53話：白眼と燕の決着　作：ヒラーズ

「コスモ・フォース？」
「宇宙の力ってことなのだ！」

ＳＳ－コスモ・フォーススラッシュ／Original Card
☆11/風属性/鳥獣族／アクセル／効果　ATK0／DEF0
【Ａ条件】
相手が「ＳＳ」モンスターを戦闘・効果で破壊して３０００以上の戦闘ダメージを与えた時、その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。その後、ＥＸデッキからこのカードをＡ召喚する。
【モンスター効果】
このカードはフィールド・墓地に存在する限り、ルール上「ＳＳ」Ｓモンスターとしても扱う。
①：このカードが「ＬＵＳ」カードの効果で墓地に送られる。また除外された次の自分のドローフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。
②：１ターンに１度、デッキの上からカードを２枚墓地に送って発動できる。このターン終了時までこのカードの攻撃力、守備力は５０００となる。
③：このカードが鳥獣族以外の種族を持つモンスターを戦闘で破壊した時、デッキ・墓地のどちらかから「ＬＵＳ」カード１枚を手札に加える。
④：このカードは相手の効果の対象にされず、効果では破壊されない

「何ですかこれ…強すぎるんですが……」
「こんなのはまだ序の口だよ！」

いきなりレベルが11となるモンスターがアクセル召喚された事により強制的にメインフェイズ2に移る。
海理の手札は0、補充するための伏せはない。
極限状態になった状況、海理はターンを終わらせる。

「ターンエンド……」
（やられました…これはすごい逆転です）

「あたしのターン！」
ツバメ
手札1→2
スピードカウンター6→9

「これでとどめなのだ！魔法カード『ＬＵＳ－スワローズレイズ』！」

ＬＵＳ－スワローズレイズ／Original Card
速攻魔法
自分フィールドの「ＳＳ」Ｓモンスター１体を対象にして発動できる。そのモンスターをリリースし、レベルが１つ高い「ＳＳ」ＳモンスターをＳ召喚する。この効果でＳ召喚されたモンスターはターン終了時まで戦闘・効果で破壊されない。

「！？」
「コスモ・フォースはこのカードの効果で墓地に送られても次のターンに戻ってくるためコスモ・フォースをリリース！レベルアップシンクロ！

――――“神速なるものが光速に変化を遂げ、今こそ銀河を飛び回る鳥――――


――――彗星に変わり、あらゆる外敵に鉄槌を下す！！”――――


――――シンクロ召喚！！――――


――――あたしのエース！《ＳＳ－コメットスラッシュ》！！――――

突然空から流星のようなものが降ってくる。
しかし地面に着く前に方向を変え、ツバメの近くに飛ぶ。

ＳＳ－コメットスラッシュ／Original Card
☆12/風属性/鳥獣族／シンクロ／効果　ATK3200／DEF2500
「ＳＳ」チューナー１体＋「ＳＳ」Ｓモンスター１体
①：このカードは相手のカードの効果を受けず、相手はこのカードをリリースできない。
②：自分の墓地の「ＳＳ」カードまたは「ＬＵＳ」魔法カードを５枚対象にして発動できる。そのカードを全てデッキに戻し、相手フィールドのカード１枚をデッキに戻す。
③：１ターンに１度、デッキから「ＳＳ」カードまたは「ＬＵＳ」魔法カードを１枚墓地に送ることで発動できる。このターン、このカードは１度のバトルフェイズで２回攻撃できる。

「レベル…12！？」
「すごいでしょ？無論、効果を発動！②の効果で5枚のカードを戻して幻龍をデッキに戻し、１ターンに１度、デッキからＳＳカードを墓地に捨て、このカードはこのターン中、2回攻撃できるのだ！！《コメット・THE・エッジ》！！」

2回攻撃が海理のモンスターを襲い、戦闘ダメージが入る。
海理　LP4400→4200→1000

「くっ…！」
（何とか耐えた…けど、この状況はまずい…っ！）

「次のターンであたしの勝ちなのだ！ターンエンド！」
「私のターン！」
海理
手札0→1

「……カードを1枚伏せてターンエンド」
手札が悪い、その事であきらめを語りかける。
しかし、海理のEXデッキから心臓の鼓動のような音が響く―――まるでタイミングを待ってるかのように…。

