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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第12話:雷の城塞

第12話:雷の城塞 作:

灯がダニエラとのデュエルに勝利し、
ここドミノタウンでNextとUnchained Hound Dogsの対立が始まってから数日後。
Nextの事務所にはある1人の依頼者が来訪していた。


秋山「お願いします!私の生徒を不良グループから守りたいんです!」

秋山と名乗る20代後半ほどの黒髪ロングの女性は、熱を込めて言葉を発する。
社会人らしいフォーマルな格好をしている。

イーサン「まずは状況を整理させてください。
秋山さんはドミノタウン学園中等部の教師をやられていて、
受け持つクラスの中に不登校になってしまった生徒がいると」

秋山「はい。1か月前ぐらいから学校に来なくなってしまった子がいて。
何度も家庭訪問を行ったのですが、肝心の本人が全然顔を見せてくれなくて…。
親御さんに話を聞くと、どうやらこの街で最近噂になってる不良チームとつるんでいると…」

遊次「それ!そのチーム!なんとかかんとかホットドッグって名前じゃありませんでした?」

秋山「ホットドッグ…はい、ハッキリとは覚えていませんがそのような名前です」

遊次「やっぱりな…あいつら、最近、また更に勢いを増してやがる。
まだ俺らは直接的な被害は見てねえけど、噂はやたらと耳にするぜ」

灯「そもそも、なんでその子は不登校になってしまったんですか?」

灯が問いかけると、依頼人の秋山は少しばつが悪そうな顔をする。

秋山「…はっきりとはわかりません。本人からは何も聞いていないので…。
ただ、親御さんが言うには学校がイヤになってしまったのだと」

灯「何があったかは本人から聞かないとわからない、ということでしょうか?」

秋山「はい。私は本人から話を聞くためにその不良グループの溜まり場に足を運びました。
最初は見つけられませんでしたが、何度か通ううちに見つけたんです。
見つけた時は他人の家の壁にスプレーで落書きをしていて…」

イーサン「…わかりやすくグレてますね」

秋山「えぇ…。学校にいる時は全くそんなことをするような子じゃなかったんです!
だから聞こうと思ったんです。
なぜ学校に来なくなったのか、なぜ悪いことに手を染めたのか…。
そしたらその子を庇うように、そのチームの…高校生ぐらいの歳の男の子が出てきて」

灯「それって…」

恐らくUnchained Hound Dogsのリーダー格の内、怜央かドモンのどちらかだろう。

秋山「その高校生ぐらいの男の子に、デュエルで勝てたらこの子を学校に帰すって言われて…」

秋山「ただし負けたら二度とその生徒を学校に戻そうとするなという条件を付けられてしまいました。
でも、担任としてはこのチャンスを逃すわけにはいきません。
デュエルを受けなければ話も聞けなさそうでしたから、
私、あんまりデュエルは強くないけど勝負を受けるしかありませんでした」

遊次「…デュエルの結果は敗北ってことですよね。ウチに来てるってことは」

秋山「はい…。あっけなく負けてしまいました。
オースデュエルですから、契約上、あの子に関わることができなくなってしまって…。
あんな勝負受けてしまったのがいけなかったのでしょうか…。
私もうどうしたらいいか…っ!」

秋山は目に涙を浮かべて訴える。
遊次たちの拳に力が入る。

秋山「学校に来なくなった理由もわからない…。
その上悪いことばかりに手を染めて…。これ以上黙ってることなんてできないんです!
Nextさんはその不良チームの一員を倒したとお話を聞きました。
だからご依頼をさせて頂いたのです。頼れるのはもうNextさんしかいないと…」

遊次「えぇ、うちの灯がそりゃもうコテンパンにしましたよ!
任せておいてください!」

遊次は灯がダニエラに勝利した功績をここぞとばかりに誇る。

イーサン「秋山さん、依頼は引き受けさせて頂きます。
依頼内容は不登校になってしまった生徒をその不良チームと関わらせないこと、ですね?」

秋山「…それと、学校に来なくなった理由も教えてほしくて…。
無理やり学校に来させたいわけじゃないんです。
とにかく話を聞きたい…ただそれだけなんです」

イーサン「承知しました。
こちらはその不良チームと交渉し、その生徒を関わらせないよう要求します。
恐らく向こうも我々が今後チームに関わらないよう要求したいはずだ、
オースデュエルの成立は間違いないと思います」

