第111話 譲れぬ思い　作：こんにゃく

アルフレド
手札2
LP4000

リザスター・ファレフォール
攻撃力3300

スライムスワロー
攻撃力2200


ガイ
手札1
LP3800

タイラント・トラクター
攻撃力3300



アルフレド「僕を倒す算段だって…？やってみろよ」

ガイ「ああ！ソイツがこのモンスターさ！」

このは「ガイ…」

アルフレド「ふーん…それじゃあ僕はカードを１枚セットしてターンエンドにするよ」

手札1

ガイ「いくぜ！俺のターン！」

手札2

ガイ「俺は！タイラント・トラクターを攻撃表示にして！タイラント・トラクターのモンスター効果発動！『このモンスターが攻撃表示の時！相手フィールドのモンスター全てを破壊し！破壊したモンスター１体に付き300ポイント！タイラント・トラクターの攻撃力をアップさせる！』」

このは「良いのですよ！ガイ！」

ガイ「おっと、トラップの発動は無理だぜ『タイラント・トラクターのこの破壊する効果に対してマジック・トラップカードの発動はできない』」

アルフレド「なに？」

ガイ「コイツがお前を倒す算段ってやつさ！！タイラント・トラクターで全てを破壊する！」

ｶﾞｺﾝｯ! タイラント・トラクターが地面を掴み抉り、それを真上に投げ飛ばす、それは巨大な隕石のようにアルフレドのフィールドのモンスターを襲う


タイラント・トラクター
攻撃力3300→3900


ガイ「バトルだ！！タイラント・トラクターでアルフレドにダイレクトアタック！！」

ガイ「タイラント・ブレット！！」

ｺﾞｳﾝｯ!! タイラント・トラクターの右拳がアルフレドを殴り抜ける

アルフレド「ぐぁぁっ！！！」

シズク「お兄！！」

アルフレド「…ぐ…く…！」
LP4000→100

ガイ「俺はカードを2枚セットしてターンエンド」

手札0

シズク「お兄！もうやめて！」

シズク「私！…私知ってるんだよ…あの時…私達は…里の人達は殺された…だけど…あの時！誰かが私達を殺すように仕向けたんだよ！」

アルフレド「な、なんだと…？」

シズク「思い出して…」

するとシズクの体が光はじめる

ガイ「うおっ！？」

このは「な、なんですかっ！！これはっ！！」

…


アルフレド『おーい…お前達、起きろぉ』

シズク『ふぁい…お兄…』

タツフミ『…すぅ…すぅ』

アルフレド『タツ、いつまで寝てる』ｺﾝｯ

アルフレドが手に持っていたお玉でタツフミの頭を叩く

タツフミ『いてっ！兄ちゃん痛てぇよぉ…』

アルフレド『痛くされたくないんだったら早く起きる、ほら』

タツフミ『うぅ～』


シズク・タツフミ『いっただきまーす』

そこにはアルフレドが作った朝食が並べられている

タツフミ『うめぇ！』

シズク『お兄が作るご飯はいつも美味しいね』

アルフレド『ありがとうシズク…それじゃあ兄ちゃんは仕事があるからもう行くよ？』

タツフミ『ふぁーい』ﾓｸﾞﾓｸﾞ

シズク『お兄、いつもより早いね』

アルフレド『まぁ…色々とあるんだよ…お兄ちゃんには』

シズク『…そうなんだ…うん！それじゃ、いってらっしゃい！』

アルフレド『おう、いってきます！』



シズク『お兄行っちゃったね』

タツフミ『そうだね…あー退屈だなぁ』

シズク『それじゃあ買い出し行こっか』

タツフミ『そうだな』

シズクとタツフミは外へと出る

そこは質素な村だった、人口は数百人程度の小さな村

おばちゃん『あら、シズクちゃんにタツ君、こんな朝早くからお買い物かしら？』

シズク『うん！』

おばちゃん『偉いわねぇ～』

シズク『お兄も頑張ってるんだもん！私もがんばらなくちゃ！』


アルフレド『…それでどうなんだい？』

アルフレドがいる場所は何処かのお城、そこには

シリウス『スレイブリンクもここ最近は動きを強めている…注意しなくては』

アルフレド『…そうか…トウセン達は？』

シリウス『自身の国で今は手一杯のようだ』

アルフレド『そっか…』

シリウス『お前達の村ではどうなんだ？』

アルフレド『僕達の村は平気さ、辺境な村だし』

シリウス『最近ではお前達の…忍術？だったかそれで活気がでている見たいではないか』

アルフレド『まぁね…これもシズクやタツフミの為さ』

シリウス『…相も変わらず家族思いの男だ』

アルフレド『…僕にはあの二人しか居ないんだ…だからこんな時代からあの子達を守っていかなくちゃならないんだ！』

シリウス『…そうか』

その時 ドアがﾊﾞﾝｯ‼と開けられる

シャウロン『不味い！トウセンの国にスレイブリンクの兵士共が大量に押し寄せてやがる！』

シリウス『…なんだと？』

シャウロン『アイツらも結構ヤバイみたいだ…シリウス、アルフレド』

アルフレド『…分かった、僕達も行こう』

シリウス『…アルフレド、お前…家族は？』

アルフレド『２日間くらいだったらあの子達も大丈夫だろう』

シリウス『…分かった、シャウロン…俺の兵も貸す、案内しろ何処で戦っている』

シャウロン『ああ分かったぜ、こっちだ』


シズク『お兄遅いなぁ…』

タツフミ『そうだなぁ…俺腹へったよぉ』

シズク『お兄…忙しいって言ってたし…』

ﾜｧ…ﾅﾝﾃﾞｽｶｯ!?ｱﾅﾀﾀﾁ!!?

