交流(共通)

一言掲示板 管理人連絡掲示板 遊戯王雑談掲示板 雑談掲示板

メインメニュー

クリエイトメニュー

その他

遊戯王ランキング

注目カードランクング


カード種類 最強カードランキング


種族 最強モンスターランキング


属性 最強モンスターランキング


レベル別最強モンスターランキング


デッキランキング

HOME > 遊戯王SS一覧 > 第3話:相棒

第3話:相棒 作:

【ギロ】
LP5600 手札:2枚
伏せカード:0

■カウンタービースト・ライドライオ ATK:6400

【遊次】
LP8000 手札:3枚
伏せカード:1

■妖義賊 - 怪盗ルパン ATK2100
■処刑罪人 ディカピテ ATK2400


■カウンタービースト・ライドライオ
 効果モンスター
 /レベル8/光/獣族/攻撃力3000
 このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分フィールドのモンスターが相手の効果で破壊された場合に発動できる。
 このカードを手札から特殊召喚し、破壊された自分のモンスターの元々の攻撃力の合計分、
 このモンスターの攻撃力に加える。
 (2):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動する。
 このカードの攻撃力を1000ポイント下げ、そのモンスターを破壊する。
 
 

遊次の前の前には赤い装甲を纏った巨大な獅子が存在していた。
ギロが依頼人であるマイカから奪ったカードだ。


ギロ「あのガキからもらったカード、入れてみたがやっぱり役に立ったな!
ありがとよ、俺に"譲って"くれて!ハハハハ!」

ギロはマイカにニヒルな笑みを送る。
マイカは心底腹立たしい気持ちを抑え、ただ俯くほかなかった。


ギロ「でもまだ足りねえ。
俺が描く最終盤面にはピースが足りねえんだ。」


イーサン「あいつ、まだ何か…」
灯「遊次…」

盤面が一気に遊次不利に動いたことで、皆に再び不安が襲う。

ギロ「まず、いつまで俺のモンスターを我が物顔で使ってやがんだ?お前。
そろそろ返してもらうぞ!」

ギロは遊次のフィールドに存在する「処刑罪人 ディカピテ」を指差す。
遊次がギロのフィールドから奪ったモンスターだ。

ギロ「『カウンタービースト・ライドライオ』の効果発動!
1ターンに1度、攻撃力を1000下げることで相手のモンスター1体を破壊する!
破壊するのはディカピテだ!」

ライドライオの攻撃力が5400に下がり、咆哮と共に砲撃が撃ち込まれ、
遊次のフィールドのディカピテは破壊されてしまう。

ギロ「ディカピテが俺の墓地に送られたことで、準備は完了だ。
チビんじゃねえぞ、なんでも屋ぁ!」

遊次「チッ、これ以上動けんのかよ…。マジでやべえかもな…」

遊次はより一層身構える。

ギロ「俺は墓地の『善悪融合』を除外し、効果発動!
墓地の融合素材モンスターを除外することで、融合召喚を行うことができる!」


■善悪融合
 通常魔法
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分の手札・フィールドから、
 「処刑罪人」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
 その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
 (2):自分のターンにこのカードを墓地から除外して発動できる。
 墓地から「処刑罪人」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。


イーサン「墓地から融合だと!」

ギロ「俺は墓地の『処刑罪人 ディカピテ』『罪人 アーソン』『罪人 ビルク』を除外し、融合!」

ギロ「銃口の向く先はただ己が意思のままに。その悪意に呑まれし弾丸で敵を撃ち抜け!
融合召喚!現れよ!『処刑罪人 ショット・デッド』!」


■処刑罪人 ショット・デッド
 融合モンスター
 レベル8/闇/悪魔/攻撃力3000
 「処刑罪人」融合モンスター+「罪人」モンスター ×2
 このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードの攻撃力は自分の墓地の「罪人」モンスターの数×200ポイントアップする。
 (2):このカードは相手の効果では破壊されない。
 (3):手札を1枚捨て、相手フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを破壊し、相手に1000ポイントのダメージを相手に与える。
 この効果は相手ターンでも発動できる。


