75話 妖風と花札　作：紅瑠璃

学校の帰り。夢月はどうしても妖仙獣にいれたい物を買いに来た。「妖仙獣の秘技」だ。ヴァルゴ、蕪木様は持ってなくて馴れないスマートフォンを使い、その存在を知った。近くのカードショップ、何かと品揃いが良い。さすがに一人では行けないので蜜柑を誘って来てみた。

・蜜柑「はぁ～…昨日のにゃつまつり、疲れたよ…ずっと猫の状態でいさせられ、夢月に言われるがままだったし…。眠い」
・夢月「すまぬな。猫ちゃんって可愛くてなんおっと！」

店に入ろうとしたところで女の子とぶつかってしまった。もちろん夢月は謝ってるが相手は顔を合わせずひたすら「ごめんなさい」と連呼するばかりだ。その様子から怯えてると見えた。なんとか気持ちを落ち着かせたのか顔を合わせてくれた。

・夢月「その、すまなかったな。周りを見てなかった。私は夢月 暦だ。」
・桐谷「いえ、私こそ、生きてい…いえ、前を見てなくてごめんなさい。私は…桐谷 真澄…です。」
・夢月「店内に入るのか？と言うことは遊戯王とやらをしているのか？」
・桐谷「！？は、はい…そう…です。よ、弱いですが…。」

徐々に下を向く最初は…と言っても何分もたってなくまだ数秒だが、知らない人と話すことが怖いと思っていたが、違うだろう。多分、対人恐怖性だろう。なのに遊戯王をしているって…いつも壁とやっているのか？そんなことにも気づかない夢月。さっそく対戦を持ち込んできた。おいおい、相手は中学生、お前は高校生…弱いもの狩りに私の目には写った…まぁ人を見た目で判断しては行けないと難しい本をパラパラと見たときにどこかの１ページに乗っていたような…。そう思い出しながらも夢月と桐谷って子と一緒に店内に入った。

