42話：真実追求戦、海理VSネクロ　作：ヒラーズ

海理　LP8000
手札5

ネクロ　LP8000
手札5


（駄目だ…！姉さんの実力では勝てるものではない…！）
陸也は海理を止めようとしても見向きもせず、デュエルを始める。
不安を抱え、もう一度話を聞かせた。

「やめるんだ姉さん！今の実力ではネクロには敵わない！降りるんだ！！」
「はははっ！弟に心配されているようでは余計降りれなくなったんじゃないのかい？」

ネクロは皮肉に笑うが、海理はものともせずに話す。

「…陸也に心配されるほどあなたが強いなら、尚更引き下がれません。デュエリストとして…【白き救世者】として、あなたを倒します！！」
「あらら、もう止めれないようだ。残念だね陸也君」
「くっ……！」
（姉さんはネクロの実力を知らないから言えている。本来なら勝負を挑まないのが正解だが…！）

陸也は引き下がり、観客席にドカリと座り、見守る。

「相も変わらず陸也君は優しい。そんなに大事な姉なら前線に出さずとも自分から勝負を仕掛ければ済む話だというのにねぇ…可哀想な陸也君」
「なら…あなたを倒して強さを証明すればいいのです。確かに私はあなたの実力は知りません。けど、大会を中止させ、他人を侮辱した罪は大きいです！あなたは…私が裁きます！弟の代わりに…！」

海理はカードを引き、手札を確認。そして策を練りつつ、デッキからカードをドローする。

「私の先攻、ドロー！」
海理
手札5→6

「手札から『トレード・イン』を発動！手札からレベル8モンスターを墓地に捨ててカードを2枚ドローします。さらに『手札抹殺』を発動！互いに手札を全て捨てて、捨てた枚数分カードをドローします！」
「先ずは小手調べと言ってるのかい？愚かだねぇ…」
ネクロはやれやれと言った顔になり、見下しているような言葉を吐きつつ、出方を伺う。

「調子に乗るのもいい加減にした方が良いですよ？墓地から水属性モンスター2体を除外する事で手札から《白眼の雷光龍》を特殊召喚します！」

白眼の雷光龍（ホワイトアイズ・ライトニング・ドラゴン）／Original Card
☆10/光属性/ドラゴン族／効果　ATK3300／DEF3300
このカードは通常召喚できない。墓地に存在する水属性モンスター２体を除外する事で手札からこのカードを特殊召喚できる。
①：このカードの属性は水属性として扱う事ができる。
②：このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、ダメージ計算を行わずそのモンスターを除外する。
③：このカードは戦闘及びカード効果では破壊されない。
④：このカードの攻撃力と守備力は自分の墓地、または除外されているモンスター１体につき７００アップする。

「おお！結構強いモンスターだねぇ！」
「墓地に存在するモンスターは3体、除外されているモンスターは2体、よって5体のため３５００アップします！」
白眼の雷光龍　ATK3300→6800

「先攻は攻撃できません、カードを3枚伏せてターンエンドです」
「私のターン」
ネクロ
手札5→6

「デッキの荒削りに壁の召喚。なかなかの戦術だよ。だが、君の実力はそれまでと言う事だよ、海理ちゃん」
「――――っ！」

一番言われたくない言葉を言われてしまったのか、余裕の表情が怒りの表情に変わりつつあった。それまでの実力…弟に出会い、プロにまで近づいた実力をその程度か？と言われ、怒りが浸透していた。

「私は手札から《星壊屍鬼ガキ》を召喚」
星壊屍鬼ガキ　ATK1200　☆3

「光属性のアンデット族モンスター？」
「細かい事を気にする暇かい？ガキで攻撃」
ガキの大きな口が雷光龍の首筋をかみつく。互いに破壊されず、何故か海理は戦闘ダメージを受けた。
海理　LP8000→7000

「――――っ！？」
「ああ、忘れていたね。このカードは自分のバトルフェイズ時のみ相手の打点を1000上回る数値になるんだ。驚いただろう？まぁエンドフェイズ時に1000LPを失うがね」