灯「何、あの不気味なモンスター…」

マイカ「知らない…俺がデュエルした時は使ってこなかった…!
というか、あいつが出るまでもなく俺は負けた…」

イーサン「あれがギロの真の切り札というわけか…」

そのモンスターは全身が銃口で覆われており、頭部が巨大な銃となっている悪魔の姿だ。
このモンスターを目の前にした恐怖は計り知れない。


遊次「本格的にまずいな、こりゃ…」

ギロ「このモンスターは墓地の罪人の数×200ポイント攻撃力を上げる。
墓地には罪人が2枚。よって攻撃力は3400となる!」

ギロ「さらに、手札を1枚捨て、効果発動!
相手のモンスターを破壊し、1000ポイントのダメージを与える!
お前の『妖義賊 - 怪盗ルパン』を破壊する!」

ギロが墓地に送ったのは、手札の攻撃力500の罪人モンスターだ。

イーサン「まずい!!ルパンが破壊される!」

トミー「そうなったら遊次さんのフィールドはがら空き…」

灯「ダイレクトアタックが全て通れば遊次の負け…」

ジリジリとにじり寄る敗北の足音。
遊次が負けたら、灯とイーサンはデッキを失い、マイカやボブのデッキも返ってこない。
現実感を帯びる敗北の予感に、冷や汗が止まらない。
1回のデュエルで多くを失う。
これがオースデュエル、契約の強制という恐怖だ。


遊次「……そうはいかねえ!罠カード発動!『妖義賊の羽衣』!
ルパンはこのターン、効果で破壊されない!」


■妖義賊の羽衣
 通常罠
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分フィールドの「妖義賊」モンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターはこのターン、相手の効果の対象にならず。相手の効果では破壊されない。
 (2):墓地のこのカードを除外し、
 墓地のレベル4以下の「妖義賊」モンスター1体を対象として発動できる。
 そのモンスターを特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。


ギロ「フン、小癪な手を!
先ほど手札から捨てたカードは罪人モンスターだ。
墓地に罪人モンスターが増えたことで、ショット・デッドの攻撃力は3600となる!」

ギロ「効果で破壊されなくても戦闘では破壊できるじゃねえか!
バトルだ!ショット・デッドで怪盗ルパンに攻撃!」

背中・胸・頭から撃ち放たれた無数の弾丸が、一斉にルパンに向かう。


遊次「ぐああああああ!!」
LP 8000 → 6500


ギロ「まだだ、お前の依頼人のカードによって苦しむがいい!
ライドライオでダイレクトアタック!」

ウウウオオオォオオオ…

ライドライオの口から放たれる衝撃波が、遊次を直接襲う。


遊次「ぐああああああ!!」
LP 6500 → 900

遊次の体は後方へ吹き飛ばされ、その肉体は地面へと投げ出された。


灯「遊次!!」

イーサン「まずい、このままじゃ…」

マイカ「俺のせいだ…。
俺が負けたからライドライオがあいつに奪われて…!
そのせいで灯さんとイーサンさんのデッキまで…!」

マイカ「クソ!!俺がもっと強ければ!!俺が負けなければ!!」
トミー「お兄ちゃん…」

マイカのエースカードが今、遊次を苦しめ、
灯やイーサンがデッキを失う事に直結する事態を招いている。
その事実に耐え切れず、マイカが目に涙を浮かべ、地面を殴りつける。


