99話 アストライアーに来客　作：紅瑠璃

さて、今日は他の町のアストライアーの組織から人が来る事になっている。猿柿稲真と黒瀬有栖と舟方出雲の3人だ。ロビーではその3人を迎えるために藍野鈴菜と弧山朱音が待っていた。

「どんな人なんだろうね♪」
「そうね…面倒にはなりたくないわね。」
「んやぁ～？まだですか？」

待合室で待っていたはずの神無月風那が降りてきた。

「これが弧卯の能力か…。」
「スゴいっスね！」

前方から声がする。3人は前を見るが、何もない…。見えない。

「やぁやぁ。驚かせてごめんなさいねぇ。」
「あっ…宇佐美さん…。その人達が来客？」
「そうよ。ほら、待合室に行こうか。」

鈴菜と朱音が待っていた意味とはなんだったのか…。何て思いながら3人をつれていく…宇佐美は別の部屋に行った。何か、仕事があるのだと言う。待合室に着くとそれぞれ遊戯王をしていた。

「あ、あのさ！来客来たんだけど…」

鈴菜が一声かけるとみんなが鈴菜を見る。…ここから先は任されているが何をすればよいのかわからない。とりあえず、自己紹介からすることにした。左腕に包帯を巻いて背中に武器を背負い、女で「ッス」が語尾なのが猿柿稲真。

「猿柿ッス！私は柿が好きッスよ！」

黒く薄いフレームの眼鏡をしている男が黒瀬有栖。

「黒瀬有栖だ。よろしく。」

白い服…白い髪の毛の男…舟方出雲も挨拶をした。

「出雲だ。よろしく…。」

…また沈黙が続く…。しびれを切らした桐谷が口を開ける。

「あ、あの！そちらの町では怪異は少ないのですか？」
「何かビクビクしながら聞くのか…そうだな俺のとこは少ないな…あんたらは？」

猿柿も舟方も少ないらしい。

「あのさ！せっかくなので本部のお力を見せてほしいッス！」
「私…やる。」

珍しく自分から動いたのは宮野京子だった。

「俺は…そこのあんた…空いてるか？」
「私？…まぁ良いけど。」

黒瀬有栖は藍野鈴菜を指名した。舟方出雲は黄蜂三咲を指名した。それぞれトレーニングルームに入り、力比べを行う。猿柿と宮野は拳と拳の殴り合いになっていた。

～渚町のうどん屋～

先程まで力比べをしていたのだが宮野と猿柿がうるさくしたせいで宇佐美に気づかれ中断された。猿柿と宮野が本気で殴り合えばトレーニングルームどころか、本部が壊れると感じたからだ。そんなことになれば最悪だ。そして、追い出されたあげく渚町名物のうどんを食べに来たのだ。そして今に至る。

「いやぁ～宮野京子さんは強いッスね！」
「それは…ない。私は…か弱い。」

出たよ…か弱いって自分で言う脳筋。

「そういえばあなたたちは何でアストライアーに入ろうと？」

黒瀬有栖から質問をされた。朱音と鈴菜は…とある事件があったためなろうと決めたと答えた。蜜柑はみんなに拾われて。夢月は蕪木様の命により…とそれぞれ答えた。

「なんか、しんみりしたな…。」

舟方がボソッとそう言った。それに続けて舟方がこう提案した。

「スポッティーに行かないか？」

色々なスポーツをそこで行える場所…スポッティーだ。ボーリング、フットサル、トランポリン等あるのだ。確かに滅多にいかないものだ…なので、一同賛成をした。