51話：白眼龍VS高速の燕　作：ヒラーズ

順番
1：ツバメ
2：海理


ツバメ　LP8000
手札5

海理　LP8000
手札5


突如始まったライディングデュエル。
ツバメの乗っているモンスターはあっという間に海理のＤホイールを追い抜かし、先攻を取る。

「あたしの先攻、ドロー！」
ツバメ
手札5→6
スピードカウンター０→３

海理は手札を確認し相手の出方を見ながら策を練る。
恐らく相手は一筋縄ではいかない。油断せずに攻めよう。
そう考えたのだった。

「あたしは手札から『ワン・フォー・ワン』を発動！手札から《ＳＳ－ファイナルスラッシュ》を墓地に送り、デッキから《ＳＳ－シンクロスラッシュ》を特殊召喚！！さらにこの鳥ちゃんの効果により、相手プレイヤーに100のダメージを与える！」

ツバメがモンスターを召喚したとたん、謎のかまいたちが海理を襲い、ライフを削る。肉体的にダメージは受けていないものの、少しフラける。
海理　LP8000→7900

ＳＳ－シンクロスラッシュ／Original Card
☆1/風属性/鳥獣族／チューナー／効果　ATK500／DEF400
①：このカードが召喚、特殊召喚に成功した場合に発動する。相手に１００ダメージを与える。 ②：Ｓ素材以外で墓地に送られたこのカードを除外し、墓地の「ＳＳ」Ｓモンスター１体を対象にして発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地に送られたターンには発動できない。

「バーン効果…！？それに【ＳＳ（ソニックスワロー）】！？」

海理にとっては聞いたことのないカテゴリ、だが海馬コーポレーションのちょっとした情報によると、5月からバーン効果を搭載した鳥獣族モンスターのカテゴリが発売されるというものがあった。

「まだいくのだ！手札から《ＳＳ－スカイスラッシュ》を通常召喚！効果により相手に500のダメージを与え、墓地の《ＳＳ－ファイナルスラッシュ》を回収だぞ！」

ＳＳ－スカイスラッシュ／Original Card
☆3/風属性/鳥獣族／効果　ATK1100／DEF1000
①：このカードが召喚、特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手に５００ダメージを与える。 ②：このカードが召喚されたターンに発動できる。墓地から「ＳＳ」モンスターカードを１枚手札に加える。

海理　LP7900→7400

「くっ…！」
「さらに手札から『神速の宝札』を発動！手札から【ＳＳ】カードを墓地に捨て、カードを2枚ドローする！手札から『ＳＳＳネスト』を捨てるのだぞ！」
「あまり手札が減っていない…」

少しずつながら減らされていく海理のライフ、序盤のターンなのに後攻を取ったようなダメージに少しだけ焦りを出した。

「いっくよー！レベル1の《ＳＳ－シンクロスラッシュ》にレベル3の《ＳＳ－スカイスラッシュ》をチューニング！

――――“速さの世界に飛び回る疾風の燕（つばめ）よ――――



――――音速の翼を広げ、さらなる疾さで敵を蹴散らして！”――――



――――シンクロ召喚！！――――



――――羽ばたけ！！レベル4《ＳＳ－セカンドスラッシュ》！！――――

ＳＳ－セカンドスラッシュ／Original Card
☆4/風属性/鳥獣族／シンクロ／効果　ATK500／DEF1000
チューナー１体＋チューナー以外の鳥獣族モンスター１体 ①：このカードは１度のバトルフェイズで２回攻撃できる。 ②：このカードに装備カードがない時に発動できる。自分の手札から「ＳＳ」モンスターを１体このカードに装備する。このカードの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力分アップする。

ツバメの前に現れ、飛び回るのは高速の『燕』。
レベルの低い割に嫌気がさした海理は身震いを隠せないでいた。

「セカンドスラッシュの効果で手札のファイナルスラッシュを装備する！ファイナルスラッシュの攻撃力は1000、よって1000アップなのだ！！」
ＳＳ－セカンドスラッシュ　ATK500→1500