・夢月「あ、少々よろしいか？妖仙獣の秘技を…秘技秘技…。うむ。ないな。」
・桐谷「あ、あの…」
・夢月「うむ。すまなかったな。やろうか」
・蜜柑「私、暇…。」
・桐谷「わ、私から良いですか？」
・夢月「うむ。良いぞ」
・桐谷「私は増援を使って花札衛－松に鶴－を手札に。花札衛－松－召喚。効果でデッキトップを見ます。花札衛－芒に月－。松をリリースし、松に鶴を。効果で、めくります。！桐。…桐に鳳凰。花札衛なので特殊召喚。桐に鳳凰の効果で、めくります！柳に小野道風。特殊召喚。めくります！菊…菊に盃。特殊召喚。効果でめくります。紅葉に鹿…手札に加えます。花札衛－芒－を特殊召喚。リリースし、芒に月を特殊召喚。めくります！…ま、魔法…超こいこい…墓地に送ります。し、シンクロ！松に鶴、芒に月、桐に鳳凰、柳に小野道風…花札衛－雨四光－。エ、エンド…。」
・夢月「うむ。スゴいなドロー。」
・桐谷「雨四光でダメージを受けてもらいます。1500ダメージ…。」
・夢月「デカいな。うむ。未来の壺。5枚を見て…うむ。修験の妖社。を加える。しかし、次のターン通常召喚ならびにドローができない。修験の妖社と炎舞－「天キ」発動。鎌参太刀を手札に加え、召喚。鎌壱太刀を召喚。壱太刀の効果で…」
・桐谷「あ、雨四光がいる限り、花札衛は効果で破壊されず、効果の対象にならないので…。」
・夢月「うむ。どうするか…鎌壱太刀をリリースし、凶旋嵐を召喚、効果でうむ。大刃禍是を特殊召喚！そして、修験の妖社のカウンター１つ取り除いて、このターン。妖仙獣の攻撃力は300上がる。バトルだ。大刃禍是で雨四光に攻撃。…うむ。ダメージを与えたことにより、鎌参太刀の効果で左鎌神柱を手札に加え、凶旋嵐で菊に盃に攻撃…鎌参太刀で攻撃…１枚伏せて、エンド。このとき、凶旋嵐以外のモンスターを手札に戻す。」
・夢月:ライフ6500
・桐谷:ライフ5500
・桐谷「ドロー…。(楽しい…一人でやるよりも、けど、今はどうするか…菊に盃…これを使うか。)私は墓地の菊に盃の効果、このカードと指定されたシンクロ素材を墓地から除外して、シンクロ召喚を行う。もちろん素材にするときレベル2扱いにします。墓地の菊に盃と、墓地の芒に月を除外。レベル4…花札衛－月見盃－。効果、デッキの上からカードを5枚見て、その中の花札衛モンスター1体を特殊召喚。柳に小野道風を特殊召喚。残りはデッキに戻し、シャッフル。柳に小野道風の効果でめくります。…松でしたか手札に加えます。松召喚。めくります。松に鶴。松をリリースし、松に鶴特殊召喚。めくります。花合わせ…墓地に送ります。松に鶴をリリースし、萩に猪特殊召喚。」
・夢月「それはいけない！激流葬」
・桐谷「んなっ！？エ、エンド」
・夢月「ドローはできない。通常召喚もできない。しかし、強欲で謙虚な壺。右鎌神柱を手札…。エンドだ。」
・桐谷「ドロー。(土壇場の引き、必ず来るカード。)超こいこい発動。松…柳…桐…。柳をリリースし、紅葉に鹿を特殊召喚。めくります。松に鶴！紅葉に鹿の効果で修験の妖社を破壊。花積み発動して、桐に鳳凰、芒に月、桜に幕の順で戻します。松をリリースし、松に鶴。めくります。桐に鳳凰。手札に加えて、桐をリリースし、桐に鳳凰を特殊召喚…めくります。芒に月…特殊召喚して、めくります。桜に幕…めくります‼柳に小野道風。手札に加えます。墓地の既に送られていた超こいこいを除外し、紅葉に鹿をリリースし、柳に小野道風を特殊召喚！柳に小野道風の効果でめくります。花積み…墓地に送ります。松に鶴、桜に幕、芒に月、桐に鳳凰、柳に小野道風でシンクロ。花札衛－五光－。攻撃。エンド。」
・夢月:ライフ1500
・桐谷:ライフ5500
・夢月「ドロー。確かに強いなしかし、これからだよ。右鎌左鎌をPスケールにセット。」
・桐谷「私もまだまだやれます。(楽しい…私はあなたに憧れてしまったのかも。私とは正反対であるあなたを…。友達のいるあなた、友達のいない私。)月見盃の効果、墓地のこのカードを除外し、墓地の花札衛を特殊召喚させる。雨四光を特殊召喚。」
・夢月「太刀禍是をペンデュラム召喚し、雨四光に攻撃。辻斬風を捨てて、攻撃力を1000あげる。エンド。手札に戻す。」
・桐谷「ドロー。バトルです。」
・夢月「速攻のかかしでバトルフェイズを終わらせる。…うむ。ドロー。ペンデュラム召喚。大刃禍是…効果で戻してもらおう！バトルだ」
・桐谷「っ！？残り2500…」
・夢月「１枚伏せて、エンドだ。太刀禍是は手札に戻す。」
・桐谷「ドロー…(超こいこい…やっぱ土壇場の引きはは必ずこのカード。そして、ピンチになるればなるほど光かでの引きが弱くなる。使うか？使わないか？)ちょ、超こいこい発動。柳…桐…。魔法…桐と柳を守備で特殊召喚。残りを除外し1000ダメージを受ける。エ、エンド。」
・夢月「いくぞ。ドロー。ペンデュラム召喚。大刃禍是。効果発動し、桐、柳を手札に戻させ、攻撃だ。」
・桐谷「う、ううっ…負けました。でも楽しかったです。こんな私と対戦していただいて…」
・夢月「何を言う。お主は綺麗だ。」

その言葉…今まで１度も言われたことなかった。お店を出ると夕日が綺麗だった。私は夢月さんと別れ、帰っていった。綺麗だ。初めての言葉。私は憧れを持ってしまったのだろう。友達がいるあの人。友達のいない私。強いあの人。弱い私。ポジティブなあの人。ネガティブな私。キレイなあの人。醜い私。…いつからみんなにいじめられることがあっただろうか。思い出したくもないのに思い出してしまう。教室で…みんなに…。私はなんでもないふりして自宅のドアを触るのだ。帰りたくもない家に。

・夢月「それでは、今日はありがとう。」
・蜜柑「んー。暇で暇で…ふぁぁ…眠いよ。…じゃぁね。」
・夢月「うむ。」