第20話体験入部開始!　作：風鼠

葵「ふあぁ～今日月曜日か～皆おはよぉ～」

瑞樹「葵おはよ。」

カンナ「あ、葵ちゃんおはようございます。」

葵「おはよ～」

私が起きると、瑞樹とカンナちゃんが既に起きており、学校の準備を整えており、杏奈ちゃんは朝のジョギングに行ってしまった後であった。

椿「(すやすや…)」

葵「椿ちゃん今日も熟睡だねぇ♪つんつん♪」

椿「(…んん…はむ)」

少ししゃがんで気持ちよさそうに熟睡する椿ちゃんの柔らかい頬を右手の人差し指で何度かつつくと、椿ちゃんは私の指を唇で咥える。

葵「ひゃ?!椿ちゃん、指食べちゃ駄目だよぉ～♪」

椿「(おいしい…でぇ…す…)」

椿ちゃんは私の指先を舌でペロペロと舐め始める

葵「もう椿ちゃんは～♪もうダメだよ♪えい♪」

椿「はう!」

葵「はう!」

私が椿ちゃんの額に軽くデコピンをすると、椿ちゃんは驚いたように目を覚まし、体を勢いよく起こす。

起き上がった椿ちゃんの頭に私の頭とぶつかり、その勢いで床に大の字になって倒れる

葵「いたた…」

椿「痛いでぇす…」

瑞樹「もう、葵。いたずらするからよ。」

葵「えへへ～」

杏奈「葵ちゃん今日も元気だね～」

カンナ「あ、杏奈ちゃん。お帰りなさい」

葵「あ、杏奈ちゃんお帰りぃ～」

杏奈ちゃんが帰ってきて、私は床から杏奈ちゃんを見上げながら笑顔で挨拶する。

杏奈「うん、ただ今。カンナちゃん。葵ちゃん。」

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佳澄「今日から体験入部期間だからな～場所間違えんなよぉ～」

葵「やった～2人とも行こ～♪」

瑞樹「もう、葵走らないの!」

椿「そ、そうなのでぇす!」

私達は、授業の終了のチャイムが鳴ると同時に私達3人は荷物を持って勢いよく歌舞姫部の体育館へと向かう。

葵「とうちゃぁ～く♪」

瑞樹「はぁ…はぁ…廊下は走らないの!」

葵「いた!えへへ～♪」

私が体育館の前に付くと、後から追ってきた瑞樹に軽く頭を叩かれる

椿「いつもどおりでぇすね…」

杏奈「や、3人とも。早いね。」

葵「あ、杏奈ちゃんカンナちゃんやっほ～」

私と瑞樹がいつも通りのやりとりをやっていると、後ろから杏奈ちゃん達がゆっくりと歩いてくる。

カンナ「瑞樹ちゃんどうかしたんですか?汗かいてますけど…」

瑞樹「葵を追いかけてきたから…」

カンナ「そ、そうだったんですか。」

アザミ「ん？君達は…確か葵ちゃん達だったか？」

桃「皆、早いですね～♪」

葵「あ、アザミ先輩、桃先輩!こんにちは～」

私達が体育館の前で談笑していると、アザミ先輩達が現れる。

アザミ「…あぁ、今日からだったか。体験入部は。」

葵「はい!今日からです♪よろしくお願いしま～す♪」

桃「こちらこそです。桜木ちゃん♪」

私が挨拶すると桃先輩は笑顔を浮かべ、嬉しそうな口調で答える。

アザミ「いま体育館の鍵開けるから。」

葵「は～い♪」

アザミ先輩が体育館の鍵を開け、私達は体育館に入る。

???1「ふむ、やっと来たか。しばし待ったぞ。」

葵「ほぇ?」

体育館に入ると、椿ちゃんと同じ位の背丈で、白色の長い髪に赤い瞳、赤色の着物を着た少女が座布団に正座していた。

アザミ「部長、どうやって入ったですか。扉、鍵かかってたのに。」

???1「妾に不可能はないのじゃ。」

部長と呼ばれるその少女は古風な話し方で自慢げな表情でアザミ先輩達に話す。

アザミ「しかも、その衣装舞台で使う衣装ですから!しかもカラーコンタクトまで付けて…」

???1「はう!…かえしてアザミぃ～」

アザミ先輩が部長の白い髪を掴んで持ち上げると、白い髪が全て取れ、部長の頭に明るい茶色の短髪に現れる。

葵「(かつらだったんだ、あれ)」

アザミ「駄目です。」

???1「うぅ～桃ぉ～アザミがいじめるぅ～」(ウルウル…)

桃「あらあら、部長。後輩達の前ですよぉ～ふふ♪」

部長は桃先輩に泣きつくように抱き付き、桃先輩はやさしく頭を撫でる。

アザミ「まったく部長は…普段通りにしてください!」

???1「じゃあカツラかえしてくれる?」

アザミ「駄目です。返しません。」

???1「え～…じゃしっかりしなぁ～い」

アザミ先輩は冷徹に話すと部長は拗ねる様に言い、頬を膨らませる。

由里「…何の騒ぎですの?これは？」

葵「あ、百合ちゃん!」

百合ちゃんは若干呆れたような口調で部長たちのやりとりを眺めながら体育館に入ってくる。

由里「…だから、漢字が違うって言ってるでしょ!」

葵「?」

瑞樹「貴女も歌舞伎部に?」

由里「もちろんですわ。…あら、貴女は…確か、試験の時にグループで一緒だった…」

カンナ「あわわ…ゆ、由里さん、ひ、久しぶりです。兎原カンナです。」

杏奈「な、なんでカンナちゃん、僕に隠れるの…」

カンナちゃんは、杏奈ちゃんの背中に隠れ恥ずかしがるように小さな声で話す。

由里「葵から話は聞いてるわ。あなたも受かったんですってね。」

カンナ「は、はい。由里ちゃんは、宝花の方に受かったと聞いてます」

由里「…えぇ、そうよ。…立場的には商売敵ですわね。」

カンナ「はわわ…な、何もしないですよね？」

由里「…はぁ…安心しなさい。学校では何もしないわ。」

百合ちゃんは若干呆れた口調で話す。

杏奈「あ、僕、神原杏奈。よろしく」

由里「ワタクシ、黒木由里よ。…よろしくお願いするわ」

杏奈ちゃんが自己紹介と共に手を差し出すと、百合ちゃんも手を出して握手を交わす。

???1→蘭花「…見苦しい所を見せたの。妾は歌舞伎部の部長をしておる、小鳥遊(たかなし)蘭花（らんか）と申す者じゃ。」

なんやかんやあり、数分後ある程度体験入部の子達が集まった頃カツラを返してもらった

蘭花部長は、再び座布団に正座して自己紹介をする

アザミ「副部長を務めるアザミだ。今週君達は歌舞伎部に体験とはいえ、私達は部員と同等に扱わせてもらう。」

5人「よろしくお願いします!」

こうして、私達の初めて部活動が始まる。