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第六話・3 作:KOUBOU(旧名:光芒)




「うわぁ……攻撃力4000と3500のモンスターが2体とかエグイって。ゆいゆい大丈夫かな?」
「しかも攻撃力だけじゃない。テーマ内のエースだけあって制圧効果もしっかりと兼ね備えている」

 碧のフィールドに存在する2体のシャルル。Sモンスターの方のシャルルは自身にカードが装備された場合にフィールドのカード1枚を破壊する効果を持ち、更にターン終了時に墓地の装備魔法を装備しつつデッキから戦士族モンスターを装備魔法として装備することができる。自己強化に加えて除去効果を最低でも1ターンに1度は発動できる攻防一体のモンスターだ。
 そしてLモンスターの方のシャルルはSモンスターのシャルルと同名カードかつ同じ効果を持ち併せており、それに加えて魔法・罠の発動を自身の装備魔法1枚をコストにすることで無効にして破壊することができる。そのため《サンダー・ボルト》や《ライトニング・ストーム》といったカードを複数枚に引かなければ効果による除去も難しいのだ。

「藤吉先輩の墓地には互いのメインフェイズに墓地から装備できるローランがいる。エンドフェイズまで待たなくても除去効果は発動できる」
「うーん《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》とかいれば解決できるけど……ゆいゆいのデッキには入ってないもんなぁ」
「……まあ悲観的になる必要ないよ。俺たちは結衣さんを信じて見守る。それだけだよ」


☆TURN02(結衣)

「私のターン、ドロー」
(さて、シャルル大帝の魔法・罠無効効果ですが……私のデッキはモンスター主体なのでそんなに気にしなくていいかもしれませんね。ただ、シャルルの共通効果である装備による除去。あの効果を早々に使わせたいですね)
「私は手札の白鰯の効果を発動します。デッキから2体目の白鰯を墓地に送り、このカードを特殊召喚します」

 結衣のフィールドにはシャルルと比べるとどうにも貧弱そうな白い魚族のモンスターが現れる。しかし、デュエルモンスターズというゲームにおいてモンスターを見た眼で判断するのは間違いなく愚の骨頂といえる。

「素引きしてましたか」
「この効果の発動後、私は水属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できなくなります。ですが、問題ありません。更に私は手札のアビス・シャークの効果を発動します。私のフィールドのモンスターが水属性モンスターのみの場合、このカードを特殊召喚し、デッキからレベル3から5までの同名以外の魚族モンスター1体を手札に加えます。私は白曼波を手札に加えます。そして白曼波の効果を発動します。フィールドに同名カードが存在する墓地の白鰯を特殊召喚し、このカードも手札から特殊召喚します。そして墓地から特殊召喚された白鰯はこのターン、チューナーとして扱います」

 これで結衣のフィールドには4体の魚族モンスターが存在する形となり、2体いるうちの白鰯の1体はチューナー扱いになっている。そのため今の結衣はレベル4・6・7・8・9・11のS召喚ができるのだ。とはいえ、S召喚できるのは水属性モンスターのみなので自ずと召喚先は限られてしまうが。

「……一応使っておきましょう。墓地の焔聖騎士導-ローランの効果を発動しますよ。墓地のこのカードをシャルル大帝に装備します!」

シャルル大帝 ATK3500→ATK4000 焔聖騎士導-ローラン(装備)

「そしてシャルル大帝は焔聖騎士帝-シャルルと同じ効果を持ちます。よってローランを装備したことで効果を発動! チューナーとなった白鰯を破壊します!」

 シャルル大帝の振りかざした燃え盛る剣が小魚を容赦なく切り裂いた。他の【ホワイト】モンスターは墓地の魚族を除外することでチューナーとして自己蘇生できるが、このカードは自身の力では蘇ることはできない。そのため結衣はチューナーモンスターを素引きしていない限り、S召喚を容易に行えなくなってしまったのだ。

「これで一応高レベルのS召喚は封じましたね」
「……確かに、今私の手札にチューナーモンスターはいません。ですが、私の打つ手がS召喚だけだとは思わないでください。私はアビス・シャークと白鰯をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン!」

 結衣のEXデッキは確かにSモンスターが大半を占めている。しかし【ホワイト・オーラ】デッキとわかった以上相手も当然Sモンスター対策をしてくる。それをかいくぐるための手段を用意しない結衣ではない。

