第151話：共鳴　作：光芒

「「デュエル！！」」


先攻：美鈴
後攻：遊大

美鈴　LP8000　手札5枚
デッキ：38　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：0　Pゾーン：青/赤　除外：0　EXデッキ：15（0）
遊大　LP8000　手札5枚
デッキ：40　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：0　Pゾーン：青/赤　除外：0　EXデッキ：15（0）


　冬を告げる寒い風が吹き荒ぶセントラル校屋上で対峙する遊大と美鈴。これまで何度もデュエルをしてきた二人であるが、この時ばかりは今までのデュエルとはどこか空気が違っていた。


☆TURN01（美鈴）

「先攻は私ですね。私は手札のWW-アイス・ベルの効果を発動します！」

　もはや彼女を代表するカードの一種と言っても過言ではないだろうWW-アイス・ベルが美鈴のフィールドに現れる。このカードを引けるか引けないかで彼女のデュエルの行く末は変わると言えた。

（先攻でアイス・ベル。嫌なコンボではあるけど）
「俺はアイス・ベルの効果にチェーンして手札の増殖するGの効果を発動するよ」
「っ！」

チェーン2（遊大）：増殖するG
チェーン1（美鈴）：WW-アイス・ベル

　WWは召喚権を使わずにレベル8のSモンスターのS召喚にまで繋げることができるデッキ。しかし、それは言い換えればその分特殊召喚を繰り返すということでもある。そのため、特殊召喚をトリガーにドローに変える増殖するGは天敵ともいえるカードであった。

（灰流うららも墓穴の指名者もない……ここはやむを得ませんね）
「これ以上チェーンは組みません。自分フィールドにモンスターが存在しない時、このカードを手札から特殊召喚します。そしてデッキからはレベル4のチューナーモンスター、WW-グラス・ベルを特殊召喚します！ 特殊召喚に成功したグラス・ベルとアイス・ベルの効果を発動します」

　この時点で遊大はまだ自分のターンを迎えていないにも関わらず、2枚カードをドローしている。増殖するGで減った分を含めても現時点で彼の手札は6枚になっていた。

チェーン2（美鈴）：WW-アイス・ベル
チェーン1（美鈴）：WW-グラス・ベル

「チェーン2のアイス・ベルの効果で遊大さんに500のダメージを与えます！」

遊大　LP8000→LP7500

「そしてチェーン1のグラス・ベルの効果でデッキから同名カード以外のWWモンスター1体を手札に加えます。加えるのはもちろんレベル1のチューナーモンスター、WW-スノウ・ベルです」
「すっかり十八番のコンボだね。でも、さすがに見慣れているよ」
「そうでしょうね……でも、私は私にできることをするだけですから。私はレベル3のWW-アイス・ベルに、レベル4のチューナーモンスター、WW-グラス・ベルをチューニング！ “世界が白く染まる時、凍てつく風と共に鈴の音響かせる。氷雪を力に変え舞い踊れ！”シンクロ召喚！ 雪原を通り抜ける風！ WW-ウインター・ベル！！」

　レベル7のSモンスターであるWW-ウィンター・ベルは墓地のWWモンスター1体のレベル×200のバーンダメージを与える効果と、お互いのバトルフェイズに一度、フィールドのWWモンスターのレベル以下のモンスター1体を手札から特殊召喚できるというものだ。いずれも汎用性の高い効果であるが、彼女のデッキからしてみれば、エースモンスターに繋げるための繋ぎにすぎない。

「モンスターが特殊召喚されたことで、俺はカードを1枚ドローするよ」
「ウィンター・ベルの1つ目の効果を発動します！ 墓地のグラス・ベルのレベル×200のダメージを遊大さんに与えます！」

遊大　LP7500→LP6700

（やっぱり先攻で1300のダメージは大きいな。これでいてウィンター・ベルと手札のスノウ・ベルで効果破壊耐性を持ったクリスタルウィングが……）
「私はカードを2枚セット。これでターンエンドです」


美鈴　LP8000　手札3枚
デッキ：36　モンスター：1（WW-ウィンター・ベル）魔法・罠：2　墓地：2　Pゾーン：青/赤　除外：0　EXデッキ：14（0）
遊大　LP6700　手札7枚
デッキ：37　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：1　Pゾーン：青/赤　除外：0　EXデッキ：15（0）


☆TURN02（遊大）

（ウィンター・ベルで止めてきたか。増殖するGでのドローを許したくなかったのかな？）
「俺のターン、ドロー。孫さん、本当にウィンター・ベルのままで良かったの？」
「はい。やはりこれ以上ドローさせてしまうわけにも行きませんし、今の遊大さんならスノウ・ベルを素材にしたクリスタルウィングでも安心できませんので……」