シズク『ん？なんだか外が騒がしいね』

タツフミ『何だろう？』


おばちゃん『あんた達！隣町の！！』

男達『貴様達…貴様達の妖術が災いを呼ぶのだ！！』

おばちゃん『…はぁ！？』

男達『貴様達のその妖術のせいで…我々の町は…国は…』

男達『野郎共！このおぞましい妖術師達を葬るのだ！！』

ウォォッ！！…

おばちゃん『いったい何をっ！？がっ！！？』ﾄﾞｽｯ

男達『この者達を許すなぁ！』

シズク『…何…これ…』

タツフミ『や…ヤバイよ…これ…シズク！逃げよう！！』

シズク『う、うん！』

男達は村の人々を次々と襲っていく、しかし何かがおかしい

おじさん『こ、コイツら…人間か！？何故我々の忍術に対応できる！！？』

隣町の男達は忍者の彼らを圧倒していた

おじさん『くっ…なんという禍々しい気だ…コイツら…うぐぁっ！！？』ﾄﾞｽｯ

男達『殺せぇ！逃がすなぁ！！』

シズク『はぁ…はぁ…お兄…！！』

その瞬間

男達『…逃がさんぞ』

シズク『ひぃっ！！』

タツフミ『シズク…ぐぁっ！？』ﾊﾞｷｯ

シズク『ひ…お…お兄…』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


それから２日がたった

シャウロン『アルフレド！！アルフレドはいんのかっ！？』

アルフレド『何？こっちは戦いが終わって疲れているんだ…後にしてくれよ』

シャウロン『そうじゃねぇ！！てめぇの村が…！！』

アルフレド『…！？』


アルフレド『…どういう…ことだ…？』

そこは見るも無惨な状態だった、人々が血を流し倒れ、磔になっている者もいる

…

シャウロン『…お前がいない間に隣町の奴等が攻めはいったらしい…ソイツらはなんでも自分達の国が潰れたのはお前達の忍者のせいだと思ったらしい』

シャウロン『それで魔女狩り的な扱いを…っておい！最後まで話を聞きやがれ…』

…

アルフレド『そんな…嘘だ…ろ』

目の前を見るとそこには、磔になり血だらけになり服さえまともに着ていない妹と弟の姿があった

その周りにもアルフレドのよく見知った顔の人物達が磔に合っている

そしてアルフレドはその二人を静かに下ろす

アルフレド『どうして…どうして…僕達がこんな目に合わないといけないんだ…』

その時、ｶﾞｻｯと音がなる

幼女『…』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

アルフレドが知らない少女…数人の子供達がいた、おそらくこの惨事の生き残りだろう

アルフレドはその子供達を抱き締める

アルフレド『…いいかい…この森の奥には僕達が信仰していた神様がいる場所がある…ここは…この村はもう終わりだ…』

