第09話　身体能力テスト　作：風鼠

茜「次は…バランス感覚かな?」

葵「バランス感覚‥ですか」

茜「うん。歌舞伎は一定の体制で動き止めなきゃいけない時とか動きを遅くする時もあるから、バランス感覚は高い事には越したことはないんだ」

杏奈「へぇ～」

茜「とりあえず…そうだね。皆一度目瞑って」

葵「は、はい」

私たちは茜先輩の指示に従い目を瞑る。

茜「で…今から目を瞑った状態のまま片足で立ち続けてもらうから。私が止める又は上げた片足を一度でも地面に触れたら終わりね。」

葵「はい分かりました。」

カンナ「はうう…できるかなぁ～」

茜「まず、右足からね。右足上げて…」

瑞樹「…はい」

椿「おおっと…(意外に難しいでぇす)」

茜「開始!」

茜先輩の号令と共に、計測が開始される

開始１分後

椿（うう‥足がしびれてきたでぇす。）

カンナ(はう‥案外きついよぉ～)

開始してから2分後

椿(あは…もうむりでぇす…)「ふみゃ!?」

椿ちゃんは、バランスを崩し顔面から倒れる

茜「椿ちゃん123秒ね。今年はバランス感覚いい子ばかりだね」

カンナ「あわわわ…きゃあ?!…いたた…」

その直後、椿ちゃんに釣られてカンナちゃんが尻餅をつく

彩愛「カンナちゃん125秒。…一応大丈夫」

カンナ「えへへ…大丈夫です」

椿(…また見えてるでぇす…)

カンナ「…椿ちゃん?私になにかついてますか?」

椿「…クマさん…」

カンナ「クマ…?…ひゃう(///)」

カンナちゃんは顔を赤めらせ勢いよく手でスカートを抑えて自身の下着を隠す

葵(うう…少し見たかったかもぉ～)