秋山「本当ですか…ありがとうございます…!」

灯「ちなみに、秋山先生がデュエルをした相手ってどんな人でした?」

秋山「金髪で迷彩服の男の子です。けっこうガタイがよくて…」

遊次「あぁーあいつか…。ダニエラとマフラー野郎と一緒にいた…
名前なんつったっけなぁ…」

灯「確か、ドモンじゃなかったかな」

遊次「そうそう、そんな感じの!」

イーサン「その生徒の名前は?」

秋山「トーマスって言います。トーマス=ミラー。男の子です。
写真もありますよ」

秋山はスマートフォンからトーマスの写真を見せる。
赤いニット帽をかぶった少年だ。

イーサン「なるほど、了解しました。」

イーサン「しかし…こんなに熱心な先生でさえもデュエルで黙らせているのかあいつらは…」

灯「しかも子供の悪事も見て見ぬふり…ありえないよ、ほんと」

遊次「なんであいつらは子供が正しい道から外れることを止めてやらねえんだ…。
貧しい子供達のためみたいなフリして、全然子供たちのためになんかなってねえ!
ただの自己満足の不良ごっこだ。未来のことなんざなんも考えてねえ」

遊次は行き場のない怒りに苛まれる。

イーサン「遊次、今回は俺に任せてくれないか?
遊次と灯は今、他の依頼もあるだろう。
それに、ドモンとかいうあの金髪の男…あいつには因縁があるんだ」

遊次「因縁?」

イーサン「…あいつは俺のことをオッサン呼ばわりしやがったんだ!
絶対許さん!俺はまだオッサンではない!」

遊次「いや、そこは割とオッサンなんじゃ…」

イーサン「いや、まだギリギリオッサンじゃない!」

遊次「わかったわかった…!イーサンはまだピチピチだ!」

イーサン「そうだよな!?間違ってるのはアイツだよな!?」

灯「う、うんうん!若すぎてまだ小学生ぐらいにしか見えないよ!?」

イーサン「…それは幼すぎだろ…。
そんなわかりやすい嘘つかなきゃいけない程、もう擁護の余地がないってことか?
悲しいよ、俺は…」

遊次「(めんどくさ、このオッサン…)」


イーサン「とにかく、このヤマは俺が担当する。
秋山さん、ドモンとデュエルしたのはどのあたりでしたか?」

秋山「えっと…繁華街から工場街のあたりの裏路地で…。
地図でいうとこのあたりです」

秋山が地図で場所を指し示す。

イーサン「了解。じゃあ俺はこの辺りを探すよ。何かあったら連絡する」

遊次「あぁ!俺の方ももうすぐ自分の依頼が片付くから、終わったらそっちも手伝うぜ」

灯「私も!」

イーサン「あぁ、ありがとう。秋山さんにも、何か動きがあったら連絡しますので」

秋山「はい!本当にありがとうございます…!」




~~~~~ドミノタウン 工場街近辺~~~~~

イーサンは依頼人の秋山がドモンとデュエルをしたという工場街へ来ていた。
あちこちの壁にはスプレーで描かれたグラフィティーがあり、
中高生ほどの、いかにも不良というような顔ぶれがたむろしている。

イーサン「(トーマス君は見当たらないな…)」

イーサンは辺りにたむろしていた3人組の中学生ぐらいの不良に声をかける。

イーサン「君たち、トーマス君っていう子見てないかな?
こういう子なんだけど」

イーサンはスマートフォンからトーマスの写真を見せる。

不良1「…あぁ?なんだオッサン」

イーサン「……」

不良2「ていうか、あんたどっかで見たことある気がするんだよなぁ」

不良3「あれ、こいつ、怜央さんとかドモンさんが言ってたアイツらじゃね?」

不良1「あぁ、なんでも屋とかいう!」

不良達は立ち上がりイーサンに向かう。

不良1「おい、あんたら兄貴達の敵だろ。そんな奴に教えることはねえよ」

イーサン「うーん困ったな…。やっぱりマークされてたか…」

不良2「こんなとこまでノコノコやってきやがって、逃がさねえぞ!」

不良3「兄貴達が出るまでもねえ!俺らでやってやるよ!」

不良3人がデュエルディスクを取り出す。


イーサン「やれやれ…まぁいいだろう。君たち、3人でかかってきな。
俺が負けたら君たちのことを嗅ぎまわるのもやめる。それでいいだろう?」

不良1「いい度胸じゃねえかオッサン!」

イーサン「その代わり、君たちが負けたらトーマス君に関する情報と、
ドモンに関する情報も全て吐いてもらう」

不良3「なんだと、ドモンの兄貴にも絡もうとしてやがんのか!」

イーサン「君たちが勝てば問題ないだろう?
あれ、3 vs 1なのに自信がない感じ?」

不良2「ふざけんじゃねえ!やってやるよ!」

イーサン「言ったね。オースデュエル開始だ」






不良1「な、なんだこいつ…つええ…」
不良2「3人相手に一瞬で…」
不良3「俺らのデッキが回れば回るほど力をつけていきやがる…」

イーサンは不良3人を相手にいとも容易く勝利をもぎ取った。

イーサン「さあ、約束どおりトーマス君とドモンの居場所を吐いてもらう」