遊次「……マイカ。泣くんじゃねえ。」

遊次が立ち上がり、ふらふらの声をマイカに投げかける。

マイカ「遊次さん…」

遊次「まだデュエルは終わってねえだろ…。諦めるんじゃねえ…。
当の本人がまったくもって、1mmも諦めてねえんだからな!」

濁りのない真っ直ぐな目。
真に諦めという言葉を知らない男の目だった。

灯「遊次…そうよね、遊次がこんなところで負けるわけないよね」

イーサン「あぁ…。こんな逆境、あいつは今までもいくらでも覆してきてるさ」


ウウウオオオォオオオ…


遊次「それに、さっきからずっと聞こえてんだ」


ウウウオオオォオオオオオォ………

遊次「アイツの…ライドライオの声が…」

ギロ「ハッ!何言ってやがんだ!ついに気でも狂ったか!」

マイカ「ライドライオの…声?」

遊次「あぁ、あいつは悲しんでるんだ。
言ってるんだよ、早く戻りたいって」

マイカ「戻り…たい…?」

遊次「あぁ、早くお前のところに戻って、
またお前とデュエルしたいって!アイツが言ってんだ!
だから諦めるわけにはいかねえ!
絶対にギロの野郎をぶっ飛ばして、全て元通りにしてやる!」

遊次の目に、更に闘志が宿る。

トミー「モンスターの声って…何も聞こえないよ…」

灯「うん、私たちにはね。でも、遊次には時折聞こえるみたいなの。
モンスターの思いや感情が」

トミー「ほ、ほんとに…?」

イーサン「俺も最初は嘘だと思ったさ。
でもどうやら本当らしい。
これは長年あいつと一緒にいる俺らにしかわからない感覚だけどな」

マイカ「ライドライオ…こんな弱い俺でも…
戻りたいって思ってくれてるのか…?」

マイカはライドライオの目を真っ直ぐ見つめる。

ライドライオはそれに応えるかのように、マイカの目を見つめた。

マイカ「あっ…」
マイカにはわかったのだろう、遊次の言っていることは真実であると。
ライドライオはマイカのところに戻りたがっていると。

ギロ「完全には削り切れなかったが、お前のライフは風前の灯火。
しかも…よりによって900ポイントとはな。
ショット・デッドの破壊効果は相手ターンにも使用可能!
お前の命は次のお前のターンで終わる!あがいても無駄だ!
俺はこれでターンエンド!」

細い男「ヒッヒッヒッ!もう勝ちは決まりましたね!」
小さい男「デッキが3つも増えるんだ、オイラ達にも分けてくれないかな!」

遊次のフィールドには1枚もカードは存在しない。
そしてギロのフィールドには攻撃力5400と3600のモンスター。
更にショット・デッドの効果で、
次の遊次のターンにモンスターが破壊された場合、
遊次のライフには1000ポイントのダメージが与えられ、遊次は敗北してしまう。
まさに「絶望」。


【ギロ】
LP5600 手札:1枚
伏せカード:0

■カウンタービースト・ライドライオ ATK:5400
■処刑罪人 ショット・デッド ATK:3600

【遊次】
LP8000 手札:3枚
伏せカード:0


遊次「いくぜ…。俺のターン!」

遊次「(これが運命のドローだ。このドローで全てが決まる…。)
遊次「(あいつらのデッキも、マイカとライドライオの命運も、このドローで決まっちまう)」

遊次は目を閉じ、指先の感覚一つに集中した。
明鏡止水。
不思議と遊次の心は落ち着いている。

遊次「(大丈夫だ…。デッキは必ず応えてくれる。)」

目を開く。

遊次「ドロー!!!」
1枚のカードを引く。

遊次「このカードは…!」
遊次の口元に笑みが浮かぶ。

遊次「俺は墓地の『妖義賊の羽衣』を除外し、効果発動!
墓地のレベル4以下の妖義賊モンスターを1体復活させる!
俺は墓地の『妖義賊 - 駿足のジロキチ』を特殊召喚!」


■妖義賊 - 駿足のジロキチ
 効果モンスター
 レベル4/地/獣/攻撃力1600
 このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
 デッキから「妖義賊」モンスターを1枚手札に加える。
 (2):このカードがリリースされた場合、
 相手フィールドの表側表示のモンスターを1体を対象として発動できる。
 その表側表示モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。