「リンク召喚! リンク2、海晶乙女コーラルアネモネ! コーラルアネモネの効果を発動します。このカードのリンク先に墓地の白鰯を特殊召喚します。白鰯のチューナー化効果はターン内での制限はありません。よって白鰯は再度レベル2のチューナーになります」
「あらら……もしかしてプレミしましたかね」
「レベル4の白曼波に、レベル2の白鰯をチューニング! シンクロ召喚。ゴーティスの大蛇アリオンポス。S召喚に成功したアリオンポスの効果を発動します。デッキからゴーティスの月夜サイクスを除外。そして除外されたサイクスの効果を発動。墓地の白鰯を除外し、このカードを特殊召喚。特殊召喚に成功したサイクスの効果でデッキから《超古深海王シーラカンス》を手札に加えます」
「シーラカンス……ここで引き入れてきますか」
「……アビス・オーパーから出すこともできますが、ここは敢えて普通に出します。私はアリオンポスとサイクスをリリースし、シーラカンスをアドバンス召喚!」

《超古深海王シーラカンス》
効果モンスター
星7/水属性/魚族/攻2800/守2200
(1):1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃宣言できず、効果は無効化される。
(2):フィールドのこのカードを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカード以外の自分フィールドの魚族モンスター1体をリリースして発動できる。その効果を無効にし破壊する。

「アドバンス召喚!? そのカードを普通に召喚する人初めて見ましたよ……」
「もっといい手はは確かにありますが、これでメインゾーンに空きができました。シーラカンスの効果を発動します。手札1枚をコストにデッキから可能な限り魚族モンスターを特殊召喚します! 来なさい! デッキの魚族たち!」

 王の名を持つシーラカンスの号令の下、大波と共に結衣のデッキからは4体の魚族が現れた。チューナーモンスターであるゴーティスの灯ペイシスとゴーティスの妖精シフ、《貪食魚グリーディス》と《フィッシュボーグ-ハープナー》である。

《貪食魚グリーディス》
チューナー・効果モンスター
星3/水属性/魚族/攻1000/守1000
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手の手札の数以下のレベルを持つ自分の墓地の魚族・海竜族・水族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。このカードをS素材としたSモンスターの攻撃力・守備力は、相手の手札の数×200アップする。

《フィッシュボーグ-ハープナー》
チューナー・効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻 400/守 400
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードと手札の水属性モンスター1体を相手に見せて発動できる。
その2体の内の1体を特殊召喚し、もう1体を捨てる。
(2):このカードが水属性SモンスターのS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。相手フィールドの効果モンスター1体の効果をターン終了時まで無効にする。

「この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化されます」
「なるほど、確かにこれではシーラカンスとグリーディスでレベル10のS召喚が行えますが……他のモンスターが全てチューナーなのは解せませんね。基本チューナー同士はSできないはずですが」
「非チューナーを出さなかった理由ですか。理由は簡単です。S召喚には使いませんから。私はリンク2のコーラルアネモネとペイシス、シフをリンクマーカーにセットします! サーキットコンバイン!」

 シーラカンスの効果でチューナーのみを出したのはすぐにS召喚するためではない。彼女の見据えた未来の先にある勝利をより確実に手繰り寄せるためのものだった。

「リンク召喚! 全てを飲み込みなさい!《世海龍ジーランティス》!!」

《世海龍ジーランティス》
リンク・効果モンスター
リンク4/水属性/海竜族/攻2500
【リンクマーカー:上/左/右/下】
効果モンスター1体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「世海龍ジーランティス」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):自分メインフェイズに発動できる。 フィールドのモンスターを全て除外する。その後、この効果で除外したモンスターを可能な限り元々の持ち主のフィールドに表側表示または裏側守備表示で特殊召喚する。
(3):自分・相手のバトルフェイズに発動できる。フィールドの相互リンク状態のモンスターの数まで、フィールドのカードを選んで破壊する。

「ジーランティス!?……なるほど、そういうことでしたか」
「ジーランティスの効果を発動します。フィールドのモンスターを全て除外します!」

 ジーランティスがフィールドに開けた大穴にはまるで全てを飲み込む渦のようにフィールドのモンスターが吸い込まれていく。オジエを装備した焔聖騎士帝-シャルルは効果破壊耐性を持つが、ジーランティスの効果は破壊を介さない除外。よってオジエを装備していたとしても防ぐことはできない。結衣のジーランティスの効果によって、ジーランティス自身、シーラカンス、グリーディス、ハープナーが、碧のシャルル大帝、焔聖騎士帝-シャルル、聖剣を巡る王姫アンジェリカの計7体のモンスターがフィールドから姿を消した。当然装備対象を失った装備魔法は全て破壊される。