~~~~~ドミノタウン 学園通り~~~~~

学生達で賑わうドミノタウンの学園通りから少し離れた裏路地。


「ぐあああああ!!!」

若い成人男性が吹き飛ばされる。

ドモン「…てめえら、しつけえんだよ。いつまでガキ共に付きまといやがる」

デュエルディスクを構えたドモンは男性に吐き捨てる。

「ぐ…ううぅ…。」

男性が立ち上がる。

「僕たちはトーマス君と1度話がしたいだけだ…」

ドモン「お前らと話すことなんか何もねえよ。なぁ?トーマス」

トーマス「僕は学校なんてもう行かない!あんな場所もう絶対…」

ドモン「だってよ。契約通り二度と関わるんじゃねえぞ。
そもそもこの事態を招いたのもてめえら大人共のせいだろうが」

ドモンとトーマスはその場から立ち去ろうとする。

ドモン「…ん?お前は…」

目の前から長身の1人の男が歩いてくる。
その後ろには黒髪の女性もいる。

ドモン「なんでも屋のオッサンじゃねえか。
それにクソ先公までいやがるぜ!どういう風の吹き回しだ!」

ドモンとトーマスの居場所が掴めたため、イーサンは秋山に連絡していた。

イーサン「担任の先生…彼女から依頼があったんだ。
トーマス君をお前らと関わらないようにしてくれと」

秋山「トーマス君。お願い、1度だけでいいから話をさせてほしいの!」

トーマス「先生…!だから言ったでしょ!何も話すことはない!
もう学校になんか行かないし、先生にも会うことはないんだ!」

ドモン「チッ…どんだけ必死なんだお前ら。イライラするぜ…!」

ドモン「俺らと関わらないようにしろ?トーマスが選んだ道だろうが!
俺らはトーマスに何も危害は加えてねえし、むしろ守ってやってる。何が不満だ?」

イーサン「真面目だったトーマス君が不登校になって以来、
人の家の壁に落書きをしたり、どんどん道を踏み外してる。
トーマス君の将来を考えれば、それを止めるのが大人の役目ってもんだ」

ドモン「道を踏み外しただぁ?勝手にお前らが道を引いただけだろうが。
その道を歩いててもトーマスはクソみたいな目にあったから、俺らと一緒にいる。
踏み外さなきゃいけなくなったのはお前ら大人のせいだろ!」

秋山「…何があったの?トーマス君。せめてそれだけは教えて!」

ドモン「ケッ、話にならねえな。自分たちが原因を作ったことにまだ気づいてやがらねえ。
お前らが"手を差し伸べなかった"から、トーマスはお前らに見切りをつけたんだ。
それに、トーマスにだって話したくねえことはある。
それを無理にほじくり返してやる義理がねえ」

