65話 天に舞う乙女の声　作：紅瑠璃

千聖「ん…ここは？…動けない…はっ！？」
黄蜂「お目覚めかよ」
黄蜂が銃口を千聖の額に当てていた。千聖は縄で拘束されていた。千聖を囲むのは黄蜂、鈴菜、伊月、ネア、蜜柑。
黄蜂「何で拘束されているのか…わかるかしら？」
千聖「知らないよ！私が何でここにいるのかも知らないのだから！」
黄蜂「とぼけないの！」
ネア「黄蜂！チサは何も知らないって言ってる…解放するべきだ。」
黄蜂「機械であるあなたがそんな事言うなんてね。欠品じゃないの？」
その言葉がネアを怒らせた。いや、機械であるネアに怒ると言う感情はないのかもしれないが一応人の脳を搭載している。生前、機械になる前のネア…葵の脳が…だから多少の怒りはあるはずだ。だが、怒れば怒るほど黄蜂の思うつぼだそれに黄蜂は死なない。伊月が気を察したのかネアを連れて外に出た。
黄蜂「…本当に知らないのね…いつから？」
千聖「わからないけど…朝にネアと話しているとき…その途中から記憶が…」
黄蜂「あっそ…」
黄蜂がタバコを取り出した。蜜柑はタバコの匂いが特に嫌いなため。外に出た。
千聖「未成年がタバコなんて…止めなさい！」
黄蜂「吸ったらちゃんと死ぬから。そしたら依存もなくなるから。たんなる好奇心よ…。」
鈴菜「亜人の特性を利用しまくりね。」
黄蜂「せっかく亜人に生まれたんだもん。楽しまなきゃ…」

～冥界～
ネメシス「はぁ…はぁ…」
No.65「なぁんだぁ？もう終わりか？たいしたこたぁねぇなぁ～」
ネメシス「前置きが…長い！」
魂たちの反乱、No.の到来…冥界は押されていた。そしてNo.48が到着したようで3対3になった…
ヴァルゴ「ネメシス！あなたは今来たやつの相手を！」
ネメシス「了解…」
No.48「へへっ！こんな可愛い子が俺の相手かぁ～けっこう好みかも～」
ネメシス「はぁ…どいつもこいつも…前置きが長いんだよぉ！」
ネメシスが鎌を振り回し、攻撃…しかし、軽やかな動きで交わす。ヴァルゴの相手はNo.65。ヴァルゴは不思議に思っていた。なぜこの冥界に来たのか…No.65はその問いに答えた。
No.65「ここをのっといといて悪いこたぁねぇよ」
ヴァルゴ「それは表向き…ですよね？」
No.65「まぁそぉだなぁ！」
ヴァルゴ「くっ！…(ここが冥界じゃなければ…)」
自慢の脚で蹴り、No.65の武器を取り上げ、地面から羽を生やし、No.65を絡める。超新星ができないヴァルゴが行える精一杯だ。
ヴァルゴ「答えなさい！あなたの目的は！」
No.65「はぁ…魂さ。魂が欲しいぃんだよ…いざというときの戦力にねぇ～」
ヴァルゴ「なるほど…でも聞こえましたがあなたは地獄送りにしたとか？」
No.65「あれは他の魂だ…どうやら判決に迷ってたのがあったらしいからなぁ…それらは使えなさそうだが地獄送りにしただけだ」
魂たちが押さえつけられるNo.65を見て、ヴァルゴたちに攻撃を仕掛けてきた。無意味な争い…ヴァルゴはその争いを止めたい…。昔、争いを止められなかった悔やみから…。ヴァルゴは飛ぶ。争いを止めるため…昔の悔やみのため。
ヴァルゴ「静まれぇぇえ！あなたたちのこの！この争いに意味があるのですか！」
魂たちはNo.65から天国にも地獄にも好きなとこ言っても良いと言われていたようだ。
ヴァルゴ「それは嘘です！あなたたちはいざというときの戦力なのです！争いは悲しみだけを生むだけ！意味がない！」
彼らはそれでも好きにしても良いのならと戦力になることを拒まない。
ヴァルゴ「そんな…」
ネメシス「金霊聖杖スピカを！」
ヴァルゴ「無理矢理やるのはダメ！言葉でわからせなくては…っ！？」
No.45「止めていただきましょう…」
No.45の手から放たれた矢がヴァルゴを貫いた。ヴァルゴはそのまま落ちていく…そして地面に叩きつけられた。
ヴァルゴ「私じゃ…止められないの？」
ネメシス「…ヴァルゴ。前置きが長いわ」
金霊聖杖スピカを手に辺りに振り回す。今のネメシスの耳にヴァルゴの声は届かない。
ネメシス「天に舞え…私の声。魂よ現世に戻れ！」
No.48「おいらたちの戦力をぉ！」
ネメシス「お前らも元に戻れ！」
冥界での出来事が全て終わった。魂たちは元の世界に戻され、元の体の中に入ったと言う。まぁ死んだ扱いにされ戻ったらまた冥界に戻ってきた魂もあると言う。閻魔は所持金の無さからまた一人で魂を天国、地獄に送っている。ヴァルゴはネメシスを許さないだろう。ネメシスは結果が全て、他はどうでも良い。ヴァルゴはその前、そのあとを常に考えてる。ヴァルゴは三枚のカードになったやつらを蜜柑に届けたと…魂が戻った。と言うことはもちろん朱音たちも元に戻った。

～学校～
千聖「ねぇ！夏休み…海とかプール行こうよ！」
黄蜂「寒いからヤダ！」
ネア「濡れる…私、機械…」
千聖「温泉なんかどうよ」
鈴菜「そこまで水に入りたい意味ねw」
千聖「良いじゃないの！ほら寒いとか濡れるってならサウナに…ね！夢月…行く？」
夢月「すまぬ…私は…用がある誠にすまぬな。」
蜜柑「夢月…大丈夫かにゃぁ？」
朱音「怒りがおさまらないんだよね…大丈夫じゃないよ」
夢月「くっ！押さえなければ…」