「そしてこの効果で除外したモンスターを可能な限り持ち主のフィールドに特殊召喚します。が……この効果を適用したのは私です。よって私に課せられた制限が適用されます。コーラルアネモネの効果を発動したターン、私は水属性モンスターしか特殊召喚できません。よって炎属性モンスターである副会長のモンスターは帰還することができなくなります」

 結衣のフィールドにはEXゾーンからメインゾーンに移動したジーランティス、シーラカンス、グリーディス、ハープナーの4体のモンスターが戻ってくる。しかし、碧のフィールドにあるのは、もはやただのハコモノと化した大聖剣博物館のみだった。

「そして一度フィールドを離れているのでシーラカンスの効果は再度発動できます。手札1枚をコストにデッキからレベル4以下の魚族を可能な限り特殊召喚します。レベル4の揺海魚デッドリーフを特殊召喚します。ではここからS召喚します。レベル4の揺海魚デッドリーフに、レベル4のフィッシュボーグ-ハープナーをチューニング。S召喚! レベル8、白闘気白鯨! レベル7の超古深海王シーラカンスに、レベル3の貪食魚グリーディスをチューニング。S召喚! レベル10、相剣大公-承影!」

相剣大公-承影 ATK3000/DEF3000→ATK3600/DEF3600

「あららー……まさかここまでひっくり返されるとはお見事でした」
「ありがとうございます。墓地のシフの効果を発動し、白鯨の攻撃力を500アップします」

白闘気白鯨 ATK2800→ATK3300

「バトル。3体のモンスターでダイレクトアタックです」

世海龍ジーランティス ATK2500
白闘気白鯨 ATK3300
相剣大公-承影 ATK3600

碧 LP6800→0









「ふぅ……ありがとうござい―――」
「ゆいゆーい!!」

 見事な後攻ワンキルを決めた結衣は小さく息を吐くと、碧に向かって礼を言いつつ一礼、する瞬間に真横から遊舞に飛びつかれたことで派手に吹っ飛んだ。デュエルが終わって安堵し、隙が生まれたその瞬間を突かれたため対応することができなかったのだ。

「……!! あなたって人は!! なんでそう自分を制御しないんですか!!」
「えーっ! だって嬉しいんだもん!! ゆいゆいが勝ってくれて!」

 怒りで顔を真っ赤にする結衣であるが、目と鼻の先にある遊舞の満面の笑顔を前にして怒りを通り越して呆れとなっていた。

「あらら、仲良しなんですねお二人とも」
「ふーむ、こうして見ると百合もいいですな。薔薇に勝る美はないと思っていましたが……」

 そんな二人を見て微笑むベアトリスと、ベアトリスとは違う意味の笑みを見せる碧。結衣はそんな自分の痴態をベアトリスに見られたことが恥ずかしかったのか、遊舞を押しのけると制服についた埃を払いながら立ち上がった。

「ありがとうございます。状況が状況だけに気を抜いたデュエルはできないと思っていたので」
「あの夏からもう3年近く……互いに成長できましたね」

 過日を懐かしむように上を見上げるベアトリス。思えばあの頃の自分たちはまだまだ生まれたての雛鳥のようなもので、自分の在り方すらも理解できていなかった。しかし、あの時遊希をはじめとしたOGデュエリストたちに出会ったからこその今があるのだ。ベアトリスは春の日差しのように暖かな笑みを浮かべると、そっと手を差し出した。

「改めまして。私は生徒会長のベアトリス・オルレアンです。白幡 結衣さん、風花 遊舞さん。ようこそ、生徒会へ―――」

 結衣と遊舞。二人の少女の新しくも刺激的な学校生活が始まろうとしていた。

「ところでさっき副会長センパイが言ってたゆいゆいの"白い人魚姫”ってキャッチフレーズ、あれ公式にしない? ゆいゆいなら似合うと思うよ、白ビキニ」
「……あなたはデュエル以前にデリカシーを学んでください」





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