イーサン「もういい。お前らを説得する気なんかサラサラない。
ただ言う事を聞かせるだけだ」

イーサンはデュエルディスクを取り出す。

ドモン「ヘッ、いいぜ。結局デュエルで決着着けんのが一番早え」

ドモンもイーサンに応じてデュエルディスクを構える。

イーサン「こちらからの要求は、
お前達のチームがトーマス君と二度と関わらないことだ」

トーマス「そ、そんな…なんでそんなことお前が勝手に決めるんだ!」

ドモン「大丈夫さトーマス。俺が負けなけりゃいい話だ」

トーマス「ドモン…」

ドモン「いいぜオッサン。
ただしこっちが勝ったらお前らなんでも屋が二度と俺らに関わらねえことを誓え。
それならこっちもデュエルを受けるメリットがある」

イーサン「それともう一つ要求がある。
この学園通りエリアからはお前らチームは手を引け。
着実にお前達の活動範囲を収縮させる必要がある。
デカすぎる要求は聞かないだろうが、これくらいならまさか逃げないだろう?」

ドモン「ハッ!上等だ!ならこちらからも要求を追加する。
俺が勝ったら、トーマスの学校の連中も二度と俺らやガキ共に関わらないように、
お前らなんでも屋が学校と交渉しろ。これなら俺らの手間も相当省けるからな」

イーサン「…つまり、俺らNextが子供達の不登校を推進しろと?」

ドモン「そういうことになるなぁ。どうだ?やめるなら別に構わねえが?」

イーサン「…いいだろう。
さあ、オースデュエルを始めよう。秋山さん、下がっていてくれ」

契約の交渉はとんとん拍子に進む。
Next全体を巻き込んだ契約だが、すでに遊次が了承済であるためこのような条件が提示可能だ。
例えば企業の責任ある立場であれば、その企業全体を巻き込んだ契約も行うことができ、
社員1人1人に確認する必要性などはない。そこは融通が利くようにAIが判断している。


秋山「い、いいんですか、あんな条件…。
もし負けたら、学校ごと関われなくなってしまいます…!」

イーサン「…大丈夫ですよ。負けませんから」

秋山は不安げな表情でフィールドから離れる。
トーマスも同時にフィールドから離れ、デュエルを見守る態勢に入る。


デュエルディスクAI「オースデュエルの開始が宣言されました。内容確認中…」

プレイヤー1:イーサン=レイノルズ
条件①Unchained Hound Dogsはトーマス=ミラーと今後一切の関与を禁ずる
条件②Unchained Hound Dogsはドミノタウン学園通りエリアでの組織活動を禁ずる

プレイヤー2:ドモン=ハルク
条件①NextはUnchained Hound Dogsと今後一切の関与を禁ずる
条件②Nextはドミノタウン学園に対して、Unchained Hound Dogsおよびそれに属する児童へ関与しないよう交渉すること


デュエルディスクAI「契約内容を承認します。
デュエルの敗者は、勝者が提示した契約を履行する事が義務付けられます。」

オースデュエルが承認された。

イーサン・ドモン「デュエル!」

先行はイーサンだ。


イーサン「俺のターン。フィールド魔法『ヴォルタンク・カレントコレクター』を発動」


■ヴォルタンク・カレントコレクター
 フィールド魔法
 このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
 お互いのデッキがシャッフルされる度に、このカードに雷カウンターを1つ置く。
 (2):自分フィールドの「ヴォルタンク」モンスターの攻撃力は、
 フィールドの雷カウンターの数×300アップする。
 (3):自分フィールドの「ヴォルタンク」モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、
 代わりにこのカードの雷カウンターを1つ取り除く事ができる。


イーサンを囲うように、フィールドに無数のアンテナが現れる。

イーサン「更に手札から『ヴォルタンク・エンジン』を召喚」


■ヴォルタンク・エンジン
 効果モンスター
 レベル4/光/雷/攻撃力1800
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
 お互いのデッキがシャッフルされる度に、このカードに雷カウンターを1つ置く。
 (2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
 デッキから「ヴォルタンク・エンジン」以外の「ヴォルタンク」モンスター1体を手札に加える。


フィールドに、青いボディのエンジン型のモンスターが現れた。


イーサン「『ヴォルタンク・エンジン』の効果発動。
デッキからこいつ以外の『ヴォルタンク』モンスターを手札に加える。
俺はデッキから『ヴォルタンク・モーター』を手札に加える」

イーサンはデッキからカードを1枚手札に加える。
その後、デュエルディスクによって自動的にデッキがシャッフルされる。

イーサン「今、デッキからカードを手札に加えたことで、俺のデッキはシャッフルされた。
この時、フィールド魔法『ヴォルタンク・カレントコレクター』と、
モンスター『ヴォルタンク・エンジン』に雷カウンターが1つずつ乗る」