「カードを2枚伏せてターンエンド！」
「私のターン！！」
海理
手札5→6

（バーン効果とレベルの低いシンクロモンスター…打点が低い、ならこれはどうでしょうか！）

「私は手札から『ドラゴン・目覚めの旋律』を発動！！手札1枚を捨て、デッキから攻撃力3000以上で守備力が2500以下のドラゴン族モンスターを2体まで手札に加えます！」
「速い割にへびーな事してくるんだね」
「まだまだ！手札から《白眼の子竜》を召喚し、効果でリリース！出でよ《白眼の聖龍》！！」
白眼の聖龍　ATK3000　☆8

「効果であなたのモンスターを一掃します！浄化のスプレット・ブラスター！」
白眼龍の水圧ブレスが高速の燕を押し流し、ツバメの場を平らにする。
流れるかのようにバトルフェイズに突入した時だった。

ｼｭﾊﾟｧﾝｯ！！

突然…白眼の聖龍の首がはねられ、破壊される。それと同時にダメージを受けた。海理は何が起きたかは理解できず、戸惑う。
海理　LP7400→4400

そんな中、ツバメはニヤリと笑みを浮かべ、EXデッキから1枚のカードを抜き取る。

「…！？」
「海理さん引っかかった！アクセル条件達成！！相手が「ＳＳ」Ｓモンスターを破壊してバトルフェイズを行った時、相手フィールドのモンスター1体を破壊する！その後、相手に破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与え、EXデッキからこのカードをアクセル召喚するのだぁ！！


――――“高速の翼はさらなる力を手に入れ、神速に近づく！――――



――――今ここでしゅくせーの風に乗り、さらなる疾さを手に――――



――――高速を音速に、音速を神速に！”――――



――――アクセル召喚！！――――



――――レベル10《ＳＳ－アクセルスラッシュ》！！――――


ツバメの前に現れたのは風を纏う、神速の鳥。
途中でツバメは乗っていたモンスターからアクセルスラッシュに乗り換え、まるでアクションデュエルを思わせるような動きを取った。
ツバメを乗せていたモンスターは1枚のカードに戻り、ポケットに入る。

ＳＳ－アクセルスラッシュ／Original Card
☆10/風属性/鳥獣族／アクセル／効果　ATK0／DEF0
【Ａ条件】
相手が自分フィールドの「ＳＳ」Ｓモンスターを効果で破壊してバトルフェイズを行った時、相手モンスター１体を選択して破壊する。その後、相手に破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与え、ＥＸデッキからこのカードをＡ召喚する。
【モンスター効果】
このカードはルール上「ＳＳ」Ｓモンスターとしても扱う事ができる。このカード名の③の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：このカード攻撃力、守備力は自分の墓地に存在する鳥獣族モンスター１体につき８００アップする。
②：このカードが相手モンスターを破壊する度、相手に1000のダメージを与える。
③：手札、墓地の「ＳＳ」モンスター１体を除外して発動できる。このターンこのカードは相手に直接攻撃できる。この効果で相手が受ける戦闘ダメージは半分になる。
④：ＬＰを１０００払って発動できる。相手フィールドのモンスターを全て破壊する。













ちょっとしたおまけ

劇中に登場したアクセルモンスター
《ＳＳ－アクセルスラッシュ》について。
ツバメのアクセルモンスター、元の設定では賊精霊の一種でツバメのサブエースモンスターだった存在。
墓地仕込みが多いシンクロメタのデッキには丁度良いモンスターへと変化。
事実上、ツバメのさらなる速さを極めたい思いで具現化したモンスターへと化した。
効果はシンクロモンスターとしても扱え、墓地に存在する鳥獣族モンスターの数分800アップといった鬼効果。
除外すればダイレクトアタッカーにもなるがダメージが半分になるという大きなデメリットを背負う羽目になるため、フィニッシュにしか使えないだろう。
1000LP払えば、アニメ版ほどではないが…ゴッドフェニックスみたいな事が出来る。作者であるヒラーズはこの効果を「ゴッドバード・スラッシュ」と呼んでいる（本来はにしん様が考えてくれると嬉しい）。
他にも『スワローズ』のレベルアップの魔法カードの対象にもなるため、相手を牽制しつつレベルを上げて《ＳＳ－コメットスラッシュ》で叩き潰しに行く事も可能。
結果、海理のライフを大きく削る存在へとなった。

海理「滅茶苦茶痛いのですが…」
ツバメ「気にしない気にしなーい！」


次に出される【ＳＳ】のアクセルモンスター。
次回に登場させるアクセルは開発中。さらなる速さで海理を苦戦させるアクセルを出します。