71話：奈落の魔神　作：ヒラーズ

陸也　LP3300
手札3
場
美食経典魔王ベルゼブブ
永続
奈落経典‐呪いの書‐
美食経典‐暴食解禁の書‐
伏せカード2枚

ダーク陸也　LP4000
手札2
場及び伏せ
無し


ダーク陸也との戦いから3ターン目、陸也の手番（ターン）が終了し、ダーク陸也のターンが来る。
しかし、ダーク陸也の場は更地。できるとすればモンスターを伏せるか、カードをセットする以外やることはない。
勝ったも当然のものでもあるけど、相手の出方を陸也は窺う。

「やるではないか。白き救世者の弟の実力も伊達ではないという事か？」
「戯言はいい。かかってこい」
「敵にやる情けは無用とは…優しくないな」
「生憎だがな。俺は姉さんとは違って優しくないぞ」
「そうか……ドロー」

ダーク陸也
手札2→3

「カードを２枚伏せてターンエンドだ」
「俺のターン」

陸也
手札３→４

「バトル！ベルゼブブでダイレクトアタック！ベルゼブル・フルスマッシュ！！」

攻撃力4000のドライヴモンスターがダーク陸也に襲い掛かる。
これが決まればライフは0となり、陸也の逆転勝ちとなるけど…。

何だろう。何か嫌な予感がする。

ダーク陸也　LP4000→8000

「何っ！？」

LPが回復した！？まさか……あのカードが？

「罠カード『ドレインシールド』。相手モンスターの攻撃を無効にし、攻撃してきた相手モンスターの攻撃力分だけ自身のLPを回復させる」
「……ターン終了だ」

陸也は渋々ターンを終わらせ、ターンを与える。恐らくこのターンで決めるつもりだったのかしら？

「ドロー」

ダーク陸也
手札1→2

「カードを１枚伏せてターンエンド」
「俺のターン」

陸也
手札4→5

「ならば！ベルゼブブのモンスター効果発動！！デッキからカードを2枚墓地に送り、EXデッキからレベル10以下のSモンスター1体を召喚条件無視して特殊召喚する！現れよ！魔王龍 ベエルゼ！！」

魔王龍 ベエルゼ
☆8・闇属性・ドラゴン族／シンクロ／効果　ATK3000／DEF3000
闇属性チューナー＋チューナー以外のモンスター１体以上
このカードは戦闘及びカードの効果では破壊されない。また、このカードの戦闘または相手のカードの効果によって自分がダメージを受けた時に発動できる。このカードの攻撃力は、そのダメージの数値分アップする。

「これで布陣を固める」

陸也が召喚したのは上級のシンクロモンスター。破壊耐性持ちとか立てる布陣がおかしくない？
普通ならクリスタルウィングを出して固めるけど……まさか陸也のデッキって環境が更新されてないのでしょうか？

その時だった。

「クククッ……アハハハハハッ！！」
「何がおかしい？」
「オレはこの時をずっと待ちわびていたのだ！アクセル条件達成！！」

アクセル召喚！？まさかダーク陸也も持ってるの！？

「条件達成！相手の手札が5枚以上で、相手がモンスターを特殊召喚に成功した時。相手はそのターンを終了する。その後、EXデッキからこのカードをA召喚する！！


――――奈落に封印されし、暗黒の魔神よ――――


――――今ここに印を解き、正義たる光に――――


――――災いたる力を振るえ！！！――――


――――アクセル召喚！！！！――――


――――《奈落魔神アビスタイタン》！！――――



辺りは暗闇に包まれ、晴れであった天候がたちまち曇になり、暗雲が呼び寄せられる。
人智では無理な所業。間違いなく魔法で発生させた異常気象。
現れたモンスターは紫の炎で覆われた巨人だった。


奈落魔神アビスタイタン／Originalcard
☆11・闇属性・岩石族／アクセル／効果　ATK？／DEF？
【Ａ条件】
相手の手札が５枚以上で、相手がモンスターを特殊召喚に成功した時、相手はそのターンを終了する。その後、ＥＸからこのカードをＡ召喚する。
【モンスター効果】
？


何……このモンスター？攻撃力が「？」……。
でも何だろう……邪悪な力が溢れ出てる。
それと同時に震えが止まらない。興奮とかそうじゃなくて。

これは……「恐怖」？