アルフレド『君達はそこに行くんだ…いいね？』

幼女『…うん』

アルフレド『…君達が僕達の意思を受け継いでいくんだ…』

幼女『…お兄ちゃんは…どうするの？』

アルフレド『…僕にはやるべきことことがある』


隣町

そこは既に滅んでいる、町はボロボロでまるで『巨大な生物』に破壊されたようになっていた

男達『…ん？君は…この町の人間じゃ…っ！？』ｽﾞﾊﾞｯ!!

瞬間、男の頭が落ちる

そして周りにいた男達が一斉に構える

男達『な！？何者だ！！貴様！！』

アルフレド『…何者か…だって…？僕は…』

アルフレド『…殺戮者だ！！！』ﾋﾞｭｫﾝｯ!!

凄まじい速さでアルフレドは男達を切り刻んでいく

男達『くっ！コイツらも妖術使いだ！！生き残りだ！！やれ！！』


そして

アルフレド『…はぁ…はぁ…くそ…』

その町の人間全てをなぎ倒し、周りは赤く染まっていた

アルフレド自身もまた切り刻まれ限界だった

アルフレド『コイツら…ただの人間じゃ…なかった…僕が…こ…こまで…』ﾄﾞｻｯ

アルフレドの視界がボヤけていく

アルフレド『くそ…ゆ…許して…たまるか…僕は…まだ…』

ｺﾞｧｧｯ! その時、アルフレドの体に強烈な風が吹き付ける

そしてボヤけたアルフレドの目にあるものが映った

アルフレド『…ドラ…ゴン…？』

それがアルフレドの最後に見た光景だった


…

ガイ「これは…アルフレド…そしてこの子の記憶…？」

このは「…まさか…アルフレドにこんな過去が…」

このはは思い出す、過去にシンクリスで暁として活動していた彼と戦った時の事を

…

暁 『君の里が滅んだのは…僕にとってはたかがだよ…現に生きてる人間も…里もあるじゃないか…それに君は生きている』

暁『…君は本当の絶望を知らない』

このは『？一体何の事を…』

…

このは「…」ｷﾞﾘｨ

このはは唇を噛み締める

シズク「…思い出した？…お兄」

アルフレド「ああ…そうだね…思い出したさ」

シズク「じゃあっ！！」

アルフレド「…やはり人間は生かしておく必要がないと言うことがな」

シズク「え！？」

アルフレド「確かに、おかしな点はある…隣町の人間が『僕がいなくなったタイミング』を見計らったように村を襲ったこと」

アルフレド「隣町の人間が『まるで人間を越えた力』を持っていたこと」

アルフレド「隣町の人間が『僕達の村の人間を目の敵』にしていたこと…」

アルフレド「だが…そんな物は関係ないね！！僕は起こった事実に対して怒りが込み上げてくるよ！シズクをタツを！村の人々を！！それだけじゃない！ファラリス七賢者と呼ばれた僕の仲間達が人間に…！！」