開始3分後

茜「…よし3分…そこまで!」

瑞樹「…ふう…」

葵「ふはぁ～案外疲れた～」

杏奈「だね～」

私たちは茜先輩の終了の合図後上げていた足を下ろす

茜「左足だと3人が180秒‥っと」


茜「今度は左足上げてね～」

葵「はい‥おおと」

杏奈「よっと…」

カンナ「おとと‥」

茜「開始」

3分後

茜「よし、そこまで。」

カンナ「うう‥足が痺れました」

茜「皆、バランス感覚いいんだね～。」

杏奈「へへ…両方3分台!」

カンナ「いいなぁ～」

茜「次は…」

反復横跳び

カンナ「はわわわ…(///)」

葵「カンナちゃんの下着可愛いなぁ～」

杏奈「うん、カンナちゃんらしくていいよね」

カンナ「はうう(///)観ないでください～」

瑞樹「はぁ…二人ともデリカシーが無いわよ」

椿「まったくでぇす(…クマさんが左右に動いてたでぇす…)」

茜「カンナちゃん…ジャージのズボン買ってきた方が良いみたいだね」

カンナ「はい(///)」

100M

葵「だぁ～椿ちゃんに負けたぁ～」

椿「へへん、早さだったら負けるわけないでぇす!」

杏奈「くそぉ～…速さ結構自信あったのになぁ～」

茜「3人とも、全員10秒切ってるのがすごいね」

瑞樹「はぁ‥3人とも早過ぎよ…」

カンナ「はい羨ましいです(うう…一番遅かった…しゅ～ん)」

持久走

瑞樹「はぁ‥はぁ…もう限界…」

茜「瑞樹ちゃん記録24分23秒」

カンナ「瑞樹ちゃんお疲れ様です」

瑞樹「ええ…カンナちゃんもお疲れ。」

椿「あの二人まだ走ってるでぇす」

葵＆杏奈「♪～」

瑞樹「…二人ともまだ余裕ね…」

数十分後

葵「ふはぁ…もうダメぇ～げんか～い」

茜「葵ちゃん記録…2時間34分」

葵「おお～」

杏奈「へへん、この勝負僕の勝ちだね。」

茜「杏奈ちゃん2時間37分」

葵「はぁ…はぁ‥杏奈ちゃん体力あり過ぎ～」

杏奈「毎朝走り込みしてるからね～」

杏奈ちゃんは嬉しそうな笑顔を浮かべる。

葵「はぁ、はぁ…あれ、茜先輩、皆は?」

茜「二人が長い間走ってるからあそこで寝始めちゃったよ」

茜先輩と共に私たちも体育館の片隅に視線を移す

カンナ「(すやすや‥)」

椿「(くまさんが…襲ってくるでぇ‥す…むにゃむにゃ)」

杏奈「あはは‥待ちくたびれて寝ちゃったか…」

瑞樹「ん…ふぁあ…二人とも終わったの?」

葵「うん♪待たせてごめん瑞樹」

瑞樹「まったくよ…起きてカンナちゃん、椿ちゃん」

カンナ「ふぁあ‥おはようございます」

椿「んん…やっとおわったみたいでぇすね…」

二人とも目をこすりながら目を覚ます

茜「身体測定はこれで終わりだよ。今日ももう遅いし、汗もかいたから…皆でお風呂に入ろうか♪」

葵「お風呂～♪」

私たちは、みんなでお風呂場に向かい…

葵「シャワー気持ちいい～」

杏奈「だね～」

カンナ「んん～…ふう、運動後のお風呂気持ちいいなんて初めて知りました～」

椿「なんだかちょっと眠くなってきたでぇす‥」

瑞樹「寝ちゃ駄目よ。」

椿「うう…ん?」(ポニョン)

カンナ「ひゃう?!…椿ちゃ～ん、私の胸を枕にしないでください～」

椿ちゃんの頭がカンナちゃんの柔らかそうな胸に触れる。

椿「このまま…寝れそうでぇす…」

カンナ「ね、寝ないでください?!ここお風呂ですよ寝たらまずいよ～」

椿「ふみゃあ…」

椿ちゃんはカンナちゃんに揺らされ目をこすりながら、体勢を起こす

茜「カンナちゃんと椿ちゃん仲良いね」

カンナ「あ、茜先輩!」

茜「ん～やっぱり足思いっきり伸ばせるっていいなぁ～」

茜先輩の足は長く、杏奈ちゃん以上に引き締まった足を気持ちよさそうに伸ばす。

瑞樹「そういえば…茜先輩たちもこの施設に暮らしてるんですよね?」

茜「うん基本的はね～。でも葵ちゃんたちの部屋からちょっと遠い所にあるけど。スイレンや座長の部屋も私たちと同じ方で、葵ちゃんたちの所は最近できたばっかりなんだ～」

葵「し、知らなかった…」

数分後、私たちはお風呂から上がり、私と杏奈ちゃんは椿ちゃんのストレッチに付き合うことに。

椿「ん～…むぐぐ…」

葵「椿ちゃん、大丈夫?」

椿「もうちょっと‥」

杏奈「ストレッチも、無理したら駄目なんだよ?」

椿「んん…」

カンナ「椿ちゃんファイト、ですよ」

椿「もう限界でぇす…」

杏奈「椿ちゃんお疲れ～」

椿「案外きついでぇす…」

葵「毎日やれば慣れるよ椿ちゃんガンバろ♪」

私たちは部屋に戻り寝間着に着替え、明日に備えて寝る事に。

茜「皆、明日の夕方から稽古始まるからね～」

葵＆杏奈「はい!」

カンナ「分かりましたぁ～」

椿「わかったのでゅす…むにゃむにゃ…・」

茜「うん、じゃあ、みんなおやすみ～」

葵＆杏奈＆瑞樹「おやすみなさい茜先輩」

茜先輩に挨拶して茜先輩は部屋の扉を閉める。

葵「でも、なんで夕方からなんだろうね?」

私は、茜先輩が指定した日時に抱いた疑問を口に出す

瑞樹「はぁ…まったくこの子は」

瑞樹は私の疑問に頭を抱える。

杏奈「あはは、葵ちゃんらしいや」

瑞樹「…私たち、明日から学校よ」

葵「へ?学校?あ!」