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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第五話・3

第五話・3 作:KOUBOU(旧名:光芒)






「風花さん、あなたさっきの授業でも居眠りしていましたね! いつもちゃんと睡眠を取っているのにどうしていつもあなたは……!」
「えー? 睡眠なんて取ってないじゃん。ゆいゆいが毎晩毎晩アタシと夜のデュエルしたいって誘って……」
「そんなことしてませんからね! 本当にしてませんからね!」
「はいはい。二人とも静かに……ってあれ?」

 後ろで口喧嘩という名のじゃれあいをする二人を時々宥めながらデュエル場に現れた遊大は、その場にいた陸と仁に気がつく。同室である三人であるが、生徒会の遊大、サッカー部の陸、部活無所属の仁は夜間以外はバラバラに行動することが多いので、日中こうして出会うことは結構珍しかったりもする。

「陸、仁。二人もデュエルしてたんだ」
「……」
「何?」
「ちょっと奥さん、高海さんの旦那さんまた若い女の子を侍らせてるわ」
「嫌ね、天都先輩というお美しい奥様がいるのに……」
「いや、そういうのじゃないからね!?」

 今の遊大は遊希に認められ、将来的にプロデュエリストへの道を歩むことがほぼ確実視されている存在である。そのため、同級生や下級生はもちろん、上級生からも一目置かれる存在だ。しかし、そんな遊大を気軽に茶化すことのがこのルームメイト二人なのだ。

「まあ冗談だ。だが、天都先輩が今のお前を知ったらどう思うか」
「俺ですら留奈ちゃん一筋だぞ!?」
「だからそういう関係じゃ……えっと、今日はそういう意味で来たわけじゃないんだった。遊舞さん、準備はできてるかな?」

 三人を余所に言い合っていた遊舞と結衣であるが、二人は遊大の言葉に即座に反応する。遊舞はデュエルディスクを展開すると、それを即座に腕に付け、デッキをセットした。

「へへっ、遊大センパイとのデュエルならいつでもオッケーだよ!」
「えっ? 遊大、遊舞ちゃんとデュエルするのか?」
「今日はそのつもりで来たんだ。デュエル場が空いてるかどうかわからなかったけど」
「そうか。なら、俺たちはいい機会に恵まれたな」
「いい機会って……あ、そういうことか」

 そう言って陸と仁はデュエルフィールド横に移動する。遊舞といえば、学内の話題を独り占めにした【ゲイルアイズ】の使い手。遊大と遊舞のデュエルということは、時のデッキによるデュエルをこの至近距離で見ることができるということなのだ。

「さて、遊舞さんのデッキには色々聞いてみたいばかりだけど……デッキを理解するにはデュエルをすることが一番だと思うんだ」
「あ、アタシもそう思う! だから遊大センパイのためにアタシ頑張ってデュエルするね!」
「……ほどほどにしてくださいね。後で居眠りしていた分の補修しますから」

 呆れ顔の結衣もまた陸や仁と共に二人のデュエルを見守る位置に移る。遊大と遊舞、どこか似たような二人が改めてこの場で対峙した。


遊舞 LP8000 手札5枚
デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊大 LP8000 手札5枚
デッキ:46 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0  除外:0 EXデッキ:15(0)


☆TURN01(遊舞)

「あれ、先攻の決定権って遊大センパイだったよね?」
「うん。だけど、今回は風花さんに先攻を譲るよ。ゲイルアイズの動きをじっくり見ておきたいし」

 デュエルモンスターズというゲームは一部のデッキを除いては基本的に先攻が有利なデッキであり、先攻後攻の決定権を得た場合は、デュエリストは基本的に先攻を取りに行く。だが、そんな状況においても遊大は遊舞に先攻を譲った。

(……と言ったけど、先攻を譲ったのは決して善意じゃない。この間の結衣さんとのデュエルを見て思ったことがある)

 遊大は入学式の時の結衣とのデュエルの経緯、そして今日に至るまでの他の生徒とのデュエル結果を見て気がついたことがあった。彼女が【ゲイルアイズ】デッキを使って圧勝しているデュエルは決まって彼女の後攻ワンターンキルなのだ。

