第11話暗躍者暁！貧困の村の激闘！前半　作：こんにゃく

このは「うはぁ～…」

一騎「やっと山を越えたな…」

一騎一行は精獣の森を抜けさらに１つ山を抜けた所へとたどり着いていた。

一騎「しっかし大変だなぁシンクリスって所に行くの」

ユキ「本来はもっと楽なんだけどね…」

一騎「え？そうなの？」

このは「そうでござるなぁ、本来ならばここまでで町や村が5つほどあるでござる」

一騎「えぇ！？俺らここ１週間野宿だよな！？」

ユキ「そうは言っても通常の舗装された道やそういった町はエクサスの監視下ですから…シンクリス領土に入るまではこう言った道のりになりますね…」

一騎「…エクサスか…」

このは「特にいっきはエクサスの兵士と１度戦っているのでござるです、目をつけられている可能性もあるのですよ」

一騎「なるほどなぁ…でもそろそろクルミとか焼いただけの肉とかじゃなく普通の飯が食いてぇ」

ユキ「そうだね僕もそろそろお風呂に入りたいよぉ、さすがに川の水とかじゃあ疲れがとれないよ～」

このは「そうでござるよなぁ…む？」

一騎「このはどうした？…お？」

一騎とこのはの目線の先には山と山に囲まれた小さな村があった。

このは「村でござるよ！！」

ユキ「小さな村だね…建物も壊されてる様子はないし…きっとここはエクサスも手をつけていないところかも」

一騎「よし！だったら行ってみようぜ！！…俺腹へったよぉ」

…

一騎「うし！ようやく着いたな！」

一騎達がついた場所は寂れて自然を間近に感じられるほど静かな村だった

このは「のどかでござるなぁまるで里に帰ってきたようでござるよぉ」

ユキ「そうだね、ここは黒霧の里みたいに静か…」

するとその静寂を破り、子供達の声が聞こえるのだった。

少年A「ラフエルにぃちゃーん！」

ラフエル「シモンじゃないか！どうしたんだい？」

シモン「さっきリサと一緒に山の中で遊んでいたらカードを見つけたんだ！！」

ラフエル「カードだと！！？」

シモン「え！？ど…どうしたの！？にぃちゃん…？」

ラフエル「い…いやなんでも…それでリサはどこだ！？」

シモン「リサはえっとこっちだよ！」

ラフエル「あぁ！！」

…

このは「今カードが何とか言っていたでござる」

一騎「あぁ…もしかしたら」

ユキ「ソロモンズ…かも」

一騎「だとしたら…ほっておけねぇ！！」

おばあちゃん「おやおや…見ない顔だねぇ旅の人かい？」

このは「えっと…はいそうでござるよ、えっと…」

おばあちゃん「こんな年寄りと子供だけの村にあんな青年がいて気になるかい？」

ユキ「えっと…そうですね…彼は一体？」

おばあちゃん「彼はねぇある時大怪我をしながらこの村に来てねぇ…こんな年寄りだけの村じゃあ色々と大変だったのにラフエルちゃんは自分が怪我をしているっていうのに手伝ってくれてねぇ」