いきなりの戦闘ダメージに驚いた…のではなく、急激に首元に痛みがおそってくる…しかし首元を触っても傷らしいものはない。精神的なダメージなのだろうか？

「相手に戦闘ダメージを与えた時、手札から《星壊屍鬼グール》を特殊召喚しバトルだ」
星壊屍鬼グール　ATK1300　☆4

「グールの効果発動、自分フィールド上の「星壊屍鬼」モンスターを破壊してこのターン、このカード攻撃力は相手モンスターの攻撃力を2000上回った数値になる」
星壊屍鬼グール　ATK1300→8800

海理　LP7000→5000

「……っ！？」
「破壊耐性を持っていてもこのダメージは痛いだろう？こう見えて私は本気なんだ。そろそろ君も本気をだしたらどうかね？カードを2枚伏せてターンエンドだ」
「私のターン…ドロー！」
海理
手札1→2

（強い…まるで陸也に引けを取らない実力…一度の油断が命取りの戦い…恐ろしいですね）

「私は手札から『白眼の宝札』を発動！」

白眼の宝札／Original Card
通常魔法
手札から「ホワイトアイズ」モンスターか水属性モンスター１体を捨てて発動できる。自分はカードを２枚ドローする。この効果で「ホワイトアイズ」モンスターを墓地に送った場合、自分はカードをさらに２枚ドローする。

「手札から《白眼の亜子竜》を墓地に捨て、4枚ドローします！」
海理
手札0→4

手札を確認するも、破壊はできる。だがこの手札を見た海理は苦の表情へと変わる。相手は何を伏せてるか分からない。破壊耐性はあるが、バウンスや除外の耐性がない。
手詰まった状況の中、手を動かし、策を再び練る。

「…雷光龍の効果により、さらに７００上がります…」
白眼の雷光龍　ATK6800→7500

（一か八か…やってみるしかありません！）
「バトル！雷光龍でグールを攻撃！救世のプラズマフォース！」
電撃ブレスがグールに直撃し、破壊される。しかしネクロのライフはあまり減っていなかった。

ネクロ　LP8000→6000

「！？」
「残念だったねぇ…罠カード『損傷食い』を発動だよ、このターンのみ私のライフは何やっても6000以下にならないんだ」

焦る、ここで削らねばやられる。その思考が予想をしていない不規則な事態を招き、悪影響を及ぼす。
海理の体から汗がにじみ出る。陸也の言ったことが頭に伝わり、強者の余裕が一気に崩れ、劣勢に突入した。

「…ターンエンド」
「おやぁ？もう終わりかい？ドロー」
ネクロ
手札2→3

「おっと…もう君が来たか…どうやらショータイムはここからだねぇ！」
「…」
「ではでは、永続魔法『ネクロマスタリア－真屍操作技術』を発動…の前に《星壊屍鬼ガキ》を召喚してから発動するよ。君のモンスターと私のモンスターを生け贄に捧げ、《紫眼の屍竜》を特殊召喚！

――――“私の化身よ、今ここに君臨し――――



――――理想を！自由を！そして未来の栄光を！！――――



――――私の前で表したまえ！！”――――




――――《紫眼の屍竜》！！――――



紫眼の屍竜（パープルアイズ・ネクロドラゴン）／Original Card
☆8/闇属性/ドラゴン族／効果　ATK3000／DEF0
このカードの種族はアンデット族としても扱う。
①：このカードが戦闘で破壊された時、エンドフェイズ時に墓地からこのカードを表側守備表示で特殊召喚する。
②：このカードが融合・Ｓ・リンク素材として墓地に送られた時、次の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。
③：１ターンに１度、デッキからアンデット族モンスター１体を墓地に送って発動できる。墓地、除外されているアンデット族モンスターをそれぞれ１体ずつ自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。

ネクロの前に召喚されたのは…半分アンデット化した紫の瞳をした竜だった。



海理　LP5000
手札4
伏せカード3枚



ネクロ　LP6000
手札1
紫眼の屍竜　ATK3000　☆8
伏せカード1枚
永続『ネクロマスタリア－真屍操作技術』