(エースモンスターのゲイルアイズ・テンペスト・ドラゴンのバウンスからの攻撃力アップは相手フィールドのカードを戻して真価を発揮する。その性質上、ゲイルアイズは先攻では動きにくいデッキのはず……まあ、その読みを超えてくるのが本当に強いデュエリストなんだけど)
「アタシの先攻ね。えっと……」
(やっぱ遊大センパイ、アタシのデッキしっかり分析してる。アタシのデッキの一番の勝ち筋が後攻ワンキルだって。でも、それだけじゃないんだよなぁ)
「アタシは手札からモンスターを召喚するね」

 遊舞のフィールドには水色の身体をしたどこか無機質な印象を持つドラゴンのようなモンスターだった。それを見た遊大、そして陸、仁、結衣の表情が一変する。

「アタシは《コアキメイル・ドラゴ》を召喚☆」

《コアキメイル・ドラゴ》
効果モンスター
星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1600
このカードのコントローラーは自分エンドフェイズ毎に、手札から「コアキメイルの鋼核」1枚を墓地へ送るか、手札のドラゴン族モンスター1体を相手に見せる。
または、どちらも行わずにこのカードを破壊する。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いに光・闇属性モンスターを特殊召喚できない。

「コアキメイル・ドラゴ……やっぱり入れてるんだね」

 遊大はゲイルアイズカードを調べるにあたって、共通する風属性・ドラゴン族に該当するカードについても調べていた。テーマカードとしては【ドラグニティ】が存在しているが、ドラグニティSモンスターは偶数レベルのモンスターが大半であり、奇数レベルのモンスターが多いゲイルアイズとの噛み合いはあまりいいとは言えないのだ。
 そんな中、風属性という属性統一デッキだからこそ輝くのが、コアキメイル・ドラゴ。維持コストこそ必要なものの、光属性および闇属性のモンスターの特殊召喚を封じる効果は単純ながら強力であり、闇属性モンスターが多い遊大のデッキにはとてもよく刺さる効果なのだ。

「遊大センパイのデッキって闇属性ばっかだもんね。これで融合もシンクロもエクシーズもできないでしょ?」
「……」
「アタシは永続魔法、ゲイルアイズ・トレード・ウィンドを発動。発動時の効果処理でアタシはデッキからゲイルアイズ・ブリーズ・ドラゴンを手札に加える。そしてカードを1枚セットしてターンエンドだよ。で、コアキメイル・ドラゴの維持コストでさっき手札に加えたブリーズ・ドラゴンを見せるね」


遊舞 LP8000 手札3枚
デッキ:34 メインモンスターゾーン:1(コアキメイル・ドラゴ)EXゾーン:0 魔法・罠:2(ゲイルアイズ・トレード・ウィンド)墓地:0 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊大 LP8000 手札5枚
デッキ:46 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0  除外:0 EXデッキ:15(0)


☆TURN02(遊大)

「俺のターン、ドロー」

 ドローカードを確認した遊大は遊舞に感付かれないようにポーカーフェイスを維持する。今の手札にサンダー・ボルトのような1枚で盤面を覆せるカードはない。コアキメイル・ドラゴの攻撃力は下級モンスターでも高い1900もあるため、モンスター1体でそれを退かせるほどの力はなかった。

(あのカードには【覇王魔術師】デッキでは太刀打ちできなかった。【覇王魔術師】デッキでは)
「俺は手札の《EMモンキーボード》をペンデュラムゾーンにセッティング!」

《EMモンキーボード》
ペンデュラム・効果モンスター(制限カード)
星6/地属性/獣族/攻1000/守2400
【Pスケール:青1/赤1】
「EMモンキーボード」の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンに「EM」カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
(2):このカードを発動したターンの自分メインフェイズに発動できる。デッキからレベル4以下の「EM」モンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。手札の「EM」モンスターまたは「オッドアイズ」モンスター1体を相手に見せる。このターン、そのモンスター及び自分の手札の同名モンスターのレベルを1つ下げる。

