34話：白眼と黒眼、押して押されて　作：ヒラーズ

海理　LP8000
手札4
場
聖龍の銃士　ATK2900　☆8
伏せカード2枚

魔姫　LP8000
手札1
場
機械暴龍ブラックアイズ・タイラント・ドラゴン　ATK3800　☆10
伏せカード2枚


デュエルはまだ序盤、手札に余裕を持たせた海理は自分のターンが回ったことを境に勝負に出た。

「私のターン、ドロー！」
海理
手札4→5

（相手は【ブラックアイズ】という未知のカテゴリカードを持っている…。ここからが耐え時か…または攻め時か…）
「魔法カード『トレード・イン』を発動！手札からレベル8のモンスターを墓地に送り、2枚ドローします！さらに銃士をリリースし、このモンスターを特殊召喚します！


――――“銀河中心に飛び回る水の龍よ、星々の条約を打ち破り――――



――――冒涜的な宇宙に終止符を放て！！”――――



――――特殊召喚！！――――



――――《白眼の星聖龍》！！――――



負けじと海理もモンスターを特殊召喚する。だが召喚されたモンスターのレベルを見たとたん、辺りはざわめきを始めた。
「おいおい…何だあのモンスター…？！」「レベルが…ない？」

白眼の星聖龍（ホワイトアイズ・スターセイント・ドラゴン）／Original Card
☆0/水属性/ドラゴン族／効果　ATK？／DEF？
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の水属性モンスターの効果のみ特殊召喚できる。
①：このカードの元々の攻撃力と守備力はルール上５０００として扱う。
②：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手に与える戦闘ダメージを倍にする。
③：？？？
④：？？？

「レベル『0』のモンスター…見たことないわ…！」
「いきます！星聖龍で攻撃！破局のアクアバースト！！効果で戦闘ダメージが倍になります！！」
宇宙の水龍のブレスで暗黒の機械龍が押し流され、魔姫は深手を負った。
魔姫　LP8000→5600

「ぐっ…やるわね！」
「エンドフェイズ時にこのカードを相手のエンドフェイズまで除外します！ターンエンド！！」
星聖龍は異次元の彼方に消え、辺りは静かになる。

白眼の星聖龍（ホワイトアイズ・スターセイント・ドラゴン）／Original Card
☆0/水属性/ドラゴン族／効果　ATK？／DEF？
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の水属性モンスターの効果のみ特殊召喚できる。
①：このカードの元々の攻撃力と守備力はルール上５０００として扱う。
②：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手に与える戦闘ダメージを倍にする。
③：１ターンに１度、このカードは戦闘では破壊されない。
④：このカードはエンドフェイズ時、相手のエンドフェイズ時まで除外する。

「私のターン！」
魔姫
手札1→2

「魔法カード『黒眼融合』を発動！墓地から【ブラックアイズ】モンスターを任意の数だけ除外する事でＥＸデッキから【ブラックアイズ】融合モンスター1体を融合召喚するわ！墓地の3体のブラックアイズを除外して融合！

――――“闇に渦巻く人類の技術よ！最高位の技術と異界の力を糧に――――


――――あらゆる障害を破壊尽くし、驚異をなくしなさい！”――――


――――融合召喚！！――――


――――《暗機帝竜ブラックアイズ・プライム・メカドラゴン》！！――――


再び現れたのはさらに巨大化した機械のドラゴン。海理を見つめ、電撃ブレスを吐く。
海理　LP8000→2000

「……っ！？」
「さすがのプロでもこれはキツいかしら？」

暗機帝竜ブラックアイズ・プライム・メカドラゴン／Original Card
☆12/闇属性/機械族／融合／効果　ATK4500／DEF2500
「ブラックアイズ」モンスター×３
①：このカードが融合召喚に成功した時、相手に６０００のダメージを与える。
②：融合召喚されたこのカードはこのターン攻撃できない。
③：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、自分は破壊したモンスターのレベル分だけカードをドローする。

「融合召喚されたこのカードはこのターンは攻撃できない。ターンエンドよ」
あっけなくライフを大きく削られてしまった海理は、次のターンに引かれるカードに全てを賭けることにしたのであった。

「エンドフェイズ時に除外された星聖龍が場に戻って来ます。私のターン…ドロー！」
海理
手札4→5

「…」
「どうしたの？良いカードは引けたかしら？」
「…」
引いたカードを確認し、沈黙する。数秒後、海理の表情が変わり、これで勝ちと言わんばかりの笑みを浮かべた。

「これで…勝ちました！」
「え――――」
「魔法カード『白眼共振』を発動！」

白眼共振／Original Card
通常魔法
墓地から「ホワイトアイズ」モンスターを２体を選択し、自分フィールドに表側守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターのレベルは０になり、エンドフェイズ時に破壊される。

「…！」
「このモンスターで沈めて見せます！3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！！

――――“異界の宇宙に存在する白眼の龍よ！異界の常識を変えるため――――


――――今この地へと降り立ち、世界に大きな変革を与えん！”――――


――――エクシーズ召喚！！――――


――――《魔王真竜ホワイトアイズ》！！――――



突如、フィールドの電気が落ち、暗くなる。辺りはパニックになるが数秒で電気が戻り、観客は海理のフィールドに目を通す。
その時だった。

「何だ！？あの竜は…！？」
（姉さん…まさか俺と同じ【魔王真竜】を…！！）

「何…！？そのドラゴン…！すごい威圧を感じるわ！！」
「…」
――――我は…魔王創神竜の分身、魔王真竜ホワイトアイズ！

――――我は汝の心の海に宿る賊精霊、今この場にて降臨した。


海理の前に出てきたのはランクのないドラゴン族エクシーズモンスターだった。

魔王真竜ホワイトアイズ／Original Card
ランク0/光属性/ドラゴン族／エクシーズ／効果　ATK0／DEF0
レベル0モンスター×３体
Ｘ召喚されたこのカードが自分フィールドに存在する限り、相手はこのカードにしか攻撃できない。またこのカード名の効果は他のカード効果を無視して適用する（効果を受けないと記されたカード効果も無視する）。
①：このカードの攻撃宣言時、または攻撃対象にされた時、このカードの攻撃力、守備力はお互いの墓地、除外されているカード１枚につき１０００となる。
②：１ターンに１度、このカードのＸ素材を１つ取り除いて発動できる。相手フィールド上のカードを全て除外する。
③：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊する度、相手はデッキの上からカードを５枚めくり、その中にモンスターがあれば、めくったカードを全て除外する。




♢



☆ちょっとしたおまけ

魔王真竜とは
海理と陸也の心に宿る《魔王創神竜》が生み出したドラゴン。（詳しくは家系図をご覧下さい）
賊精霊の中では上位種で圧倒的な力を誇る。
元々は多く存在していたのだが四天竜にほとんど倒されており、残っているのはたったの2体のみらしい。