番外編：4月1日　作：光芒

＊台本形式です
＊世界観崩壊
＊カオス
＊キャラ崩壊
＊季節ネタです




～4月1日・午前～


大空 礼「何よこんな朝っぱらから呼び出して……言っておくけどくだらないことだったら本当にぶん殴るからね？」
大空 仁「……実はずっと言わなければいけないと思っていたことなんだけどな。お前と俺には、血の繋がりが無いんだ」
礼「……は？」
仁「お前は父の友人の娘だったんだが、友人夫婦が事故で急逝してな……だから俺の父が身寄りのないお前を引き取ったんだ」
礼「……えっ、嘘でしょう？ 私とあんたが双子どころか兄妹ですらないってこと？」
仁「そう……なるな」
礼「……あっ、そうなんだ、ふーん……」
仁「済まなかったな、今まで黙っていて。だが血の繋がりはなくとも俺はお前を大事な妹だと思っている。だからこれからも宜しくな……」


ぎゅっ


仁「礼？」
礼「あの、お兄ちゃ……仁。今まで、ごめんね」
仁「？」
礼「私、ずっと仁のこと馬鹿にしていた。仁の悪口ばかり言ってきた。でもね、それはお兄ちゃんのこと大好きだったけど、それを面と向かって出すのが恥ずかしかったからなんだ。本当は仁のことを世界で最高のお兄ちゃんだって思ってたんだよ？ あっ、血の繋がりがないからお兄ちゃんじゃないよね……」
仁「礼……」
礼「ごめんね、今までずっと気を遣わちゃって。これからもさ、私みたいな不出来な妹でも……一緒にいてよね？」
仁「礼……ちょっと後ろを振り返ってみてくれないか？」
礼「えっ、後ろ？」





孫 美鈴・舞原 留奈「「ドッキリ大成功！」」





礼「えっ？」
留奈「礼、きょうはエイプリルフールだぞ！」
礼「えっ？」
美鈴「日本では4月1日の午前中だけ嘘をついてもいい、という習慣があるんですね。面白い文化です！」
礼「えっ？」
仁「すまん、今言ったことは全部嘘なんだ。お前は俺の双子の妹だし、血の繋がりもちゃんとある。第一こんな似てる兄妹がいないわけないだろう」
礼「あっ……そうなんだ……ふーん……」


ぽきっ……ぽきっ……


仁「礼、兄として言っておくが指の骨を鳴らすと指が太くなるぞ。女は白魚のような美しい指も売りの一つなんだからそういう品のない行為は……」
礼「仁、いやお兄ちゃん？」
仁「な、なんだ」
礼「……ブッ飛ばしていい？」
仁「」





数分後……





仁……だったもの「」


礼「ふん。いい気味だわ」
美鈴「うわぁ……」
留奈「さすがにやりすぎだぞ礼！ おまえはむねもちいさければうつわもちいさいのか！」
礼「あ？？？」
留奈「ごめんなさい」
礼「わかればいいのよ」
美鈴「留奈さん……」
留奈「しかし、なんでエイプリルフールなんてあるんだろうな！ どこのだれがつくったんだ？」
礼「発祥は全く不明みたいね。様々な説があるけど、どれも俗説の域を出ないみたい。ねえ、留奈。せっかくだからあんたも嘘つきなさいよ」
留奈「わ、わたしがか！？」
美鈴「留奈さんのつく嘘……一体どんな嘘なんでしょうか！」
留奈「ううーん……そうだな……！あっ！」



留奈「じつはわたしはこうみえてもおじょうさまなんだぞ！」



礼「……」
美鈴「……」
留奈「な、なんだ」
礼「あのさ」
美鈴「もっと嘘らしい嘘をついてください」
留奈「うそらしいうそってなんだ！ わたしのいえにはしつじがいてだな、いえもこーんなにでっかいんだぞ！」
礼「はいはい」
美鈴「まあ留奈さんらしいと言えばらしい嘘ですよね」
留奈「おーい！ はなしをきけー！」