フィールドを囲むアンテナの一つとヴォルタンク・エンジンに雷が落ちる。
その後、雷が落ちたアンテナは帯電し、光を纏う。

ヴォルタンク・エンジンの頭上にも光が1つ灯っている。


ドモン「あ…?カウンター…?」

イーサン「俺のデッキ『ヴォルタンク』は、
俺とお前のデッキがシャッフルされた時に、雷カウンターを置くテーマだ。
フィールド魔法とモンスター、それぞれの効果で自身に雷カウンターを乗せ、
現在フィールドには雷カウンターが2つ存在している」

ドモン「ほぉ…カウンターねぇ…」


イーサン「更に、手札の『ヴォルタンク・モーター』は、
場にヴォルタンクモンスターがいる時に手札から特殊召喚できる」


■ヴォルタンク・モーター
 効果モンスター
 レベル2/光/雷/攻撃力1100
 このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
 お互いのデッキがシャッフルされる度に、このカードに雷カウンターを1つ置く。
 (2):自分フィールドに「ヴォルタンク」モンスターが存在する場合、
 このカードは手札から特殊召喚できる。
 (3):フィールドの雷カウンターを2つ取り除いて発動できる。
 「ヴォルタンク・モーター」以外の「ヴォルタンク」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。


イーサン「『ヴォルタンク・モーター』の効果発動。
場の雷カウンターを2つ取り除くことで、デッキから『ヴォルタンク』を特殊召喚できる。
『ヴォルタンク・アーム』をデッキから特殊召喚する」


■ヴォルタンク・アーム
 効果モンスター
 レベル3/光/雷/攻撃力1300
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
 お互いのデッキがシャッフルされる度に、このカードに雷カウンターを1つ置く。
 (2):フィールドのカード1枚を選択して発動できる。
 フィールドの雷カウンターを全て取り除き、
 取り除いた分だけ選択したカードに雷カウンターを乗せる。


イーサン「デッキから特殊召喚したことで、俺のデッキはシャッフルされた。
よってモンスターゾーンのエンジン、モーター、アームと、
フィールド魔法に雷カウンターが乗る。よってフィールドの雷カウンターは4つとなる」


イーサン「更にアームの効果を発動。
フィールドの雷カウンターを1枚のカードに集約することができる。
俺はフィールド魔法『ヴォルタンク・カレントコレクター』に雷カウンターを集約させる」


ヴォルタンク・アームの腕の接合部が上に伸び、腕を伸ばした状態となる。
U字型のアームの先に、フィールドの全ての雷カウンターが集約される。
その後、雷カウンターが解き放たれ、フィールドのアンテナに雷が落ちる。


イーサン「カウンターを移動したのは、モンスターにカウンターが乗ったままだと
カウンターが無駄になってしまうからだ」

ドモン「無駄?どういうことだ」

イーサン「すぐにわかるさ。
俺は『ヴォルタンク・アーム』と『ヴォルタンク・モーター』をリンクマーカーにセット!
サーキッドコンバイン!」

ドモン「リンク召喚…!」

フィールドにサーキッドが現れ、2体のモンスターがその中へと飛び込んでいく。

イーサン「光より現れし摩天、集いし雷は更なる牙城を呼び起こす。
リンク召喚!『ヴォルタンク・ライトニングロッド』!」


■ヴォルタンク・ライトニングロッド
 リンクモンスター
 リンク2/光/雷/攻1800
 【リンクマーカー:下/左】
 雷族モンスター2体
 このカード名の(2)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いのデッキがシャッフルされる度に、
 このカードおよびこのカードのリンク先のモンスターに雷カウンターを1つ置く。
 (2):このカードがリンク素材として墓地に送られた場合、
 墓地の「ヴォルタンク」モンスター1体を対象として発動できる。
 そのカードをデッキに戻し、カードを1枚ドローする。
 (3):フィールドの雷カウンターを2つ取り除き、
 フィールドのカード1枚を対象として発動する。
 そのカードを破壊する。


