第39話 葛藤の中で　作：こんにゃく

一騎「…」ｽﾀｽﾀ

…

通『んじゃ俺行くわ』

一騎『えっ？』

通『えっ？じゃないだろ？今は大会中だぜ？それぞれの行くべき場所があるだろ？』

一騎『あ…あぁ』

通『…お前…迷ってんのか？』

一騎『…通…お前は？』

通『…正直わかんねぇな…分かるわけがない…俺はダイヤを信じてる…だけどどんな理由であれ無関係な人間を犠牲にするって言う考えは俺は反対だ』

通『…一騎…お前ほど迷っちゃいないが俺もまだ気持ちの整理はついてねぇ…だけど』

通『もしさっきの話が本当なら俺も戦う『覚悟』がある』

…

一騎「通は覚悟があるといっていた…きっとダイヤと戦う覚悟の事だ…俺にはあるのか…？シンクリスの四王女と戦う覚悟が…」

…

ハート『あたしは絶対にパパを助けて見せる！！』

…

一騎「…俺は」

ﾋﾟｷｯ

一騎「ぐっ！？」

一騎の胸が苦しくなる

一騎「な…なんだこれ…？」

一騎(この感覚…ジェイドのコスモアイズが現れた時とかと同じ感覚…いや…)グッ

一騎(それ以上に嫌な感じだ…！！これは…)

スッとあるカードを取り出す

一騎「ソロモンズ…」

それは今まで一騎が集めてきたソロモンズのカード


一騎「このカードは強力なカード…普通の人間が持てば気づかない内に操られちまう…」

一騎「…まてよ…それじゃあどうして俺は大丈夫なんだ？」

一騎(それだけじゃないジェイドやシンクリスの四王女もこれといって操られてはいなかった…どういうことなんだ…？)

一騎「それにここ最近になってソロモンズを持ってるとこんな感じで胸が苦しくなる…やっぱりこのカードは…」

？？？「ハロハロー♪」

一騎「ん？」

？？？「ん？じゃないわ！私はアイリス・ウィルクレール…フュージニアでアイドルをやってるんだぞ⭐」

一騎「…は…はぁ」

アイリス「な…なんだその反応は！た…確かにまだ有名じゃ無いけど…それでもこの大会で優勝して歌って踊ってデュエルが強いアイドルとして有名になってやるんだから」ﾎﾞﾜｧｯ！

一騎「…そ…そうすっか」

アイリス「もうテンション低いよ～君ぃ」

アイリスは見た目は少し小柄だが出るとこは出ているお姉さんのような感じがする見た目

一騎「…アイリス…？あっそうか俺の次の対戦相手」

アイリス「そうそう！…私が君の次の対戦相手のアイリス！…君は一騎君でいいんだよね？」

一騎「は…はい」

アイリス「うーん…君何かあったの？テンション本当に低いね」

一騎「い…いえ何でも…それより早く始めましょうか」ｶﾞｼｬﾝ

アイリス「…そうだね…私の野望のために君には踏み台になってもらうだから！」

一騎・アイリス「デュエル！！」

一騎 ライフ4000
VＳ
アイリス ライフ4000


アイリス「先行は私から行くわ！私のターン！」

アイリス「私は魔法カード『スターライトステージ』を発動！」

アイリス「このカードは『自分フィールドにモンスターが存在しない時、フィールドにアイドルトークン5体特殊召喚するわ』！！」

アイドルトークン
レベル1/天使族/光属性
攻撃力0

アイリス「そして全てのトークンをリリースすることで『フレッシュアイドル ニャーナス』を特殊召喚するわ！！」

ニャーナス

レベル10/天使族/光属性
攻撃力？？？

その姿は正に猫女のアイドル

アイリス「ニャーナスは『トークンのリリースで特殊召喚できるモンスター…そしてその攻撃力はリリースしたトークンの数×1000ポイントアップするわ！！』」

ニャーナス
攻撃力5000

一騎「攻撃力5000！？」

アイリス「私はカードを１枚セットターンエンドよ」
手札2

アイリス「ふふっ」

一騎「１ターン目から攻撃力5000の超弩級のモンスター…だけど！！」

一騎「そんなもん破壊してくれと言われているようなもんだぜ！！俺のターン！！」
手札6

一騎「一気に行く！！俺はスケール1の『黒の魔術師』とスケール8の『黒麗の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング！！」