イーサン「あのモンスターは…」

灯「遊次が最初に召喚して、ギロに破壊されたモンスター…」

トミー「でも、大丈夫なの!?モンスターを呼び出しちゃったら、
あいつのモンスターの効果で破壊されて、1000ポイントのダメージが…」

イーサン「……遊次…」

遊次「ジロキチの効果発動!特殊召喚成功時、デッキから妖義賊モンスターを手札に加える!」

ギロ「フン、無駄だ!わかってるよなぁ!
お前がモンスターを場に出した時点で、お前の敗北は決定するんだ!
余計なもんを手札に加えられる前に、とっととおさらばだ、なんでも屋ぁ!」

ギロ「ショット・デッドの効果発動!
手札を1枚捨て、相手モンスターを1体破壊し、1000ポイントのダメージを与える!
ジロキチを破壊し、お前はデッド・エンド!おしまいだ!
お仲間のデッキも含めて全部俺によこせ!!」

ショット・デッドの頭部の銃口からジロキチに向けて、弾丸が放たれる。

灯「遊次…!お願い…!!」



遊次「…速攻魔法発動!『妖義賊の即日決行』!」


■妖義賊の即日決行
 速攻魔法
 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):フィールド上の「妖義賊」モンスター1体をリリースして発動する。
 デッキから「予告状」魔法カードを1枚墓地に送る。
 その後、そのカードを墓地から除外する。
 この効果を使用したターン、この効果で除外したカード以外の「予告状」魔法カードの効果は使用できない。


遊次「このカードはフィールドの妖義賊をリリースして効果を発動できる!
俺はジロキチをリリースすることで、このカードの効果を使用する!」

フィールドからジロキチが消え、ショット・デッドが放った弾丸は不発となる。

ギロ「何っ!!!」

細い男「ショット・デッドの効果が当たる前に、リリースされた!」
小さい男「ってことは、効果は不発で、あのなんでも屋にダメージは入らない!なんてことだ!」


灯「この戦術って…」

イーサン「サクリファイスエスケープ…!」

トミー「さくり…何?」

イーサン「サクリファイスエスケープは、
相手の効果の対象となった自分のモンスターを先にリリースしてしまうことによって、
相手の効果を無効化してしまう戦術さ。
現にフィールドにジロキチがいなくなったことによって、
存在しないモンスターを破壊することはできないため、ショット・デッドの効果は不発。
1000ポイントのダメージは受けずに済んだわけだ」

トミー「すごい…この土壇場でそんなこと考えるなんて…」


遊次「妖義賊の即日決行の効果!デッキから予告状魔法カードを墓地に送る!
俺はデッキから『儀式の予告状』を墓地に送る!
そしてその後、墓地に送った予告状カードをすぐさま墓地から除外する!」

ギロ「てんめえ…そ、その戦術は…」

全くアテにならない予告状。
この戦術をギロは1度味わっている。


遊次「さらに、チェーン1で発動していたジロキチの効果!
俺はデッキから『妖義賊 - 早撃ちのキッド』を手札に加える!」


遊次「まだまだ連鎖は続くぜ!一連の処理が終わった後、
先ほど除外された『儀式の予告状』の効果を発動!
更にそれにチェーンして、リリースされた『妖義賊 - 駿足のジロキチ』の効果を発動!」

細い男「なんだなんだなんだ!!もうわけがわからん!!」
小さい男「いつ終わるんだあいつのカードの連鎖は!!」


遊次「ジロキチがリリースされた場合、
相手フィールドのモンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得ることができる!」

