第０１話　歌舞姫選考試験?!　作：風鼠

葵「ほぇ～可愛い子いっぱいいるぅ～」
瑞樹「…そうね。」

門を通り抜けた葵達は、同い年位であり同じ夢を抱く少女数十人による人だまりができていた。

葵「皆私たちの同期になるんだね♪」
瑞樹「そうね…私たちが『合格』できれば…の話だけど」
葵「え?瑞樹それって…」

???1『本日の歌舞姫制度にご参加のみなさぁ～ん!!!』

敷地内に小型スピーカから、非常に明るく澄んだ声が響きわたる。

???『いまから～、歌舞姫制度を受ける為の～選考会を開催しまーす！』

葵「えぇぇ?!」
会場に葵の声が響く

瑞樹「…もしかして…葵…知らなかったの？」
葵「うん」
瑞樹「…歌舞姫制度の受ける時の申し込み書に書いてたのに…葵…書くだけ書いて一切読んでないわね」

葵「はううぅ…どうしよ…筆記は苦手だよぉ～あぁ…私の夢がぁ…初日に潰えるのかぁ(ず～ん)」

瑞樹「…ホント読んでないのね…。選考は筆記じゃないわよ。」

葵「えホント!(キラキラ)」

瑞樹「舞踊で選考…らしいわよ。」
葵「それだったら…私にも希望が…!やるぞーファイトーおー!」

会場に入ると…

???2「あうぅ…自信ないよぉ～」
???3「このワタクシが合格するのはきまってますわ!おーほっほ!」
???4「…さてと!僕も気張っていきますか!」
???5「ふん。覚悟するといいでぇす…」

一座専用体育館
葵「うわぁ～すごい熱気（それと…いい匂い）」
瑞樹「…皆それ位必至ってことね。(この一座…専用の体育館ももってるのね…)」
モブ1「まだかなぁ…」

その直後体育館が暗闇に包まれ、スポットライトにより一人の女性が照らされる
???1→楓『本日の歌舞姫制度の選考会の進行あぁ～んど実況を務めさせていただく、『宮野楓』です!よろしくおねがいしまぁ～す』

葵「へぇ～あの人声綺麗だね～歌手さんみたぁ～い」
瑞樹「そうね・・・会場どこにいても聞こえるわ」

楓『選考方法はみなさんご存じ「歌舞伎舞踊」!まず最初にグループ決めをしたいと思います!…それぞれ５、6人で組んだ５つのグループに分かれ、そのメンバーでこちらで用意した劇をやっていただきます!まずは…あちらの受付でクジを引きぃ～』

スポットライトによって複数の同じ白い箱が置かれた机が照らされる。

楓『そしてこの体育館の床に1から5までの数字が描かれてます!』

葵「え?…あホントだ!」
体育館の床に様々な色のゴムテープで、大きく1から5の五つの数字が描かれている。
瑞樹「…私たちの下は2…ね」

楓『…クジを引いていただいた後は、クジと同じ数字が描かれた場所に集まってください!…それではぁ～グループ決め…開始!』
楓が発言を終えた直後に照明が明るくなり、参加者が一斉に受付に向かう。
葵「早く、並ぼ!瑞樹、私の幸運を取られちゃう!」
瑞樹「あ、葵!まったくあの子は…」
葵達が受付に到着した時には長蛇の列。
葵「うう…長い」
瑞樹「我慢するのよ。葵。」
その後、並び長時間を掛け葵達はクジを引き…
葵「…私1番!えへへ…ラッキー!瑞樹は?」
瑞樹「…3番ね」
葵「うう…バラバラかぁ…頑張ろうね!瑞樹!」
瑞樹「ええ‥葵も合格してよね」
葵「うん!」
葵と瑞樹は合格を誓い、お互いのグループ場所へ向かった。
1番グループ集合場所
葵「他のメンバーの子どんな子かなぁ?あ、あそこかなぁ!」
葵は人だかりを見つけ、駆け寄る。
葵「おまたせぇ～」
モブ1「…これで全員ね」
モブ2「じゃあ、さっそく劇の確認を…」
葵「うん♪」
???2「は、はい。そうしましょう」
その直後‥
???3「ふん、こんな子たちがワタクシと組むのね…」
葵「へ?」
グループから若干離れたの壁に壁に寄り掛かるように立つ少女を見つける。
???3→由里「ワタクシの名前は黒木由里。せいぜいワタクシの足を引っ張らないよう頑張る事ですわね。」
黒木由里…それは、同世代で歌舞伎役者を目指すものなら必ず知る事となる重鎮の娘の名前だ。
モブ1「そ、そんな…そんな人がグループなら、いい劇になりそう!」
モブ2「うぅ‥あたし目立てるかなぁ…」
由里「ふん、それでよろしい。ワタクシを主役にしてワタクシだけを目立たせなさい!そうすれば、あなたたちも合格ですわ!」
葵「うぅ…でも一人で目立つのはどうかと思います」
由里「なんですって?」
葵が発言した瞬間、由里が葵をにらむ
由里「ワタクシが目立って何が悪いの!」
葵「悪いです!その…劇は…なんというか…一人でやるものじゃないです!」
???2「私もそう思います…」
葵「!」
そこには豊かな胸をもち穏やかそうな少女が立っていた。
???2「私も…その…一人だけ目立つのはどうかなぁ、と思います…。劇は一人が目立てばいい劇なんでしょうか?」
由里「…そ、それは…」
???2「…私は…その劇に出ているどんな役でも…たとえ裏方でも全員が主役…だと思います…」
由里「…勝手にしなさい!」
そういうと、不機嫌に顔をそむけ、少し遠めの壁に寄りかかった。
葵「そのさっきはありがとね…え～と…あはは…自己紹介してなかったね!私は桜木葵!よろしく!」
???2→カンナ「その私は…兎原カンナと言います。よろしくお願いいたします。」
カンナは深々と葵に頭を下げ、再び葵に笑顔を向ける。
葵「頑張ろうね！カンナちゃん!」
カンナ「はい!」

こうして…彼女たちの波乱の選考会は始まる