一騎「…」

おばあちゃん「本当に優しい子だよ…」

一騎「…あっそうだ…あのラフエルっていう奴と仲のいい子供達が遊んでる山ってどこら辺ですかね？」

おばあちゃん「おやぁ？そうさねぇ…だいたい大きな松の木の近くだと思うんだけど
…」

一騎「大きな松の木ね！！ありがとうおばあちゃん！！皆いくぞ！！」

このは「はいなのです！」

ユキ「うん！！」

…

ラフエル「リサ！！」

リサ「…」

シモン「リサちゃん…？」

一騎「…ハァハァ…どうなったんだ？」

このは「はて…どうでござろうか…」

リサ「」ゴゴゴ…

リサ「見て！！ラフエル！このカード！！」

ラフエル「っ！！リサ！？なんともないのか！？」

リサ「？なにが？」

ラフエルは急いでリサの持っているカードを確認する。そこには『明日への希望』と書かれた魔法カードだった

ラフエル「な…なんだ…よかった」

一騎「ちょっといいか？」

ラフエル「！」

シモン「おにぃちゃん達誰？」

ユキ「僕たちは旅をしている者だよ…ここの村にちょっと立ち寄ったんだ」

シモン「へぇそうなんだ」

ラフエル「それで私達になにか？」

一騎「あんたさっきカードのことで焦っていた気がするんだが…」

ラフエル「…いやそれは…」

一騎（ここは賭けてみるか）

一騎「もしかしてソロモンズか？」

ラフエル「！？…どうしてそれを！？」

このは「ソロモンズのことを知っているのですね？」

ラフエル「あっ…」

シモン「？？」

リサ「？？」

ラフエル「分かりました、降参です…それに何より貴方達もソロモンズのことを知っているようですし…話しましょう」

…

おばあちゃん「はい、お茶だよぉ」

一騎「ありがとうございます」

一騎達は再び村へと戻っていた。そしておばあちゃんの家でラフエルの話を聞くことにしたのだった

ラフエル「そうだな…単刀直入に言う私はエクサスの人間だ」

このは「っ！！」

ラフエル「…さらにエクサスの近衛兵でもあった」

一騎「そんな人間がどうして？」

ラフエル「私はエクサスを裏切ったからだ」

ユキ「裏切った？」

ラフエル「あぁ…私はエクサスの今の有り様に異を唱えていた…といっても表沙汰にはしなかったが」

このは「…それはどうして？」

ラフエル「２年ほど前に私の他に異を唱えた人がいたしかもその人はエクサスの親衛隊隊長をなさっていた方だった…」

ユキ「もしかしてその人は…」

ラフエル「いや…何分有能なお人だったからな殺されてはいない…しかし投獄されてしまったよ 」

一騎「それで？エクサスを裏切るきっかけっていうのは？」

ラフエル「私は見てしまったのだ有るものを」

…

ラフエル『さぁいけ！！』

部下たち『ハッ！！』ｽﾀﾀ…

ラフエル『今回のソロモンズの収穫は1枚…まずまずか…ん？』

マイアス『…』

玉座の間にいたマイアスのまわりにカードが浮かびそして邪悪なエネルギーがマイアスを包む

マイアス『むぅ…』

ラフエル『あれは…一体…それに』

マイアスの回りには先日から反発を繰り返してい人間が数人倒れていた、しかしその直後周りを浮かぶカードのエネルギーを受けて立ち上がる

倒れていた男達『我らはマイアス様に忠誠を誓います』

ラフエル『…なんだと！？』

マイアス『よい…さぁソロモンズをかき集めてくるのだ…』

…

ラフエル「あのカード…ソロモンズの力は恐ろしい…持っているだけでも人を変える…それに私が見たあの力はきっとそれだけではないはず…」

一騎「それで恐ろしくなって逃げ出したってことか」

ラフエル「ふっ元とはいえ近衛兵だったというのにだらしないな…」

ユキ「そんなことないですよ…僕達もソロモンズの力が危険というのは十分知っていますから」

ラフエル「そうか…」

このは「…ちょっと空気を吸ってくるですよ…席を外すでござる」

そう言うとこのはは静かにその場を去った

ラフエル「…彼女は？」

一騎「え…とあぁ…このはは２年前に故郷をエクサスに…」

ラフエル「っ！！そうだったのか…すまない…あの時は私もいたのだが…なにもできず」

ユキ「僕も自分の故郷なのにナニも出来ませんでした…でも昔は昔ですよ！今を生きなくちゃ！」

一騎「とはいえ…アイツにとってはエクサスって言うのは…まだ…な」

…


シモン「うわ～一騎にぃちゃんつえぇ！！」
ライフ0

一騎「へへん！どんなもんよ！」

ユキ「お見事だよ！一騎君！」

リサ「ねぇねぇリサ、デュエルできないからかわりにリサが拾ったカード使ってェ！！」

そう言いリサからカードを手渡される

一騎「おっいいぞ～」

おばあちゃん「これ！なにをしとる！もう子供は寝る時間だよ！」

シモン「ちぇー、一騎にぃちゃん！また明日やろうな！！」

一騎「おうよ！！」

そして子供達はその場から去っていき床に着いた

ラフエル「一騎はデュエルが強いな」

一騎「…そ//そう//」ﾃﾚｯ

ユキ「当たり前だよ！なんたってソロモンズを二回も倒してるんだから！！」

まるで自分のことのように胸を張るユキ

ラフエル「なんと…それは凄いな…」

このは「ようやくデュエルは終わりでござるか？」

一騎「おっ？このはか…あぁそろそろ寝る時間だ」

このは「そうでござるかではユキ！お風呂にいくでござるよ」

ユキ「うん！楽しみだなぁどんなお風呂なんだろ…」

ﾕｷﾊｵﾌﾛｶﾞｽｷﾃﾞｺﾞｻﾞﾙﾅｧ ｴﾍﾍ…

一騎「さてと…俺は寝るかなぁ」

ラフエル「君は…」

一騎「ん？」

ラフエル「君達は一体」

一騎「俺達はこの世界を平和にしたいだけだぜ」

ラフエル「一騎…」

…

そして用意された布団に倒れこむ一騎

一騎「…マジシャンズアイズ」

前回の戦いの時に出現したカード。
それはハーデストアイズではない、一騎はハーデストアイズの出現によりオッドアイズは消えたものだと思っていたしかし

一騎「このカードは一体俺に何をさせたいんだ…？」

ハーデストアイズにマジシャンズアイズ
２つのカードを見ながらそして

一騎「それだけじゃない…ソロモンズ」

人を凶暴にするカードソロモンズ、それに加え洗脳するように使うエクサスの王…

一騎「あぁ！！もうわかんねぇ！！…寝る…」

こうして一騎は眠りに着いた…

…
翌朝

このは「…さて手伝いをするのでござるよ」

朝早く、このはは村の手伝いとして水を汲みに川へと向かっていた。

このは「ここら辺で良いでござろう」

ｽｯ

このは「…誰でござるか？」

このはは鋭い目付きで目の前の木の影を睨み付けた。

暁「あまり怖い顔で睨まないでよ」

両手を上げて出てきた仮面の男、その姿を見てこのはは直感でわかった

このは「お前が暁…！！」

…

一騎「グーグー…ｚｚｚ」

後半へ続く