ギロ「ク、クッソがぁ…!!!」

遊次「だから最初に言っただろ、恐ろしい効果だって。
俺が奪うのは、お前のフィールドの『カウンタービースト・ライドライオ』だ!」


ライドライオに大きな風呂敷がかかる。
その後、ライドライオは遊次のフィールドに君臨した。


ギロ「俺のライドライオが!!」

遊次「お前のじゃねえ!マイカのだろうが!
ライドライオ、今開放してやるからな…!」

遊次「そしてチェーン1で発動した『儀式の予告状』の効果を発動!
このカードが墓地から除外された場合、
手札またはフィールドのモンスターをリリースすることで、
手札またはデッキから儀式召喚を行うことができる!」


■儀式の予告状
 儀式魔法
 「妖義賊」儀式モンスターの降臨に必要。
 (1):このカードは発動後、墓地に送られる。
 このカードの発動後2回目の自分メインフェイズに、このカードを墓地から除外できる。
 (2):このカードが墓地から除外された場合に発動できる。
 レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、
 自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、
 手札・デッキから「妖義賊」儀式モンスター1体を儀式召喚する。


ギロ「デッキから…儀式召喚だとぉ!!」


イーサン「ついに来たか…!」
灯「遊次のエースモンスター!」


遊次「俺はフィールドのレベル8、ライドライオをリリースし、儀式召喚を執り行う!」

遊次「桜吹雪の舞う中に、現れたるは荒野の義賊!
儀式召喚!降臨せよ、レベル7!
我がエースモンスター!『妖義賊 - ゴエモン』!」


■妖義賊 - ゴエモン
 儀式モンスター
 レベル7/地/戦士/攻撃力2500
 「予告状」儀式魔法カードにより降臨。
 このカード名の(2)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):元々の持ち主が相手となるカードが自分フィールドに存在する限り、
 自分フィールドのモンスターは相手の効果の対象にならない。
 (2):相手の墓地のモンスター、または魔法・罠カードを1枚選択して発動する。
 モンスターカードの場合、そのカードを自分フィールドに特殊召喚し、
 魔法・罠カードの場合、自分の魔法・罠ゾーンにセットする。
 (3):このカードが元々の持ち主が相手となるモンスターをリリースして儀式召喚された場合、以下の効果を得る。
 元々の持ち主が相手となる自分フィールドのモンスターを1体リリースして発動する。
 そのモンスターの元々の攻撃力分、自分フィールドの全てのモンスターの攻撃力をアップする。


桜吹雪が舞う中、現れたのは、羽衣を纏い、大剣を振りかざす戦士。
頭の側部には、後ろ向きに生えたメカニックな装飾があり、
少し機械的な目は赤く輝いている。


遊次「ゴエモンの効果発動!
1ターンに1度、相手の墓地からモンスター、または魔法罠を1枚拝借できる!
お前の墓地から頂くのはもちろんこいつだ!
カウンタービースト・ライドライオ!」

ウオオオォオオオオオオオオ!!!

ライドライオは遊次のフィールドで再び大きく咆哮する。


ギロ「お前…1度では飽き足らず2度までも人のモンスターを…!!」

遊次「だから元々お前のモンスターじゃねえだろ!
これでちょっとはわかったか、お前が今まで子供たちにしてきた仕打ち!」


ギロ「ふん、そんなモンスター、もう用済みだ!
効果で特殊召喚していないため、しょせん攻撃力は元の3000のまま!
俺のショット・デッドの攻撃力3600には及ばない!」

ギロ「おっと、そいつのもう1つの効果を使おうとしても無駄だぜ。
ライドライオは攻撃力を1000下げてモンスターを破壊する効果を持つが、
俺のショット・デッドは効果では破壊されねえからな!
ゴチャゴチャゴチャゴチャやってくれたが、結局盤面は覆らねえんだよ!」

遊次「いや、お前はこのターンで終わりだ」

ギロ「な、何!?
言い間違いなら今の内に訂正しておくんだな!!」


遊次「訂正する必要なんかねえ!
確実にお前はこのターンで負けるっつってんだ!」


ギロ「くうううぅうう…!!」

マイカ「でも、どうやって?ギロのライフはまだ5600も残ってる…」


遊次「まだ召喚権が残ってるぜ。
俺は手札から、『妖義賊 - 早撃ちのキッド』を召喚!」


■妖義賊 - 早撃ちのキッド
 効果モンスター
 レベル4/地/戦士/攻撃力1700
 このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
 手札から「妖義賊」モンスターを1体特殊召喚する。
 (2):手札から「予告状」カードを捨て、相手フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを破壊する。