アルフレド「この『デキレスト』っていう世界そのものに殺された事が許せないんだ！！！」

ﾄﾞﾝｯ!! アルフレドの闇が辺りを包んでいく、その闇はガイを吹き飛ばした

ガイ「ふぐぁっ！！？」

このは「くっ！これは…！！」

アルフレド「この世の全てを僕は許さない！！！僕のターン！！！」

手札2

アルフレド「僕は！手札からマジックカード『恐怖する怪物の見鏡(スケアリー・モンスターズ アウミラー)』発動！」

アルフレド「墓地に存在する『同名のスケアリー・モンスターズを２体選択し…そのモンスターをフィールドに攻撃力、守備力を0にして特殊召喚する！！』」

アルフレド「僕は墓地のスライムスワローを２体特殊召喚する！」


スライムスワロー
攻撃力0

スライムスワロー
攻撃力0


アルフレド「そして…そのモンスター２体でオーバーレイ！」

アルフレド「気高き戦の狸よ、我が大いなる力を携え、迫る者共を焼き尽くせ！！エクシーズ召喚！ランク5！『妖怪忍童  牙楼風狸（がろうふうり）』！！」


牙楼風狸
ランク5/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力2800/守備力2400


ﾄﾞﾝｯ!!法螺貝を持ち、堅い甲冑を身に纏う狸

アルフレド「君は僕を倒す算段があると言っていたね…それは僕も同じさ」

ガイ「…」

アルフレド「僕はけして負けたりしない…僕が負けて消えるときは…それはこの世界を潰してからだ！！」

アルフレド「牙楼風狸のモンスター効果を発動！『１ターンに1度、オーバレイユニットを1つ使い…相手フィールドのモンスター１体を選択しその効果を発動する事ができる』！！」

ガイ「なっ！？」

アルフレド「僕が選択するのはタイラント・トラクター！よって！その効果を発動！１ターンに1度、相手モンスターを全て破壊し！破壊したモンスターの数だけ攻撃力を300ポイントアップする！」

アルフレド「そして…この効果の発動に対して…マジック・トラップカードは発動できない…だっけ？」

ガイ「…くっ！」

このは「このままではっ！」

ガイ「…ああ、確かにその効果に対してマジック・トラップカードは発動できねぇ…だが…！トラップ発動！『緊急・変形(エマージェンシー・フォーム)』発動！！『このカードは自分フィールドの攻撃表示のＤＦ(ドライブ・フォーマー)を1体を守備表示にし、このターン守備表示のＤＦ(ドライブ・フォーマー)は戦闘で破壊されなくなる』！」

ガイ「俺はタイラント・トラクターを守備表示にする！」


タイラント・トラクター
守備力2800


アルフレド「それが何の意味になる！！戦闘破壊を無効にした所で効果による破壊は無効にできないだろう！？」

ガイ「いいや…狙いはそこじゃないぜ！！タイラント・トラクターの守備表示の効果を発動！」

アルフレド「守備表示の時の効果だって！？」

ガイ「タイラント・トラクターは『守備表示の時、相手が発動したマジック・トラップ・モンスター効果を1度だけ無効にし破壊することができる』！」

このは「これで！牙楼風狸の効果は発動されない！」

ｷﾞｭｲｲﾝｯ!! 牙楼風狸が発動した風が逆に牙楼風狸に襲いかかる

ガイ「残念だったな！お前の切り札もこれでお釈迦だぜ」

アルフレド「…何を言っている」

ガイ「なに？」

アルフレド「僕の切り札が…こんな物な訳が無いだろう！！！」

ﾄﾞﾝｯ!!先程よりも強力な闇が辺りを包む

アルフレド「セットカードオープン！！速攻魔法！『RUM(ランクアップマジック) セカンド・スキップ・フォース』を発動！！」

アルフレド「このカードは！『墓地に存在する妖怪モンスター1体をランクの3つ高いモンスターにランクアップさせる！！』」

アルフレド「絶対無比の力をその身に宿し、絶望の記憶を喰らい尽くす、怒りの狸よ、今ここに降臨せよ！ランクアップエクシーズチェンジ！！ランク8！！地上の人間を全て滅ぼせ！！『妖怪忍童 烈導狸神(れっどうりしん)』！！」


