴菜の腹を爪で突き刺す)
朱音(稲荷)「なっ！？…っ！」
次に朱音を殴る。蜜柑からは黒く禍々しいオーラが漂う。
朱音「稲荷…助けを…お願い…。」(数珠を外す)
稲荷「しかしおじょぉ！」
朱音「良いからっ！早く！」
鈴菜「くっそ…。」
～数分後～
夢月「稲荷殿…ここか…っ！弧山殿！」
伊月「おいっ！朱音！しっかりしろ！」
朱音は腹、腕に沢山の傷を受け、血を流して倒れている。そこに鈴菜の姿はなく、蜜柑の姿もない。
朱音「み、皆…蜜柑は…」
伊月「動くな！…。蜜柑はいない…。」
夢月「何が起きたのだ？」
朱音「…実はね…」
朱音は話す。さっきまで起きたことを…