第7話 愛憎の化身 前半　作：こんにゃく

いっき！…いっき！！…

一騎「う…ううん？」

このは「いっき！起きるでござるよ！」

一騎「ふぁぁ…このはか…おはよう」

このは「まったくいっきは起こさないとずっと寝たままになるのでござるです」

一騎「まぁな…それより今日はどうするんだ？」

このは「今日はですね…」

この里に来てから数日がたっていた。一騎もこの里に打ち解け今では様々なことを手伝っている。

このは「まずはコウスケさんの家へ行き家を改築するのを手伝うでござるですよ」

一騎「OK…よしやるぞぉ！」

一騎（こうやって過ごしている間にも俺は俺のやるべきことを探すんだ…）

…

コウスケ「いやぁ悪いね手伝ってもらって」

一騎「いえ力仕事は得意ですので」

このは「いっき！それをこっちに持ってきてほしいのです！」

一騎「あいよ！ほれ」

このは「ありがとうなのです」

一騎「これはこっちに置いておくぞ？」

このは「了解なのです！」

一騎「よっと…」

コウスケ「ふむ…一騎殿とこのは殿はいいコンビですな」

一騎「そうですか？」

コウスケ「まるで夫婦のようですなアッハッハッ」

一騎「何いってるですかw…よっとこれはここで？」

コウスケ「いやはや…うむそこでいいぞ…私の息子にも見習わせたいものだ」

一騎「息子？…コウスケさんのですか？」

コウスケ「うむ…わが息子サスケは昔から体も弱く気弱で何をするのにも怯えていてな幼馴染みであるこのは殿とも昔からデュエルをしているのだが１度も勝ったことはない」

一騎「そうだったんですか…」

コウスケ「２年前の里が襲撃された時も一人で怯え逃げていた…まったくわが息子ながら恥ずかしい」

一騎「…そんなことないですよ」

コウスケ「え？」

一騎「人が怯えるなんてそんなこと当たり前でも…きっと息子さんにも覚悟を決めたとき初めて本当の強さに気づくと思いますよ」

コウスケ「一騎殿…」

このは「いっきぃ！」

一騎「！！おう！いまいく！」

コウスケ「…フッ」

…
ジー

遠くの物陰からその様子をずっと伺う１つの影があった

サスケ「一騎君か…」

サスケ（うぅ…一騎君とこのはちゃん仲良さそう…僕といっしょに居たときよりもこのはちゃんはずっと笑顔だ）

サスケ「僕とこのはちゃんはずっと一緒だった…でも僕は体も弱くて何事からも逃げてきた…そんな時このはちゃんは僕を見捨てないで笑顔でいてくれた」

サスケ（でも２年前のあの日このはちゃんが笑顔を失ったあの日から僕は何もできなかった…それなのにあの一騎君は一瞬で笑顔取り戻した）

サスケ「やっぱり僕なんかより一騎君の方が…うぅ」

そう言うとサスケはトボトボと歩き始めた。

サスケ「あーぁ…何やってんだろう僕は…好きなら好きってちゃんと言えばいいのになぁ…」

サスケ（僕は昔からこのはちゃんが好きだ、でも告白する勇気なんて無い）

サスケ「はぁ…このはちゃんのあの顔…一騎君の時にしか見せないあの顔…うぅ」

サスケ「…ん？」

里の商店街やら家などの道から外れた場所でサスケの足は止まる。そこには１枚のカードが落ちていた。

サスケ「なんだこれ？誰かの落とし物かな？」ヒョイ

その瞬間サスケの体に何か得たいの知れないものが入ってくる感覚に襲われた

サスケ「う！？ぐっ！！？」ｽﾞｽﾞｽﾞ

《力がほしいか…》

サスケ「な…なに…？？」

《奪い取る力が欲しいか》

その謎の言葉を聞いた瞬間サスケはどす黒いオーラに包まれた。

サスケ「う…うわぁぁぁ！！！」

…

一騎「ふぅ…」

コウスケ「そろそろお昼にしようか」

一騎「はい！！おーいこのは！！…あれ？」

コウスケ「このは殿は…？」

一騎「さっきまでいたんですけどね…一体何処に…」

コウスケ「うーん…」

一騎「俺探してきますよ！！ここで待っていてください！」

コウスケ「いいのかい？」

一騎「はい！すぐに見つかりますって！」


…

一騎「おーいこのは！！」

一騎「…ったく一体どこいきやがった…おーい！！」

一騎はこのはの名前を呼びながら歩く…そして人気の無い道に入ったところである光景が目にはいる

一騎「！！？」

それはこのはが謎の触手のようなもので拘束され気を失っている光景だった。

一騎「このは！！？」

サスケ「やっと来やがったか…」

そしてその触手の影から男が現れる

一騎「お前は…」

サスケ「くっくっく俺はサスケだ…お前は知っているだろう？このはの幼馴染みのサスケさ」

一騎「サスケ…！！コウスケさんの息子か！！？」

サスケ「そうさ…」

一騎「このはをどうするつもりだ！！」

サスケ「どうする…？…さぁどうするんだろうね？」

すると触手がヌルヌルと動きだしこのはの体を撫でる

サスケ「どうだい？美しいだろう？この可愛らしいこのはをこうして縛り付ける…クックック」

サスケはこのはの顔をクイッと手で持ち上げながら語る

サスケ「このはは俺のものだお前の物ではない！！」

一騎「何言ってやがる！このはは誰のものでもねぇ！！その手を話しやがれ！！」

サスケ「おやおや…恋人気取りかい？随分と威勢がいい…いいだろうどっちみちお前はやるつもりだったんだ…」ｺﾞｺﾞｺﾞ

一騎「…っなんだ…！？」

サスケ「お前から奪ってやるよこのはを！！」ｶﾞｼｬﾝ

一騎「デュエルディスク…！！つまり俺とやろうってのか…その勝負乗ったぜ！」ｶﾞｼｬﾝ

サスケ・一騎「デュエル！！」
ライフ4000

一騎「先行はもらった！！俺のターン！」

一騎「俺は手札から『Ｃ・閃光の戦士』を召喚！！」

閃光の戦士 光属性
レベル4
戦士 攻撃力1600

一騎「さらに俺はカードを１枚伏せてターンエンド」

手札3

サスケ「ふっ…俺のターン！！ドロー」

サスケ「俺は手札から『常闇のカーテン』を召喚」

常闇のカーテン 闇属性
レベル2
攻撃力0

一騎「攻撃力0のモンスター…」

サスケ「そして俺は魔法カード『ブレイク・ドロー』を発動」

サスケ「『自分フィールドのモンスター１体を破壊し2枚ドローする』」

一騎「なに！？自分のモンスターを即破壊した！？」

サスケ「驚くのはここからだ！！常闇のカーテンのモンスター効果を発動！！」

サスケ「『このモンスターが破壊され墓地に送られた時、相手のフィールドのレベル4以下のモンスターのコントロールを得る』！！」

一騎「なんだと！！？」

サスケ「俺は閃光の戦士のコントロールを奪う！！！」

サスケ「そしてそのまま閃光の戦士でダイレクトアタックだ！！」

一騎「罠カード『ペンデュラム・ガード』！！」

一騎「『このカードは手札のペンデュラムカードを１枚フィールドにセットしセットカードの攻撃力分受けるダメージを減らす』！！」

一騎「俺は『Ｃ・破竜剣の騎士』をセット！攻撃力2600分のダメージを無効よってダメージは0だ！」

破竜剣の騎士 スケール6

サスケ「くっくっく必ず奪ってやる…お前から…全てを！！」

一騎「…くっ！」

後半へ続く