アイリス「うわーなにこれぇ？」

一騎「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能！！異次元の扉を開く時！魂を還す理となれ！！ペンデュラム召喚！！」

一騎「紫煙の眼輝けし竜！！！『ハーデストアイズ・スカイ・ドラゴン』！！」

ハーデストアイズ
レベル7/ドラゴン族/闇属性
攻撃力2500

一騎「更に俺は『冥界の翼(ハーデスト・ウィング)』発動！！」

一騎「このカードはハーデストアイズにのみ装備できる装備魔法だ！！『ハーデスト・ウィングを装備したハーデストアイズは自分よりも攻撃力の高いモンスターと戦闘する時、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する！！』」

アイリス「な…なんだって！？」

一騎「その代わりハーデストアイズのモンスター効果を使えないだけど！！『破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える！！』」

アイリス「くっ！」

一騎「バトルだ！！ハーデストアイズでニャーナスを攻撃！！召雷のストライクバァァストォォ！！」

一騎「これで一気に5000のダメージ！！」

アイリス「にゃっにゃーん♪甘いんだよねぇ！罠カード『衣装チェンジ』！！」

アイリス「このカードは『相手の攻撃宣言時に発動できるよ！自分の手札からモンスターを１体特殊召喚し攻撃対象をそのモンスターに変更する！！』」

一騎「なっ！？」

アイリス「私は手札から『フレッシュアイドル フォクシー』を特殊召喚！」

フォクシー
レベル4/天使族/光属性
守備力400

アイリス「そしてフォクシーは『効果でも戦闘でも破壊することは出来ないわ！！』」

ズガァァン！！

一騎「っく！」

アイリス「貴方の攻撃は不発に終わったわ！」

一騎「…っ！俺はカードを１枚セットして…ターンエンド」
手札1

アイリス「なんか焦ってる？」

一騎「えっ？」

アイリス「今の貴方に私とのデュエルに集中してない…失礼よ」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

一騎「そ…そんなことは」

アイリス「何があったのか知らないけどねぇ…私には私の意地ってものがあるの…私は有名になるためにシンクリスへ来たんだから！」

アイリス「私のターン！」
手札2

アイリス「私は手札から『融合』発動！！フィールドのフレッシュアイドルフォクシーと手札の『フレッシュアイドル ラクーン』を融合！！」

アイリス「煌めきとトキメキをあわせ持つ獣人よ！！目指せ！！トップアイドル！！融合召喚！！」

アイリス「『ＧD，35！！フレッシュスーパーアイドル マルコシアス！！！』」

マルコシアス
レベル7/天使族/光属性
攻撃力2600

一騎「ソロモンズ…！？」

一騎「ぐっ！？」ｶﾞｼｯ

一騎「がっは…な…なんだ…？？」ｶﾞｸｯ

あまりの苦しみに膝をついてしまう一騎

アイリス「！？！？ど…どうしたの！？」

一騎「ぐっ……うぐっ！？」ｺﾞｺﾞｺﾞ

〈取り戻せ…取り戻せ〉

〈私達の力を認めた…〉

一騎「こ…これは…ソロモンズ…なのか…？」

一騎「ぐっ…やっと…治まった…なんだったんだ…今のは」

アイリス「大丈夫？」

一騎「あ…あぁ…それよりアイリスさん！そのカードは！？」

アイリス「ん？ああこれ？なんかフュージニアを出るときにフッと私の目の前に降ってきたんだぁ…きっと神様が私に与えてくれた希望なんだと思うの！」

一騎「…ソロモンズは人の行動力を…か今回のソロモンズは悪さをする類いの物ではないみたいだ…だけど」

一騎「ソロモンズは全て俺が…」

…

ハート『私はパパを助ける！！』

…

一騎「っ！！…俺は…」

一騎(このままソロモンズを俺が集めたら…ハートの父親は帰ってこれなくなる…んだよな)

一騎(自分の父親に会えないっていうのは凄く辛い…俺はこの世界に来て…もう半年近い…父さんにも母さんにも会えてない)

一騎(俺はたった半年でこんな思いをしているんだ…ましてやハートは…きっともっと辛いのかもしれない…)

