50話：速さを求めるもの　作：ヒラーズ

あれから3日後、雷魔が店にいる生活に慣れてきてきた頃合い。
海理は自分で作っておいたＤホイールに跨がり、店に行く。
陸也は一足先に店に向かってしまったため、一人でアカデミアから店に向かう形となっていた。

加速する音が響く、エンジンは海馬コーポレーション製のものになっており、多少無理をしても大丈夫なようになっている。
だが無理もせず、十分とした速度で走っている……辺りには車や新種のＤホイールが走り、疾走感ある世界へとめり込んでいた。
海理は少しながら笑う。速さの世界にめり込むのも悪い話ではない、と。

その時だった。

「ん？何か向かってきてる？」

海理は後ろを見る。
そこにはモンスターに乗った少女がいた。
蒼みがかかった銀髪ポニテのショート。
加速するモンスターに乗っているためなのか、ゴーグルをつけている。

「そこの珍しいものに乗ったお姉さん！随分と疾いね」

少女は海理の横に来て喋り始める。
そして堂々と名乗り始めた。

「あたしは「白鳥ツバメ」、お姉さんは？」
「白皇 海理です」
「海理さん、だね。うん、覚えておく！」

自分の何に興味があったんだろう。
それだけが頭に過ぎり、頭上に？を浮かばせる。

「それにして疾いね。ま、あたしの鳥ちゃんたちの方が疾いけどね」
「･･･」
「納得いかないの？」
「私は別にスピード勝負をするために走っている訳では…」

海理は苦笑いしながらカーブを曲がる。
しかしそれとは別にツバメの乗っているモンスターはＤホイールと同じ速度で走っている。
明らかにおかしい･･･そう思った時、ツバメが言った。

「じゃあ、スピード勝負しながらデュエルをしない？」
「別に構いませんが･･･」
「じゃあ決まり！！」

そう言ってツバメが乗っているモンスターが速度を上げ、海理のＤホイールを追い抜かす。
レース感覚で走っている訳ではないが、紛れもなくあのモンスターはただのモンスターではない。
海理はデュエルディスクをＤホイールにセットする。
そして言い放つ。

「ライディングデュエル！」
「あくせられーしょん！！」
（今の言い方ちょっと可愛かった･･･！）

『HEAVENOrHELL…DUEL2…LetsLOCK！！』ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ！

このライディングデュエルのルールはリミットブレイクルールを兼ね備えているルールのため色々と変更されている。
1：先攻は攻撃できず、先攻ドロー有り。
2：ペンデュラムゾーンはメインモンスターゾーンの左右に設置、及びEXモンスターゾーンも設置されるが、リンクモンスターしか置けない。それ以外のEXデッキのモンスターは全てメインモンスターゾーンに特殊召喚される。
3：スピードスペルを廃止、スピードワールドも効果が変わっている。

スピードワールド・β／Original Card
このカードは効果を受けない。お互いのドローフェイズ時、そのターンプレイヤーにスピードカウンターを３つ乗せる（最大９つまで）。１ターンに１度、自分に乗っているスピードカウンターを任意の数分取り除いて以下の効果を適用する。
２つ：デッキからカードを２枚ドローし、そのうちの１枚をデッキに戻し、シャッフルする。
４つ：フィールド上に存在するカード１枚を手札に戻す。
６つ：相手に１５００のダメージを与える。
９つ：お互いのプレイヤーは手札が６枚になるようにデッキからカードを引く。

以上がルールである。
このルールもこの世界定番のルールのため、これを採用するデュエリストも少なくはない。



※延長修正する可能性があります。