遊次「キッドの効果発動!手札から妖義賊モンスターを特殊召喚できる!
来い、『妖義賊 - 士君子のブラックバード』!」


■妖義賊 - 士君子のブラックバード
 効果モンスター
 レベル4/地/鳥獣/攻撃力1500
 このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象に発動できる。
 そのカードを破壊する。その後、自分フィールドにセットする。
 (2):自分フィールドの「妖義賊」モンスターが戦闘・効果で破壊される場合に発動できる。
 墓地の「予告状」カードを除外し、その破壊を無効にする。


銃を持った若い戦士のモンスターと、
紳士服を纏った黒いカラスのモンスターがフィールドに現れる。
遊次のフィールドには妖義賊モンスター3体と、ライドライオが並ぶ。


ギロ「フン…、何かと思えば雑魚を並べただけじゃねえか!
俺のショット・デッドを倒すには至らない!」

細い男「なんだよ、ビビらせやがって!」
小さい男「勝てないんだったらとっととターンエンドしろ!」


遊次「何回言わせるんだ?このターンで終わらせるって。
『妖義賊 - ゴエモン』の効果を発動!
元々の持ち主が相手となる自分フィールドのモンスターをリリースして、
その元々の攻撃力分、自分の全てのモンスターの攻撃力をアップする!」