一騎「俺は…」

アイリス「…私はね」

一騎「？」

アイリス「私は…小さい頃からアイドルになるのが夢だったの」

…

アイリス『わー』幼少期

テレビに写るアイドルがとってもキラキラしてて…輝いて見えて…

アイリス『私もアイドルになるぅ！！』

そんな夢を持って過ごしてきたわ…けど

アイリス『…』

現実はそうはいかなかった…無名でなにもない私には人なんて誰も寄ってこなかった…

自分の力の無さを痛感したわ…

…

アイリス「…貴方も迷ってるんでしょ？形は違えど迷いっていうのは人を弱くするわ…一筋の光を掴むように真っ直ぐに前だけを見る人間こそが先に進むことができる」

一騎「…俺は…」

アイリス「このデュエルで貴方が見付けるべき道を探しなさい…お姉さんが手伝ってあげるぞ⭐」

一騎「アイリスさん…」

アイリス「とはいえ…勝敗に関しては…手伝ってあげれないけどね！！バトルよ！！ニャーナスでハーデストアイズを攻撃！！」

一騎「っ！ハーデストアイズは今ハーデスト・ウィングを装備している！！破壊されるのはニャーナスの方だ！！」

アイリス「マルコシアスの効果発動！！『１ターンに１度相手フィールドのカードを１枚破壊し墓地からフレッシュアイドルを１枚手札に加えることができる！！』フレッシュ・アンコール！！！」

一騎「くっ…ハーデスト・ウィングが…！！」

一騎(今の効果の対象がハーデストアイズだったら黒麗の魔術師のペンデュラム効果で破壊を無効にできたのに！！)

アイリス「そして私は墓地から『フレッシュアイドルラクーン』を手札に加える」

アイリス「さぁ！バトル続行よ！！ニャーナスでハーデストアイズを攻撃！！」

ズバッシュッ！！

一騎「ぐっぐぁぁぁ！！！」ﾌﾞﾜｯ
ライフ4000➡1500

一騎「がっぐっは！！」ﾄﾞｻｧｧ

一騎「だけど…黒の魔術師のペンデュラム効果発動『１ターンに１度ペンデュラムモンスターの戦闘による破壊を無効にする』」

アイリス「それじゃあ…マルコシアスでハーデストアイズ攻撃！！ムーン・ファンタズマ！！！」

ｽﾞｫｫｫ

手のひらから放たれるエネルギーの塊

一騎「うっぐぁぁぁ！！！」

一騎「ぐはっ！！」ﾄﾞｻｧｧ
ライフ1500➡1400

アイリス「私はこれでターンエンド」
手札1

一騎「っ…」

アイリス「さぁ君のターンだよ、君の道を見つけない限り私を倒すことなんて…出来ないわ！！」

一騎「俺の…道…？」

アイリス「そう…君の道よ」

一騎「…」

一騎(俺は…止めたいんだ…アイツらを…だけど…ジェイド…アイツの妹が犠牲になった…それで復讐をしようとしている)

一騎(復讐は悪いとは思わない…けどあの二人は…元はお互いのことを思っていた仲だった筈なんだ…)

一騎(それを…それを復讐でお互いを傷つけるなんて…そんな…！！)

一騎(それに…ソロモンズ…このカードをジェイドが集めている理由は恐らく妹のため…それをシンクリスに渡せばハート達の父親が…ジェイドに渡せばジェイドの妹が… 助かる…)