烈導狸神
ランク8/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力3000/守備力2400


紅、蒼の対極の半分ずつをその身に宿す鬼神とも呼べる怪物

このは「ランク…8…ですと…！？」

アルフレド「僕の切り札は…こっち…なんだよねぇ…！」

ガイ「っ！！」

アルフレド「…僕の前にある障害は全て葬り去る…必ずさ！！」

アルフレド「バトルだ！烈導狸神でタイラント・トラクターを攻撃！！」

アルフレド「破滅のアルケミスト・ブラスト！！！」

ｷｭｨｨｨﾝ…烈導狸神が刀を抜きそしてそこにエネルギーが凝縮されていく

ガイ「そうは…行くかよ！！！トラップ発動！『ガジェット・リ・コンタクト』！！」

ガイ「このカードは！『自分フィールドの機械族融合モンスター１体を選択しそのモンスターの素材となったモンスターが墓地に存在する時、そのモンスター全てをフィールドに特殊召喚する！』」

ガイ「来い！俺のモンスター達！！」


デュアル・モード・モービル
守備力2200


ジョイント・トラック
守備力1000


スコープ・ホイールローラー
守備力1500


ガイ「そして！『この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン破壊されない』！！」

このは「よし！上手いのですよ！ガイ！！」

ガイ「おっ！そうかぁ！？て、照れるぜ」

このは「ふふん、今回は誉めてあげるのです」

ガイ「お、おーし！！どうだ！アルフレド！！参ったか！！」

アルフレド「…くっ…くっははは…」

ガイ「な…」

アルフレドが高らかに笑いはじめる

アルフレド「あっはははっ！！！」

ガイ「な、何がおかしい！！」

アルフレド「ははは…はぁ…そうだねぇ…君が既に勝ちを確信している事がおかしいと言うところか…」

このは「なんですと…？一体どういう…」

アルフレド「分からないなら教えてやるよ！！僕は手札の速攻魔法『エクシーズ・スピード・エフェクト』を発動！！」

アルフレド「このカードは『自分フィールドのエクシーズモンスター１体を選択し、オーバレイユニットを取り除いて発動するモンスターの効果を発動できる』！！」

ガイ「なっ！？」

このは「バトルフェイズに発動するモンスター効果ですと！？」

アルフレド「僕は！烈導狸神のモンスター効果発動！『オーバレイユニットを全て取り除き、相手フィールドのモンスター全てのコントロールを攻撃力、守備力を半分にして奪い取る』！！」

アルフレド「ゴッド・ラクーン・ロア！！」

ｽﾞﾝｯ!ｽﾞﾝ!!ｽﾞﾝ!!! ガイのモンスター達全てに弓が刺さりそしてガイのモンスターが全てアルフレドに奪い取られる


デュアル・モード・モービル
攻撃力1300


ジョイント・トラック
攻撃力850


スコープ・ホイールローラー
攻撃力850


このは「そんな…バカな…！！」

アルフレド「さて…と…僕のバトルフェイズはまだ終わって…無いよね？」

ガイ「っ！！」

その時だった

ｺﾞｺﾞｺﾞｯ!!遺跡が揺れる

このは「これはっ！？」

シズク「は…始まりのソロモンズが奪われた為にこの遺跡の防衛システムが…このままでは…貴方達が！！」

ガイ「くっ…こうなったら一旦引くか…？」

アルフレド「逃がしはしないよ」

ｶﾞｼﾝｯ!烈導狸神から鎖のような物が伸びそれがガイの手首に絡まる

ガイ「うおっ！？」

このは「ガイ！！？」

アルフレド「どうやら時間はあまり無いみたいだし…だけど僕の障害は全て葬る…逃がしはしない」

このは「くっ！！この！！！この！！！」ｶﾞﾝｯｶﾞﾝｯ!

