91話 ハロウィン　作：紅瑠璃

みんな、何かしてるなぁ～。あれ？確か今日はみんなうちに来るとか言ってたっけ。今日は何日だっけ？…まぁいっか。眠いから寝る…。

「ミカ！」
「んにゃ？」
「どぉ？このコスプレ。…ん？ミカ？」

朱音はフランケンのコスプレをして蜜柑に見せた。かなりのリアリティーがあるせいか、蜜柑が固まってしまった。気絶してしまったのだろう。…おや？玄関でチャイムが鳴る。外に出ると鈴菜とそこで暇だと言って、無理矢理に捕まってしまったのだろう加奈人がいた。そう、今日は朱音の家でハロウィンパーティーをするのだ。

「何で…僕ばっかりこんな目に…。」
「今から着替えるんだけど…見る？」
「やだよ！帰らせてよ！」
「予定は？」
「な、ないよ。」

後々から夢月と鈴木、ネア、伊月が来る。あいにく黄蜂と藤崎は二人で警察から事件解決のためにかり出された。二人とも頭がよく、観察力もあり、黄蜂には心理学。藤崎には持久力がある…さて、鈴菜が着替え終える頃だ。部屋から出てきた鈴菜はジェスターにピエロの仮面をして、自慢のナイフ5本でジャグリングをしてきた。鈴菜がピエロ、朱音はフランケン…また、玄関でチャイムが鳴る。今度は鈴木とネアの二人だ。ネアはすでにバンパイアの格好をしていて気合い十分の様子に対し、鈴木千聖の格好は…。

「これぞコスプレの真骨頂！ガン〇ムのコスプレよ！この日のためにネアの家に行って有り余りの材料で作った物よ！」

しっかりとその姿。しっかりとした材料と重さ。しっかりと武器パーツまで作ってある…ただの変人だ。

「いやね、作ったのはいいけど、重たいわwもう少しねコクピットが開いたり、飛行するように作ろうとしたけど…私、取り調べされたくないしw」

もう十分に取り調べされる格好だ。朱音はそんな二人を家に入れた。

「おぉ千聖…お前だけなんかちがくね？」
「ハロウィンだからってお化けの格好をしなきゃいけないなんてないわよ。そんなこと言ったらあんたピエロだし。それより、蜜柑は放置なのね…。」
「また、起こして気絶それるからなぁ～。犬塚とか来れば良いけど…」

また、チャイムだ。扉をあけると夢月と伊月がいた。

「おぉ。フランケンか。いんじゃね似合っているよ。」
「うむ。出来がスゴいな。」

部屋に入ると夢月はビクッとなり、1歩引いた。その視線に鈴菜。

「ピ、ピエロ…。」
「まてまて！何するきだ。刀に手を置くな！」

早速別の部屋につれていき、話をしたところ、夢月はピエロ恐怖症だということがわかった。あのアストライアーでかなりの実力者にこんな弱点があるとは思わなかった。とりあえず別々の部屋で着替えて貰った。伊月はオオカミ男。夢月は…ナース服だった。

「うむ。この格好は蕪木様が選んでくれた物だ。蕪木様が選んでくれた物だから何かあるのだな！」

ドヤッ！とした顔で言われても…ナース服…。鈴菜は仕方がないのでピエロの白塗りお面を外し、ぼうしを加奈人の頭の上に乗せた。さて、ハロウィンパーティーの始まりだ。といってもたんたんに食べるだけだが…。アップルパイや、パンプキンパイ。クッキー等を食べた。とても楽しんでいるなかアストライアーから渡されたリストバンドから何やら通知が来た。内容は怪異退治。まぁアストライアーの中でもっとも多い仕事が怪異退治だ。他の町で倒し逃した奴らしい…。しかし、みんなくつろいでいる…誰がいくか？みたいな雰囲気が漂っていた。

「なぁ、蜜柑に行かせようぜ。」

伊月のその言葉で皆が賛成し、蜜柑を無理矢理に叩き起こし、戦場に向かわせた。

「はぁ…。にゃんで蜜柑がこんにゃとこに…さぁ！お前だな…こいっ！」

その頃朱音の家では蜜柑の帰りが遅いことに少し心配していた。また誰がいくか？みたいな雰囲気が漂っていた。

「うむ。私がいこう。」

さすが特攻若武者。しかし、こういうときの夢月は…。そう思い結局ついてきた。その様子を伺うと、怪異は触手のようなもので蜜柑を捕まえ、夢月も触手に捕まり、くっころ状態になっていた。…その頃。

「加奈人君。カボチャ好きなんでしょ。」
「ありがと！鈴木さん。その格好はガン〇ムエク〇アでしょ！」
「さすがね！ちゃんとほら、ブレード開閉ができて、劇中通りのセブンソード付きよ。このビーム作るのは無理っぽいから伸縮性の棒を使って作ったのよ…あとは粒子を飛ばしたかったわ最低限、そこをできたら…くそっ！」
「リアリティーを求めますね。」
「それがプラモデルを愛する者よ！劇中通りの…あのかっこよさをプラモデルまたはコスプレでどう出すのか。それにかかってるわ！」

千聖と加奈人がそんな会話をしていた。鍵が開く音がする…皆が帰ってきたのか。怪異を倒し終えたようだ。蜜柑はまた朱音のフランケン姿を見て気絶。鈴菜は服に傷がつき、チラッと体が見えてしまっている。伊月は夢月をおぶってきた。

「い、いぃ伊月殿！もうよい！」
「そうか？」

優しく下ろす。食べ物に手を出そうとしているが動けない…先程の倒した怪異のせいか。すると伊月が食べ物をとり、口に運んでくれた。

「なっ！？」

頬を赤らめ困惑していた。いきなりのことに弱い夢月。やはり皆の可愛いという意見は変わらない。加奈人は門限で家に帰宅。だが、皆は今日は朱音家に泊まる事になっている。まだ寝るまでに時間がある。パーティーはまだ続く。