　そう言ってにっこりと微笑む美鈴。確かに増殖するGの効果が発動していたのもあったし、効果破壊耐性を持ったクリスタルウィング1体で止められるほど今の遊大は容易い相手ではないのかもしれない。だからと言ってウィンター・ベル1体でターンを回すというのは遊大にとってはさすがに不用心に思えてならなかった。

（ということはあのセットカード2枚……あれが気にかかるけど、だからといってこの好機を見過ごすわけにはいかない）
「俺は手札から魔法カード、テラ・フォーミングを発動。デッキから天空の虹彩を手札に加える。そして天空の虹彩を発動し、更に手札のスケール8、オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンとオッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴンをPゾーンにセッティングする」

　アークペンデュラムとミラージュ・ドラゴンのスケールは共に8。このままでは当然P召喚は行えない。だが、そんな状況であっても天空の虹彩は展開の起点を作り出す。

「天空の虹彩の効果を発動。Pゾーンのミラージュ・ドラゴンを破壊し、デッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に加える。そしてPゾーンのアークペンデュラムの効果でデッキからオッドアイズ・ランサー・ドラゴンを特殊召喚！ 更に覇王眷竜ダークヴルムを召喚！」

《覇王眷竜ダークヴルム》
ペンデュラム・効果モンスター (制限カード)
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1200
【Pスケール：青5/赤5】
(1)：1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから「覇王門」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかP召喚できない。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)：このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「覇王門」Pモンスター1体を手札に加える。
(2)：このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。

「召喚に成功したダークヴルムの効果を発動。デッキから覇王門と名のついたPモンスター1体を手札に加える。俺が手札に加えるのは《覇王門零》」
「覇王眷竜に覇王門……それがあの時に手に入れたカードですか」

　遊大が覇王龍ズァークとして覚醒した時に彼のデッキに加わったのがこの覇王眷竜ダークヴルムと覇王門零、そして《覇王門無限》という覇王カードだ。名前からしてこのモンスターたちもまたダーク・リベリオン、クリアウィング、スターヴ・ヴェノム、オッドアイズ同様ズァークの力の一部となっていたモンスターであるようだ。

「そして俺はスケール0の覇王門零をPゾーンにセッティング」

《覇王門零》
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻0/守0
【Pスケール：青0/赤0】
(1)：自分フィールドに「覇王龍ズァーク」が存在する場合、自分が受ける全てのダメージは0になる。
(2)：1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「覇王門無限」が存在する場合に発動できる。自分のPゾーンのカード2枚を破壊し、デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード1枚を手札に加える。
【モンスター効果】
(1)：1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードとこのカードを破壊し、ドラゴン族の融合モンスターまたはドラゴン族のSモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化され、S・X召喚の素材にできない。
(2)：モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。

「俺はこれでレベル1からレベル7までのモンスターをペンデュラム召喚できるようになった。俺は手札からオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとオッドアイズ・ファントム・ドラゴンを攻撃表示で、EXデッキからオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンを守備表示でペンデュラム召喚！」

　これで遊大のフィールドのモンスターの総攻撃力は9800。Pゾーンのオッドアイズはアークペンデュラム1体のみのため、ファントム・ドラゴンの効果で与えるダメージは1200。しかし、美鈴のフィールドのウィンター・ベルの存在を差し引いても全ての攻撃と効果がそのまま通れば総ダメージは8700にまで達する。

「全ての攻撃を通させるわけには行きません！ リバースカードオープン！ オッドアイズ・ファントム・ドラゴンを対象に罠カード、迷い風を発動します！ 特殊召喚されたモンスター1体の効果を無効にし、攻撃力を半分にします！」

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン　ATK2500→ATK1250（効果無効）

（ファントム・ドラゴンの攻撃力が……戦闘では期待できないか）
「バトルフェイズに移るよ！ 俺はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでWW-ウィンター・ベルを攻撃！ 螺旋のストライクバースト！」

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン　ATK2500　VS　WW-ウィンター・ベル　ATK2400

「この瞬間、私はウィンター・ベルの効果を発動します！」

　すぐにS素材にされてしまうため、あまり見掛けない効果ではあるがWW-ウィンター・ベルはバトルフェイズ中に一度、手札のレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚することができる。だが、ここでモンスターを特殊召喚したところで壁にしかならない。

「私はこのモンスターを特殊召喚します！」

　美鈴の手札から現れたのは小さな虫のようなモンスターだった。大きさこそ小さいが、フィールドでうねうねと蠢くその様は決して見ていて気持ちのいいものではなかった。

「特殊召喚に成功した《パラサイト・フュージョナー》の効果を発動します！」

《パラサイト・フュージョナー》
効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻0/守0
このカードは、このカードの(1)の効果を適用する場合のみ融合素材にできる。
(1)：このカードは、融合モンスターカードにカード名が記された融合素材モンスター1体の代わりにできる。その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
(2)：このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