このはが鉄格子を刀で殴る、しかし無情にもその鉄格子はびくともしない

どうやら普通の鉄格子ではなくなにやら力が働いているようだった

このは「ガイ！！今！行くのですよ！！くっ！！アルフレド！！私が相手をしてやるのです！！だからっ…」

このはの頭に過る、過去の記憶

…

ユキ『…このはちゃん…後は任せたよ』

…

このは「もう…私から…誰かを…奪わないで…」

ガイ「このは！！」

このは「！！」

ガイ「何を泣いてやがる…このは」

このは「…ガイ…？」

ガイ「俺はさっき見たぜお前の決意の籠った表情を強さを！」

ガイ「お前はこれからもその決意を背負っていかなきゃなんねぇ…そんなお前に俺は惚れちまったんだよ…だからよ…」

ガイ「『まだ』泣くんじゃねぇ！！『まだ』お前は終わってねぇ！！」

このは「っ！！」

ガイ「泣くのも嘆くのもお前という存在がある限り消して流すな！希望を捨てるな！！このは！！」

アルフレド「…お喋りはもういいかい？全く…お姉…もとおいこのはのメンタルは相変わらずモロいもんだねぇ」

ガイ「なーに言ってんだお前、アイツの弟をやってたのに全然分かって無いんだな」

アルフレド「…なに？」

ガイ「１つ忠告してやるよ、お前はこのはに絶対に勝てねぇってな」

アルフレド「…」

ガイ「…お前とこのはは背負っている物が違う」

アルフレド「…もういい消えろ…お前」

ﾄﾞﾝｯ!!!

アルフレドのモンスター達が一斉に攻撃をする、その攻撃は光のように辺りを真っ白に包む

このは「ガイ！！！」

すると

ガイ「－－－」

このは「え…」

ﾄﾞｶﾞｧｧｧﾝｯ!! 凄まじい衝撃で辺りが煙に覆われる

ガイの姿は見えない

LP3800→0

アルフレド「やりすぎたかな？…まぁいいや…ここもそろそろ限界だしね」

シズク「…」

アルフレド「シズク…お前も一緒に来るかい？」

シズク「…行かない」

アルフレド「…そ…なら別にいいよ」

シズク「私は信じてる！エナちゃんの事を！！そして！きっと！あのこのはっていう人がお兄を救ってくれるって！！」

アルフレド「…」

アルフレドは去っていく、そして程なくして遺跡は崩れ去ったのだった

…

このは「はぁ…はぁ…」

このはは既に遺跡を出ていた

このは「さっき…ガイは…」

…

生きろ

…

このは「そう…言っていたのです…きっと…この生きろとは…そうでござるよな…私が…」ｷﾞｭｯ

このはの目に再び闘士が宿る

このは「どうして…私の周りには…こうも強い人が…集まるのですかね」ｸﾞｽｯ

涙が溢れる

このは「ﾋｯｸ…かっこよかったのですよ…あのバカ」

涙とそして新たな決意を

…


ｶﾞﾊﾞｯ

サーニャ「…」

クーデリカ「どうしたの？急に起き出して」

サーニャ「いえ…なんでも…無いです」

クーデリカ「？そっ…あっ！一騎！見てみて！アレ！！」

一騎「ん？…まさか…彼処が？」

クーデリカ「うん…どうやらそのようだね…」

一騎達の目の先には地平線に巨大な遺跡のような物が見えてくる

一騎「…でかいな…彼処が…」

サーニャ「覇王トウセンの遺跡…ですね」

一騎「覇王…か…」

…

続く

次回

ジェイド「ここが…ミラの遺跡か」

アリーシャ「き、気を付けてくださいなジェイドきゃぁぁぁ！？」

ジェイド「…気を付けるのはお前の方だぞアリーシャ…」

ミラ「おやおや、お揃いのようだねジェイド、アリーシャ」

ジェイド「貴様はっ！！」

一騎「次回 『星を統べる竜』一気に駆け上がれ！！」