「えっ? モンキーボード!?」
「俺のデッキが【覇王魔術師】っていつ言ったかな? 今使っているデッキは違うデッキだよ!」

 高海 遊大のデッキは【覇王魔術師】のみではない。彼の持つもう一つのデッキが思い入れの深い【EMオッドアイズ】デッキだった。

「モンキーボードの効果で俺は《EMオッドアイズ・プリースト》を手札に加える。そして、フィールド魔法《天空の虹彩》を発動」

《天空の虹彩》
フィールド魔法
「天空の虹彩」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分のPゾーンの、「魔術師」カード、「EM」カード、「オッドアイズ」カードは相手の効果の対象にならない。
(2):このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、デッキから「オッドアイズ」カード1枚を手札に加える。

「モンキーボードを対象に天空の虹彩の効果を発動! モンキーボードを破壊し、デッキから《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》を手札に加える。そしてライフを500支払い、手札の超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンの効果を発動」

遊大 LP8000→LP7500

「このカードを墓地に送り、デッキからレベル8以下のドラゴン族Pモンスター《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》を手札に加える。そして、オッドアイズ・プリーストとアークぺンデュラムの2体をセッティング!」

《EMオッドアイズ・プリースト》
ペンデュラム・効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻 100/守1800
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の、「EM」カードまたは「オッドアイズ」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。その後、このカードを破壊する。
【モンスター効果】
このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):P召喚したこのカードは表示形式によって、自分メインフェイズに以下の効果を発動できる。
●攻撃表示:このカードを除外し、自分の墓地の、「EM」モンスターまたは「オッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
●守備表示:「EM」Pモンスターまたは「オッドアイズ」Pモンスター1体をデッキから選び、自分のEXデッキに表側表示で加えるか墓地へ送る。

《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》
ペンデュラム・通常モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2700/守2000
【Pスケール:青8/赤8】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示の「オッドアイズ」カードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。自分の手札・デッキ・墓地から「オッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
雄々しくも美しき、神秘の眼を持つ奇跡の龍。その二色に輝く眼は、天空に描かれし軌跡を映す。

「オッドアイズ・プリーストのスケールは1、アークペンデュラムのスケールは8。よってレベル2から7までのモンスターをP召喚できる。俺はEXデッキからモンキーボードをP召喚!」

 遊大のデッキは闇属性モンスターの比率こそ多いが、全てのモンスターが闇属性というわけではない。実際にモンキーボードは地属性であるため、コアキメイル・ドラゴの特殊召喚封じに引っかからないのだ。

「そして、俺はモンキーボードをリリース。オッドアイズ・アドバンス・ドラゴンをアドバンス召喚!!」

《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカードはレベル5以上のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊した時に発動できる。自分の手札・墓地から「オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン」以外のレベル5以上のモンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。

「っ……!」
「アドバンス・ドラゴンはレベル5以上のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。わかっているとは思うけど、コアキメイル・ドラゴが止められるのはあくまで特殊召喚だからね。そしてアドバンス召喚に成功したアドバンス・ドラゴンの効果を発動! 相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。コアキメイル・ドラゴを破壊!!」

遊舞 LP8000→LP6100

 アドバンス・ドラゴンの放った火球がコアキメイル・ドラゴを焼き尽くす。コアキメイル・ドラゴがフィールドから消滅したことで、遊大を縛り付けていた特殊召喚封じの械が消え去った。

(オッドアイズ・プリーストの効果で墓地の超天新龍をサルベージしつつ、アークペンデュラムで新しいオッドアイズをリクルートできるけど……)

 遊大の目に留まったのは2枚のセットカード。もしあれが攻撃反応罠カードであれば、下手な展開をするべきではない。

(警戒しすぎて損はないかな)
「メインフェイズ1を終了し、バトル! オッドアイズ・アドバンス・ドラゴンでダイレクトアタック!!」

オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン ATK3000





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