サーキットから光の柱が上へと伸び、その中からは天へと高く聳え立つ一本の柱のようなモンスターが現れる。
青いボディと、飛び出た大きないくつものネジが特徴的だ。


イーサン「だがこれじゃ終わらないさ。
更に、ライトニングロッドとエンジンをリンクマーカーにセット!サーキッドコンバイン!」

ドモン「ほぉ、連続でリンク召喚か…」

イーサン「召喚条件は雷族モンスター2体以上…
LINK2のライトニングロッドは2体分の素材として扱える!」

再びサーキッドがフィールドに広がる。
ヴォルタンクエンジンと、ライトニングロッドおよびその分身がリンクマーカーに入っていく。


イーサン「顕現せし強固なる城塞、今ここに天をも穿つ雷鳴を轟かせよ!
リンク召喚!『ヴォルタンク・スパークキャッスル』!」


■ヴォルタンク・スパークキャッスル
 リンクモンスター
 リンク3/光/雷/攻2300
 【リンクマーカー:右/左/下】
 雷族モンスター2体以上
 このカード名の(2)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いのデッキがシャッフルされる度に、
 このカードおよびこのカードのリンク先のモンスターに雷カウンターを1つ置く。
 (2):相手モンスターが効果を発動した場合、
 フィールドの雷カウンターを3つ取り除いて発動する。その発動を無効にして破壊する。
 (3):フィールドの雷カウンターを2つ取り除き、墓地の「ヴォルタンク」モンスター1体を選択して発動できる。
 そのモンスターをこのカードのリンク先に特殊召喚する。


光とともに現れたのは蒼き巨大な城。
両端には巨大なネジが突き刺さっており、天守の部分は避雷針となっている。

ドモン「こいつ…でけぇ…!」


イーサン「この時、リンク素材となった『ヴォルタンク・ライトニングロッド』の効果発動!
リンク素材となった時、墓地のヴォルタンク1体をデッキに戻し、1枚ドローできる。
墓地の『ヴォルタンク・アーム』をデッキに戻し、1枚ドローする」

イーサン「そして墓地からカードをデッキに戻したことでシャッフルが発生し、
スパークキャッスルとフィールド魔法『ヴォルタンク・カレントコレクター』に
雷カウンターが1つずつ乗る」


イーサン「さあ、一先ずは完成といったところか。
フィールド魔法『ヴォルタンク・カレントコレクター』の効果により、
フィールドの雷カウンター×300ポイント、ヴォルタンクの攻撃力が上がる。
雷カウンターは6つあるため、攻撃力は4100となる」


ドモン「さらにフィールド魔法の効果で、雷カウンターを取り除き1度は破壊を免れることができ、
スパークキャッスルは1ターンに1度相手のモンスターの効果を無効にして破壊できる…」

イーサン「ご名答さ。良い盤面把握能力だ。
俺はカードを1枚セットしてターンエンド」


イーサン「これがNext最年長の意地さ。
さあ、この牙城を崩してみたまえ、"若造くん"」

ドモン「くっ…!」


【イーサン】
LP8000 手札:3
魔法罠:2
フィールドの雷カウンター:6

・ヴォルタンク・スパークキャッスル ATK4100


【ドモン】
LP8000 手札:5
魔法罠:0


第12話 完
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
~あとがき~

イーサンのテーマ「ヴォルタンク」は雷族のリンクテーマです。
お互いのデッキがシャッフルされると雷カウンターを置き、
雷カウンターを取り除くことで効果を発揮します。
ほとんどのカードがサーチ・リクルートなど、デッキシャッフルを伴う効果を持っています。
リンク召喚する際、
リンク素材モンスターに乗ったカウンターが無駄にならないように立ち回るのが
プレイングのポイントといったところでしょうか。
わりと制圧系のテーマです。

カテゴリ名の由来は
電気的な意味のボルト「volt」+ネジ的な意味のボルト「bolt」+「tank」です。
リンク素材は機械の部品がモチーフで、
リンクモンスターは巨大で無機質な建造物のようなモンスターです。でも雷族。


灯もイーサンも初戦からけっこう大きめのデュエルになってしまっていて、
もう少しただの日常回はほしかったな…。
Unchained Hound Dogsとの戦いが終わったら少し日常編を挟みます。
その日常の間にも何かストーリー的に重要な要素も撒けたらいいけど。
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