第三十二話・2　作：KOUBOU（旧名：光芒）

「現れろ！ 魔弾の射手 マックス！！」

《魔弾の射手 マックス》
リンク・効果モンスター
リンク１/光属性/悪魔族/攻1000
【リンクマーカー：下】
レベル８以下の「魔弾」モンスター１体
このカード名の(1)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードがＬ召喚した場合、以下の効果から１つを選択して発動できる。
●相手フィールドのモンスターの数までデッキから「魔弾」魔法・罠カードを手札に加える（同名カードは１枚まで）。
●相手フィールドの魔法・罠カードの数までデッキから「魔弾」モンスターを特殊召喚する（同名カードは１枚まで）。
(2)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分・相手ターンに自分は「魔弾」魔法・罠カードを手札から発動できる。

「僕はＬ召喚に成功したマックスの効果、そして星遺物からの目醒めと同じ縦列のゾーンに存在するドクトルの効果を発動するよ！」

チェーン２（爽）：魔弾の射手 ドクトル
チェーン１（爽）：魔弾の射手 マックス

「チェーン２のドクトルの効果で僕は墓地のデスペラードを手札に加える。そして、チェーン１のマックスの効果で相手フィールドのモンスターの数までデッキから魔弾の魔法・罠カードを手札に加える。もっとも、君のフィールドには結晶神ティスティナ１体しか存在していないから、僕がデッキからサーチできるのは１枚だけだけど。２枚目のクロス・ドミネーターを手札に加えるよ」

　魔弾魔法・罠カードはそれぞれ１ターンに１度しか発動できない。そのため、既に発動済みのデスペラードとクロス・ドミネーターはこのターンはもう撃つことはできない。しかし、魔弾モンスターの共通効果で手札から魔弾魔法・罠カードを発動できるため、ターンをまたげば再度使用可能なのである。

（彼女の手札にはまだデッドマンズ・バーストがある。あれは魔法・罠カードを無効にするカウンター罠……どこであれを使うか）

　柊人はこのターン、テラ・フォーミングとバ＝ティスティナの２枚の魔法カードを使用しているが、手札はまだ５枚残っている。しかし、爽の判断次第でその５枚の手札は如何様にも姿を変えるのだ。

「僕は魔法カード《カオティック・エレメンツ》を発動！」

《カオティック・エレメンツ》
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分のデッキ・墓地からレベル５以上で炎族・水族の光・闇属性モンスター１体を手札に加える。その後、自分の墓地に炎族・水族モンスターが３体以上存在する場合、フィールドのカード１枚を破壊できる。
(2)：相手フィールドに炎族・水族の光・闇属性モンスターが存在する場合、墓地のこのカードを除外し、相手フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。

「僕は自分のデッキからレベル５以上で炎族・水族の光・闇属性モンスター１体を手札に加える」
（さあ、どうくるかな……）
「……僕は、手札からカウンター罠、魔弾－デッドマンズ・バーストを発動！」

《魔弾－デッドマンズ・バースト》
カウンター罠
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：自分フィールドに「魔弾」モンスターが存在する場合、相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。

チェーン２（爽）：魔弾－デッドマンズ・バースト
チェーン１（柊人）：カオティック・エレメンツ

「チェーン２のデッドマンズ・バーストの効果でカオティック・エレメンツの発動を無効にして破壊する！」
「そこを止めるんだね」
「君のフィールドには結晶神が存在する。カオティック・エレメンツでおおかたティスティナの半神でもサーチして出することで、ランク１０のⅩ召喚に繋げたかったんだろう？」
「正解だよ。よく僕のことを調べているね」
「ふっ、僕はいろいろと背負わされ……背負っているんだ。絶対に負けるわけにはいかない！」
「……なるほど。でも、ごめんね。僕は手札のティスティナの半神の効果を発動する！ 自分フィールドにティスティナカードが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚するよ！」
「っ、素引きしていたのか……」
「特殊召喚に成功した半神の効果で僕はティスティナの息吹を手札に加える。そして永続魔法、ティスティナの息吹を発動！ 自分フィールドの表側表示モンスター１体を裏側守備表示にする。だけど、光属性のティスティナがその対象を相手モンスター１体にすることもできる。僕は君のフィールドのカスパールを裏側守備表示に変更！」

魔弾の射手 カスパール　裏側守備表示

「カスパールを裏守備表示に！？」
「更に息吹以外のティスティナカード１枚を手札に加える。僕は２枚目のバ＝ティスティナを手札に加える。そして、もう一度バ＝ティスティナを発動！」
「２枚目のバ＝ティスティナ……でも１つ目の墓地送り効果はもう使えないよ！」
「そうだね。だから、無理やりにでも墓地に送る！ 僕は魔法カード、おろかな埋葬を発動。デッキから《結瘴龍ティスティナ》を墓地に送る。そして墓地に送られた結瘴龍の効果を発動！」

《結瘴龍ティスティナ》
効果モンスター
星１０/闇属性/水族/攻2000/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「結瘴龍ティスティナ」以外の「ティスティナ」モンスター１体を手札に加える。このターン中、自分フィールドの光属性の「ティスティナ」モンスターの攻撃力は１０００アップする。
(2)：このカードが墓地へ送られた場合、フィールドゾーンにカードが存在していれば発動できる。このカードを特殊召喚する。このターン、自分は「ティスティナ」モンスターしか手札・墓地から特殊召喚できない。

「このカードが墓地に送られた場合、フィールドゾーンにカードが存在すれば墓地から特殊召喚できる。そして、特殊召喚に成功した結瘴龍の効果を発動。デッキから同名以外のティスティナモンスター１体を手札に加える。僕はティスティナの猟犬を手札に加えるよ。そして、光属性ティスティナの攻撃力をターン終了時まで１０００アップする」

結晶神ティスティナ　ＡＴＫ２０００→３０００
ティスティナの半神　ＡＴＫ２０００→３０００

「ティスティナの猟犬……しまっ……！？」
「僕のデッキをよく知っているようだね。だからこそ、君は負けてしまうことがわかった。僕はティスティナの猟犬を召喚！ 猟犬が存在する限り、相手フィールドに裏側守備表示モンスターがいればティスティナモンスターは直接攻撃ができる。バトル！ ３体のティスティナでダイレクトアタック！！」

結瘴龍ティスティナ　ＡＴＫ２０００
ティスティナの半神　ＡＴＫ３０００
結晶神ティスティナ　ＡＴＫ３０００

爽　ＬＰ８０００→０





＊





「ま、まさか僕が……この僕が負けるなんて……」

　敗北を受けてその場に崩れ落ちる爽。柊人はそんな彼女の様子を見て思わずその場に歩み寄っては手を差し伸べた。

「えっと、そんなに気を落とさないでね」
「ふっ、敗者である僕に手を差し伸べようなんて。でも、その美しい心は嫌いじゃないよ。まあ、美しさでは僕には負けるけどね？」
（やっぱ変わってるなこの子）
「でも今この場に天海先輩がいなくて助かった。もしこのデュエルを見られていたらと思うと……」
「天海先輩ってこの間高海先輩とデュエルをした……」
「うん。あの人めっちゃ怖いんだよね。自分が満足するデュエルしないと何回もやり直させるし、怒るとめっちゃ怖いし……」
「ああ……でも、この場にその先輩がいなくても、結果はどのみち伝わるんじゃ……」
「あっ」
「あっ」