ギロ「全ての…モンスター…だと…?!」

遊次「俺は、カウンタービースト・ライドライオをリリース!
その元々の攻撃力分、俺のフィールドの全てのモンスターの攻撃力を上げる!」


ライドライオがゴエモンにより解き放たれ、激しい桜吹雪がフィールドを覆う。
その後、全てのモンスターの攻撃力が上昇していく。

■妖義賊 - ゴエモン ATK 5500
■妖義賊 - 早撃ちのキッド ATK 4700
■妖義賊 - 士君子のブラックバード ATK 4500

モンスター達の後ろには、
獅子の形をしたオーラが、モンスター達を包むように輝いている。

ギロ「ふざけるなあああああ!!
そんなはずは…俺の最強の布陣が…突破されるなどぉ!!」


灯「こうなったら、もう誰も手が付けられないね」
イーサン「あぁ、遊次!今度こそ奴にトドメだ!」

遊次は指を鳴らし、決め台詞を放つ。

遊次「勝利は俺が頂いた!」

遊次「バトル!
ブラックバードで、ショット・デッドに攻撃!!」

ブラックバードは黒い羽根を飛ばし、ショット・デッドに攻撃する。


ギロ「ぐあああああ!!!」
LP 5600 → 4500


ギロ「まだ…まだだ…。
墓地の『罪人 トレイター』を除外することで、
自分フィールドの処刑罪人融合モンスターの破壊を免れる!」

墓地の罪人モンスターの数が減ったことにより、
ショット・デッドの攻撃力は200下がり、3400となる。


遊次「なら、次はキッドでショット・デッドに攻撃!」

キッドから放たれた一発の弾丸が、ショット・デッドの眉間を貫く。
ショット・デッドは爆風と共に爆散する。

ギロ「ぐ、ぐああああ!!!」
LP 4500 → 3400

爆風により吹き飛ばされ、ギロはダメージを負う。


ギロ「待て…やめろ…!そんなはずは…この俺が…!!」


遊次「終わりだ!『妖義賊 - ゴエモン』でダイレクトアタック!」

桜吹雪を纏った大剣による一閃が、ギロに向かって放たれる。


ギロ「ぐうううううわああああああ!!!」
LP 3400 → 0


灯「…終わったよ、トミー君、マイカ君」

トミー「……」
マイカ「……」

怒涛の展開に、まだ2人は理解が追い付いていないようだ。
舞い散る桜吹雪の中に佇む遊次と、その相棒である戦士に目を奪われていた。


ここに、オースデュエルは終結した。
勝者、神楽遊次。
ギロには契約通り、今まで他人から受領したカードを全て返却する義務が生じる。



イーサン「結局、どんなピンチも切り抜けて勝利をかっさらっちまう。
神楽遊次、お前はそういう男だよな。」


第3話 完

----------------------------------------------------------------------------------------------------------
~あとがき~

ようやく初戦が終了。
ついに出ました遊次のエースモンスターは儀式です。
ルパンはエースではなかったんですね。
別に誰もそう思ってないか。

初デュエルの割に相当綺麗にできた自負はあるのですが、
今後このデュエルを越えられるんですかね…。そこが心配です。
伏線的なものも仕込んで終盤に回収するような流れもできましたし。
けっこうたまたまみたいな部分もあるんですが。

序盤のなんでも屋を中心としたストーリーはほぼ中身を考えてなかったので、
毎回ほぼアドリブで書いていかなきゃいけなくて、時間がかかるかもしれません。
話もデュエルも今日だけで3話投稿できただけ奇跡かも。
プロット自体は前からあったけど、
そもそも、昨日時点では全くSS投稿しようとか1mmも思ってなくて、
今日急に思い立っただけだし…。

オリカ掲示板だと投稿に死ぬほど時間がかかるので、
キャラごとのカードリストはSSに投稿します。

カードの性能は現代遊戯王に合わせて割と強めにしてるんですが、
OCGでももっとおかしい効果の奴いっぱいいるんで、
この物語には全然ぶっ壊れの奴はいないと思ってます。

ゴエモンの全体パンプアップ効果も、
儀式召喚に元々の持ち主が相手のモンスターが必要な上、
もう1回元々の持ち主が相手のモンスターをリリースしないといけないので、
この現代だと相応の効果なのかなと思います。

次回はトミー・マイカの依頼の決着と、
Next以外の他陣営の動きを描いていく予定です。
現在のイイネ数 32
作品イイネ
↑ 作品をイイネと思ったらクリックしよう(1話につき1日1回イイネできます)


名前
コメント

同シリーズ作品

イイネ タイトル 閲覧数 コメ数 投稿日 操作
32 第1話:なんでも屋「Next」 346 2 2023-03-25 -
46 第2話:妖義賊(ミスティックラン) 340 0 2023-03-25 -
32 第3話:相棒 269 0 2023-03-25 -
30 第4話:動き出す影 302 0 2023-03-26 -
36 【カードリスト】神楽 遊次 339 0 2023-03-26 -
35 第5話:大災害「コラプス」 349 0 2023-03-27 -
39 第6話:2000万のプライド 295 0 2023-03-27 -
30 第7話:悪しきを挫く至高の剣士 350 0 2023-03-29 -
28 第8話:解き放たれた猟犬 337 0 2023-03-29 -
30 第9話:陸・空・海を統べる者 274 0 2023-03-31 -
30 第10話:悪しき魂を塗り潰す彩 218 0 2023-04-01 -
64 【カードリスト】花咲 灯 331 0 2023-04-02 -
29 第11話:番犬の尾を踏んだ日 239 0 2023-04-02 -
32 第12話:雷の城塞 317 0 2023-04-04 -
34 第13話:平穏を脅かす者に裁きを 249 0 2023-04-06 -
28 【カードリスト】イーサン=レイノルズ 244 0 2023-04-07 -
51 第14話:決戦前夜 406 0 2023-04-09 -
36 【お知らせ】お久しぶりです。 1287 2 2024-02-09 -

更新情報 - NEW -


Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
Amazonバナー 駿河屋バナー 楽天バナー Yahoo!ショッピングバナー