「私はウィンター・ベルとパラサイト・フュージョナーを墓地へ送り、融合モンスター1体を融合召喚します！」
「融合召喚……！！」
「“真冬の雪原を走り抜ける風の音よ。内なる声とひとつになりて、更に激しく響き渡りなさい。融合召喚！ 舞い降りよ、荘厳に響く水晶の鐘！ WW-クリスタル・ベル！！」

　ウィンター・ベルを融合素材に指定しているクリスタル・ベルの攻撃力は2800。遊大のフィールドには攻撃力3000のランサー・ドラゴンが存在するため、守備表示で特殊召喚すること自体は自然なことであった。

（クリスタル・ベルは相手によって破壊されることで墓地のウィンター・ベルとレベル4以下のWW1体を特殊召喚する……そうか、だからウィンター・ベルを残したまま……）
「モンスターが変わったことで戦闘の巻き戻しが存在しますがどうされますか？」
「効果は知っているよ。でも攻撃しない理由はない。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでWW-クリスタル・ベルを攻撃！ 螺旋のストライクバースト！」

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン　ATK2500　VS　WW-クリスタル・ベル　DEF2400

「相手によって破壊されたクリスタル・ベルの効果を発動します！ 墓地のウィンター・ベルとレベル4のWW-グラス・ベルを守備表示で特殊召喚します！ 特殊召喚に成功したグラス・ベルの効果を発動し、デッキから2体目のアイス・ベルを手札に加えます！」

　グラス・ベルのサーチ効果は当然ながら1ターンに1度まで。そのためターンをまたいでクリスタル・ベルの効果で蘇生すればすぐにサーチ効果を使えるというわけだ。

「でも俺にはまだ攻撃可能なモンスターが残っている！ オッドアイズ・ランサー・ドラゴンでウィンター・ベルを攻撃！ “神槍のストライク・バースト”！」

オッドアイズ・ランサー・ドラゴン　ATK3000　VS　WW-ウィンター・ベル　DEF2000

「覇王眷竜ダークヴルムでグラス・ベルを攻撃！」

覇王眷竜ダークヴルム　ATK1800　VS　WW-グラス・ベル　DEF1500

「そしてオッドアイズ・ファントム・ドラゴンでダイレクトアタック！ “夢幻のスパイラルフレイム”！」

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン　ATK1250（効果無効）

「悪いですが、1のダメージも受けるつもりはありません！ リバースカードオープン、墓地のクリスタル・ベルを対象に永続罠、リビングデッドの呼び声を発動します！ このカードを攻撃表示で特殊召喚します！」
「ファントム・ドラゴンの攻撃を中止。これだけのモンスターを揃えても与えられたダメージは0か。さすがだね、孫さん」
「私も……ずっと頑張ってきたんですよ。遊大さんに追いつけるように、遊大さんに相応しいデュエリストになるために」

　遊大が成長したように、美鈴もまた様々なカードの組み合わせを試しては、レベルアップを重ねてきた。
　最もそれは美鈴だけに言えたことではない。入学時は覇王烈竜という特別なカードを持つだけの平凡なデュエリストであった遊大であるが、精霊の覚醒を契機にめきめきとその実力を開花させていった。
　そんな彼に触発される形で美鈴はもちろん留奈と礼と林檎が、陸と仁が、彼に追いつけ追い越せとばかりにそのデュエルの腕を磨いたのである。そして取り分け遊大に特別な思いを抱いている美鈴はその意気に溢れていたのだ。しかし、どれだけ腕を磨いたとしても美鈴は遊大の隣に立つことはできない。遊大にとっての一番になることはできない。彼女はそれを理解した上でこのデュエルを挑んできたのである。

「……俺はバトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移るね。レベル7のペンデュラム・ドラゴンとファントム・ドラゴンでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚！ “漆黒の身体に秘めた魂が求めるのは破壊。その瞳に移る全てを撃ち滅ぼせ！” ランク7《撃滅龍 ダーク・アームド》！！」

《撃滅龍 ダーク・アームド》
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
レベル7モンスター×2体以上
「撃滅龍 ダーク・アームド」は1ターンに1度、自分の墓地の闇属性モンスターが5体のみの場合、自分フィールドのレベル5以上のドラゴン族・闇属性モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1)：このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、自分の墓地からカード1枚を選んで除外する。この効果の発動後、ターン終了時までこのカードは攻撃できない。

「撃滅龍 ダーク・アームドの効果を発動！ このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのカード1枚を破壊する！ 破壊するのはもちろんリビングデッドの呼び声！」