～4月1日・正午～





遊大「あのさ、俺……実は女なんだ」



陸「は？」
遊大「ほら、よく漫画であるじゃん。性別を偽って学校に通うとかいうやつ。俺、そうなんだよ」
陸「……マジかよ」
遊大「マジだよ」（ふふっ、信じてる信じてる……今日はエイプリルフールなのに）
陸「そうなのか……あ、あのさ。俺たちは性別こそ違っても親友だからな！」
遊大「当然だよ！ 俺からしてみても陸は大事な親友だよ！ そこは変わらないからね！」
陸「そっか……良かったぜ。あ、そういやさ……」
遊大「ん？ 何？」



陸「……お前女なんだよな。じゃあさ、本当、あそこ……柔らかいの？」



遊大「あそこって……な、なに言ってるんだよ！ このバカ！」
陸「いやさ。一緒に過ごしてきてそういうふくらみとかわかんなかったからさ」
遊大「そりゃバレないようにサラシをきつく巻き付けているから……」
陸「ちょっと触らせてくれない？」
遊大「んなっ……！？」
陸「いいじゃないか、親友なんだし！」
遊大「親友でもダメなものはダメ！！」


林檎「ちょっと何の騒ぎ？」


遊大「あっ、音無さん！ 助けて陸のバカがセ ク ハ ラを……」
陸「林檎ちゃん！ 遊大って実は女なんだって！」
林檎「は？ それって……」（なーるほど）
遊大「音無さん、今日の日付はわかる？ 4月1日だよ？ 4月1日はエイプリルフー……」
林檎「高海くん、エイプリルフールが通用するのは4月1日の午前中だよ？ 今はお昼過ぎだよ？」
遊大「えっ……」
林檎「つまり今は嘘ついちゃダメなの。ねえ……高海くんって女の子なんだよね。女の子に男の子が触るのがダメなら……女の子同士なら……問題ないよねっ！」
遊大「あっ、ちょっ……！！」



遊大「」



林檎「ふぅ……」
陸「うわ、えげつねぇ……」
林檎「よく知らないで便乗した高海くんが悪いのよ。でも高海くんって本当に女の子みたいよね。化粧して女の子の服着せたらバレないんじゃない？」
陸「確かになー、顔つきもそれっぽいし華奢だし……」
林檎「ねえ、私部屋から服持ってくるね」
陸「マジでやんの？」
遊大「えっ……」



遊大「……なんかスース―するんだけど……」



陸「ごほっ」
林檎「やばいかわいい。化粧して金髪のウイッグつけて私の私服を着せただけなのに……」
陸「というか毛薄いよなお前。胸やスネどころか脇までつるっつるじゃねーか」
林檎「本当に男の子なの？ 異世界からやってきた精霊、とかじゃないの？」
遊大「俺は人間だよ！！ あ、あのさ。嘘ついたの謝るから早く元に戻して……」
陸「高海ィ……お前本当に可愛いなぁ……」
遊大「どこの百○木さん！？」
陸「冗談冗談。ちょっと待ってろ」ピロリーン♪
林檎「すぐに戻してあげるからね」カシャッ！
遊大「スマホかざさないでよー！！」


遊希「高海くん？ 今時間あるか……」


遊大「あっ」
遊希「あっ」
陸「あっ」
林檎「あっ」
遊希「そ、そうよね。今のこのご時世どんな嗜好があっても自由よね。ジェンダーフリーの時代だものね。そうよね。高海くんに女装趣味があったとしてなんもおかしくないわよね。悪かったわ、出直すわ」
遊大「ちょっと待ってください遊希さん！ 違うんです！ これには訳があああ！！」
遊希「ちょっと、追っかけて来なくていいから！」
陸「おい遊大！ お前その格好でうろついたらますますあらぬ噂が！！」
林檎「……嘘は良くないってことね。これからも気を付けましょう」







○あとがき
　最近忙しくて中々本編の原稿が仕上げられないでいる私ですが、こんな下らない番外編を一発書きできるくらいには元気です。あ、そういえば今日からマスタールール4が適用されますね。リンク召喚やら新ルールで虫の息ですが、なんとか遊大くんを主人公らしくカッコよく描けるように頑張ります。