一騎「どっちかしか助けられないなんて…そんな事はないはずなんだ…！」

アイリス「…」

一騎「俺は…どっちも助けたい…どっちも争わずに決着をつける方法を…！」

アイリス「それは無理ね」

一騎「！？」

アイリス「話はよくわからないけど…１度始まっちゃった戦いって止められない…どっちか片方が倒れるまでは」

一騎「っ！！」

アイリス「だってそうでしょう？だから今シンクリスとエクサスはお互いを倒すために戦っているんじゃない」

一騎「…」

アイリス「でもね…きっとそれは止められる」

一騎「え？」

アイリス「まぁ『かも』だけどね…それはきっと…君なんだと思う」

一騎「どういう…？」

アイリス「さぁてね！それはさっきの君の道に通じる物があるんじゃないかしら」

一騎「…っ！」

アイリス「君なら分かるはずじゃない？」

一騎「…俺なら…」

…

ジェイド「…」

男「あがぁぁ！！？」
ライフ0

ジェイド「つまらん」ｽﾀｽﾀ

ジェイド「…」

ジェイドの頭にスペードの姿が過る

ジェイド「…分かっていたさ…分かっていた」

ジェイド「お前が…お前達がわざと俺達を利用した訳でなく事故であのようなことが起こってしまったことを…」

ジェイド「分かってはいるんだ…頭の中では…だが…」

ギリッと歯を食い縛る

ジェイド「どうしても…お前達を許すことはできない」

ジェイドにとって自分の命よりも大切な妹をあんな風に変えた彼女達を許すことは今のジェイドにはできなかった

ジェイド「…その為に俺は…2年間必死で生きてきた…だから」

ジェイド「…必ず」

…

遊姫「さっきのあれって…」

クローバー「うん…間違いない…スペード姉様の」

遊姫「あれを召喚するほどの強敵だった…てことよね」

クローバー「うん」

遊姫「…やっぱりこの大会にはそういう人達が…」

クローバー「ん？」

ジョーカー『クローバー』

クローバー「お母さん！」

ジョーカー『クローバー…スペードがやられた』

クローバー「！？」

ジョーカー『結構ダメージが酷くてね…今日は動くことができなそうなんだよ』

遊姫「スペードさんがやられた…？そんな」

ジョーカー『だからクローバー…貴方は１度帰ってきなさい…貴方に特別な任務を与える』

クローバー「えっ？でもうち…」

ジョーカー『…いいから戻ってきなさい』

クローバー「っ！…う…うん」

クローバー「そういう訳だから…遊姫」

遊姫「ま…任せてよ！クローバー！私ならちゃんとできる」

クローバー「遊姫…」

遊姫「クローバーの分もびしばし勝ってやるんだから！」

クローバー「遊姫…うん！そうだね！！じゃあうち行くね！！」

遊姫「うん！！がんばってね！」

クローバー「うん！！」手をフリフリ

遊姫「…」

トラクリボー『不安？』

遊姫「うん…クローバーなんだか…おかしかった」

トラクリボー『…そうね…あの子…いえ…彼女逹は私たちになにかを隠しているわ』

遊姫「え？」

トラクリボー『あら…遊姫…クローバーの親友なんてしょ？気づかない？』

遊姫「…う」

トラクリボー『何にせよ…彼女には色々と聞いた方が良さそうね』

…

通「なぁキルヴィス」

キルヴィス「ん？」

通「お前は…」

キルヴィス「俺なら戦えるぞ」

通「まだなんもいってねぇよ…」

キルヴィス「だがダイヤのことだろう？」

通「…んまぁ…そうなんだけど」

キルヴィス「…まぁ難しいな…彼女が真意をはっきりさせない以上敵…と見なすのは早いだろう」

通「俺はアイツを敵だなんて見れねぇよ」

キルヴィス「…ふふっお前はダイヤに惚れているな？」

通「…あぁ…かもな」

キルヴィス「…なら少し考えてみるといいさ…通」ｽｯ

通「ん？」

キルヴィス「その忍者は俺が背負って行く、お前は次の対戦があるだろう？」

通「あっ…そうか…そうだったな…そういや…あっやっぱ更新されてる」

キルヴィス「長い間放置していると自動的に対戦相手が変わるのか…どれ次のお前の対戦相手は…」

キルヴィス「！…こいつは…！！」

…

一騎「…俺の道…」

アイリス「どう…出そうかな？」

一騎「いえ…まだ…けど…ここで俺は負けるわけにはいかないんです…だから勝たせてもらいます！！」

アイリス「…そっか…」

一騎(相手のフィールドにはモンスターが２体…だけど…！)

一騎「俺のターン！！ドロー！！」

手札2

一騎「俺は再びペンデュラム召喚を行う！！再び開け異界の門よ！！」

一騎「ハーデストアイズ・スカイ・ドラゴン！！」

ハーデストアイズ
攻撃力2500

アイリス「へぇそれがペンデュラム召喚の特性なんだぁ」

一騎「これでハーデストアイズが再びフィールドに戻った…！」

一騎「アイリスさん！本当の戦いはここからだ！！」

アイリス「ふーんそれじゃあかかっておいでよ！！」

続く

一騎「未だに答えを見つけることができてなかった俺は…アイリスさんに追い詰めらていく…彼女は夢を追い求めそして俺に今必要な道を示してくれようとしていた」

一騎「次回『夢と道』一気に駆け上がれ！！」

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ダイヤちゃん逹シンクリス四王女のラフイラストを作りました。
これまたピクシブでございます。URLはシリーズ説明にあるので興味がある人はマイピクなんかしていただいて適当に見てやってください