第22話未知との邂逅　作：風鼠

とある日の夕方、稽古終了後…

瑞樹「はぁ…」

私は、壁に貼られた一枚の紙を見て思わずため息を吐く。

葵「？瑞樹どしたの～？溜息ついて～」

瑞樹「今日…見回りの当番なのよ。」

葵「瑞樹、お化けとか怖いの苦手だもんね～♪」

葵はいたずらっ子のような笑みを浮かべる。

瑞樹「こ、怖いわけじゃないわよ!その…科学で証明されてないだけよ!」

葵「素直じゃないな～♪」

瑞樹「うるさい!」(///)

葵「はう!」

痛いところをつかれた私は思わず葵の頭を軽く叩く。

その日の夜…

瑞樹「…じゃ、巡回、行ってくるわね。」

カンナ「はい分かりました。瑞樹ちゃん、頑張ってくださいね。」

椿「(すやすや…)」

杏奈「部屋は僕達がちゃんとやっとくから。」

瑞樹「えぇ。分かったわ。」

懐中電灯を持った私は、杏奈ちゃん達に部屋の事を一時的に任すことに。

カンナ「…？葵ちゃんも行くんです？」

葵「いや～怖がりな瑞樹がどうしてもって言うから～♪」

瑞樹「ちょ?!あ～お～い余計な事を～」(///)

葵「ふえぇ～頬引っ張らないでよぉ～」

私は空いた手で葵の頬を引っ張る。

カンナ「瑞樹ちゃん、怖いの苦手なんですか？」

瑞樹「えと…苦手じゃない…わよ」(///)

杏奈「…ふふ♪瑞樹ちゃん、分かったよ。」

カンナ「(瑞樹ちゃんも怖いの苦手なんだ…)」

杏奈ちゃんは、何かを理解したように少し笑った後、微笑みながら優しく答える

瑞樹「もう行くわよ葵」(///)

葵「うぅ…頬が痛いよぉ～…」

夜巡回
体育館

瑞樹「こ、此処はだ、大丈夫…みたいね。」

葵「瑞樹～どうしたの～♪声震えてるよ～♪怖いの～♪」

瑞樹「もう葵は…ほ、ホントにこ、怖いわけじゃないのよ」

葵「じゃあなんで私の手握ってるのかにゃ～♪」

瑞樹「う…それは…その…」(///)

私はいつの間にか握っていた葵の手を見せられ、おもわず顔が赤くなる

葵「なぜかにゃ～？」

葵はそういって、笑顔で私に詰め寄る

瑞樹「あ、葵がどこかに行かないようにしてるだけよ!」(///)

葵「素直じゃないな～♪」

瑞樹「もう、この子は…ん?」

葵に呆れ、視線をふと体育館の端に移すと白い和服を着た小学校低学年位の少女がにこやかな笑顔を浮かべながら佇んでいた。

瑞樹「!あ、葵、あ、あそこ!お、お、女の子いるんだけど!」

葵「ん?瑞樹どうしたの～?女の子なんて居ないよ？」

私が女の子がいる方向を示しながら、葵に大声で言うと葵は落ち着いた口調で居ないと否定する

瑞樹「え、見えないの…?…あれ居ない…？ど、どうして?」

私がおもわず葵に視線を移してしまい、再び視線を女の子が居た方向に視線を移すと居たはずの女の子が音もなく消えていた。

葵「瑞樹～♪もしかして、見ちゃったんじゃない♪」

瑞樹「そ、そんな…はずは…ないわよぉ…」

葵「瑞樹～涙目～♪」

瑞樹「なってないわよぉ…」(///)
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瑞樹「つ、次はこ、ここね…」

私と葵は人の気配が無くなったお風呂場に巡回の為に訪れる

葵「瑞樹～♪なんで私に隠れてるのかな～♪」

瑞樹「そ、それは…。うぅ、もう分かってるくせに…葵のいじわるぅ…」

葵「えへ～ごめんごめん♪しゅんとなった瑞樹も可愛いな～♪」

葵は元気よく私の頭を撫でる。

瑞樹「(うぅ…)」

葵「お風呂場も大丈夫そうだね～♪」

瑞樹「そ、そうね…」

『フフフ…』

瑞樹「?葵、何か言った？」

葵「?私何も言ってないよ?」

瑞樹「そ、そう…」

不意に聞こえた少女らしき笑い声が聞こえ、葵に聞いたものの、葵は否定する。

それを確認した私は不安感を抱きながらもお風呂場を後にする。

倉庫前

瑞樹「さ、最後ね。」

葵「だね～♪」

本日の巡回最後の箇所である倉庫前に辿り着く。

瑞樹「(…何も出なければいいんだけど…)」

葵「さ、瑞樹♪倉庫の中はいろ♪」

瑞樹「そ、そうね。」

そういって元気よく入る葵にカゲに隠れながら倉庫に入る。

葵「お～♪改めてくると雰囲気ありますの～♪」

瑞樹「(ま、またで、出ない、わよね…？)」

『きゃはは♪』

瑞樹「…!」

先程、お風呂場で聞いた少女の声がよりはっきりと聞こえる。

瑞樹「あ、葵、今女のコの声聞こえた?」

葵「ん～、聞こえなかったよ～♪」

瑞樹「そ、そう…」

葵「ホントにお化けさん居るかもね～♪」

瑞樹「ば、馬鹿な事い、い、言わないの!」

葵「えへ～♪怖がってる瑞樹可愛いな～♪うりうり～♪」

瑞樹「頬つつかないの!お、お、お、お化けなんているわけないじゃない!」

???X「居るよ～♪」

瑞樹＆葵「!?」

私の言葉に反応するかのように、元気な少女の声が聞こえる。

瑞樹「あ、葵、き、聞こえた?」

葵「うん♪聞こえた～♪お化けさんどこにいるのかにゃ～？姿見せてほしいな～♪」

瑞樹「ばか、よ、呼ばないの!」

???X「いいよ～♪とう!」

その言葉と共に、私達の前に先程見た桜の花びらの刺繍が入った白い着物を着た少女が現れる。

葵「え、どこから現れたの?」

???X「ずっと君達について歩いてて、君達に見えるレベルに調整したの♪レベルによって見える人と見えない人いるんだよね～♪」

瑞樹「…お化けなんているわけない…いるわけが…」

葵「瑞樹？」

瑞樹「そうよ、これはきっと夢の中なんだ…」

葵「瑞樹戻ってきて～!」