「あたしのターン！そしてコスモ・フォースが戻ってくる！！」
ツバメ
手札2→3
ＳＳ－コスモ・フォーススラッシュ　ATK0　☆11

「とどめ！コスモの効果でデッキの上からカードを2枚墓地に送り、攻撃力を5000に引き上げる！そして攻撃！！」

伏せカードは罠でもトークンを生み出す罠『ナイトメア・デーモンズ』、何も出来ない以上、海理は負けを認め始める…その時だった。

――――海理。
（！……誰！？）
――――契りを忘れたのかしら？

突如脳内に女性の声が響く、不思議な事に頭が痛くならない。
海理はそのまま聞き続けた。

――――契りはすなわち、あなたのさらなる力。どんな難局を覆す救世。
――――人を救い、絆を築き、出来た契約者の心の化身、思いの具現。
（……契約者…陸也のこと？）
――――思い出しなさい。あなたはこのカードで難局を覆せる事を…。

コスモ・フォーススラッシュの攻撃が迫り来る時、海理の頭上から、1枚のカードが出現する。
出てきたのはタロットカードの1枚、【刑死者】のアルカナ。
そのカードが海理のEXデッキに入り、光る。

「！？」
「えっ！？何…！」

光り始めたとたん、コメットとコスモ・フォースが動きを止めた。
ツバメは何が起きたかは理解できず、慌てふためく。

「なっ…何が起きたの！？」
「……アクセル条件…達成！」
「アクセルモンスター！？」

海理は光輝くカードを手に取り、空に掲げる。

「相手のモンスターの直接攻撃宣言時、その攻撃を無効にして表示形式を変更する！そしてEXデッキからこのカードをＡ召喚します！

――――“アクセルゲート、フルオープン！心の力で新たな風を生み出す――――


――――さらなる力『刑死者』よ！今こそ難局を覆す旗を掲げよ！！”――――


――――アクセル召喚！！――――


――――レベル10！《白眼の神速竜姫》！！――――


海理の前に現れたのは腰まで伸びた白髪ロングの白い眼を持つ女性のようなモンスター。
龍の翼を生やし、白い鎧を着て、持っている武器は何故か電磁のハンマーだった。

白眼の神速竜姫（ホワイトアイズ・アクセルドラゴンプリンセス）／Original Card
☆10/光属性/ドラゴン族／アクセル／効果　ATK3500／DEF3500
【Ａ条件】
相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃を無効にし、表示形式を変更する。その後、ＥＸデッキからこのカードをＡ召喚する。
【モンスター効果】
このカードは相手の効果を受けず、リリースできない。
①：このカードがＡ召喚に成功した時、相手フィールド上に存在する全てのモンスターの攻撃力、守備力はこのカードのレベル×５００ダウンする。
②：１ターンに１度、自分の墓地に存在する「ホワイトアイズ」モンスター１体を選択し、そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は１０００アップし、戦闘では破壊されない。
③：このカードが存在する限り、自分フィールド上のこのカード以外のモンスターの攻撃力、守備力はこのカードのレベル×４００アップする。また相手はバトルフェイズ中このカードを攻撃しなければならない。
④：１０００ＬＰ払って発動できる。相手フィールド上のカードを全て除外する。

「何…このモンスター…強い！」

現れたとたん、ツバメのモンスターが急に気分を悪くしたかのように速度を減速させて飛ぶ。
レベル分のダウン、5000も下げられ、攻撃力が0になったのだった。

「攻撃力が0なら攻撃…でも効果で攻撃しないといけない！」
「返り討ちにしなさい！Dimension・Power・Hammer（ディメンション・パワー・ハンマー）！！」

巨大な電磁ハンマーでコメットが押しつぶされ、破壊される。
ツバメ　LP500→－3000

「きゃああ！！」

WINS
海理

Lose…
ツバメ












ちょっとしたおまけ③

新たな力とコスモの効果の説明。
コスモの効果
アニメ版のオベリスクまでとは言いませんが、5000アップの効果を持つ超人効果。効果に対する耐性を持ち、レベルアップシンクロで墓地に逝っても次の自分のドローフェイズ時に戻ってくるアクセルとなりました。

『刑死者』のカード
海理と陸也の絆のカードで在り、陸也の心の化身。
効果は味方の攻守を引き上げ、出したとたん攻守を下げる効果を持つ。
賊霊でもあるのか、ぶっ壊れである。

ツバメの暗示の結果。
作者が考え抜いた結果、ツバメの暗示は【世界】になりました。
これから絆を深めたらどんなカードが出るんだろう。
そう考えてしまいます（喜び）。

海理「良かったですね」
ツバメ「えへへっ…【世界】、つまり」
海理「時は止めれませんよ？」
ツバメ「えー…」

ちょっとしたおまけ③　了？