　ダーク・アームドの放った漆黒の刃がリビングデッドの呼び声を切り裂く。死者を蘇らせる力が消えたことで、クリスタル・ベルも同時に破壊された。

「そして俺の墓地からカード1枚を選んで除外する。螺旋のストライクバーストを除外する」
「結局一掃されてしまいましたか……」
「俺はカードを1枚セットしてターンエンド」


美鈴　LP8000　手札2枚
デッキ：36　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：7　Pゾーン：青/赤　除外：0　EXデッキ：13（0）
遊大　LP6700　手札2枚
デッキ：33　モンスター：4（オッドアイズ・ランサー・ドラゴン、撃滅龍 ダーク・アームド ORU:1、覇王眷竜ダークヴルム、オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン）魔法・罠：2（天空の虹彩）墓地：2　Pゾーン：青0（覇王門零）/赤8（オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン）　除外：1　EXデッキ：14（0）


☆TURN03（美鈴）

「私のターン、ドロー！」

　前の遊大のターン自体はWWモンスターや罠カードの効果も相まって4体のモンスターの攻撃によるダメージを0に抑えてみせた美鈴。しかし、このターンで遊大のモンスターに全滅返しを食らわせるくらいでなければこのデュエルに勝つことはできない。彼女はデッキからカードを引く手に力を込めて、デッキトップのカードを引き抜いた。

「……遊大さん、ここから反撃させて頂きます！」
「反撃、か。確かに孫さんの手札には2体目のアイス・ベルが……」
「私のフィールドにモンスターが存在しないため、アイス・ベルの効果を発動します！ このカードを手札から特殊召喚します！ 特殊召喚に成功したアイス・ベルの効果で2体目のグラス・ベルをサーチし、そしてグラス・ベルを自身の効果で特殊召喚し、アイス・ベルの効果で遊大さんのライフに500のダメージを！」

遊大　LP6700→LP6200

「グラス・ベルの効果で最後のアイス・ベルを手札に加えます。そして私のフィールドに存在するモンスターが風属性2体以上、そして風属性のみの場合、手札のチューナーモンスター、WW-スノウ・ベルを特殊召喚します！ アイス・ベルにグラス・ベルをチューニング！ シンクロ召喚！ 再び現れよ、WW-ウィンター・ベル！ ウィンター・ベルの効果を発動！ 墓地のクリスタル・ベルのレベル×200のダメージを受けてください！」

遊大　LP6200→LP4600

「ここでクリスタル・ベル……」
「ええ。ですが、どうせならもっと面白いものを見せてあげます！ 私はライフ2000をコストに魔法カード《超越融合》を発動します！」

《超越融合》
通常魔法
このカードの発動に対してカードの効果は発動できない。
(1)：2000LPを払って発動できる。融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスター2体を自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
(2)：墓地のこのカードを除外し、このカードの効果で融合召喚したモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は０になり、効果は無効化される。

美鈴　LP8000→LP6000

「私はウィンター・ベルとスノウ・ベルの2体で融合召喚！ もう一度響き渡りなさい、WW-クリスタル・ベル！！」
「ライフコストを払ってまで融合？ 確かにチェーン不可は強力だけど……」
「私の狙いは別にあります！ まずはクリスタル・ベルの効果を発動！ ターン終了時まで墓地のウィンター・ベルのカード名と効果を得ます」

WW-クリスタル・ベル（WW-ウィンター・ベル）

「ウィンター・ベルの効果を得たクリスタル・ベルの効果を発動！ もう一度墓地のクリスタル・ベルのレベル×200のダメージを受けてもらいます！」

遊大　LP4600→LP3000

「そして超越融合のもう一つの効果を発動します！ 墓地のこのカードを除外し、このカードの効果で融合召喚したモンスター、クリスタル・ベルを対象として発動します！ そのカードの融合素材一組を効果を無効にし、攻撃力を0にして墓地から特殊召喚します！ 蘇りなさい、ウィンター・ベル、スノウ・ベル！」

WW-ウィンター・ベル　ATK0（効果無効）
WW-スノウ・ベル　ATK0（効果無効）

「！？ そうか、それが……狙いか」
「お分かりいただけたようですね。私はレベル7のシンクロモンスター、WW-ウィンター・ベルに、レベル1のチューナーモンスター、WW-スノウ・ベルをチューニング！ “光り輝く雪風が呼び覚ますは水晶の翼を持ちし竜。雄々しくも美しいその身を以てあらゆるものを突き穿て！” シンクロ召喚！ 咆哮せよ、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン！！」

　水晶の翼を持つ白き竜が鈴の音を響かせながら高らかに咆哮した。それは主である美鈴の感情に共鳴するかのように。