第12話　中学校での昼食　作：風鼠

第12話
キ～ン…コ～ン…カ～ン…コ～ン
佳澄「…4時間目もこれで終わりだな。お前らしっかり部活動の事考えとけよ～」
チャイムが鳴り、先生は気だるそうに教室を退室する
椿「うう‥やっと終わったでぇす」
葵「ふぇ～やっと昼休みか～」
葵と椿ちゃんは、その姿を確認すると同時に机に突っ伏する。
瑞樹「ええ、そうね。…ねぇ、葵。葵は部活動どこ入るの？」
葵「もっちろん、歌舞伎部だよ～♪瑞樹は？」
瑞樹「…私もとりあえず、歌舞伎部に入部かしら。」
葵「えへへ～瑞樹と一緒だぁ～♪椿ちゃんは?」
椿「勿論、歌舞伎部でぇす。」

葵「カンナちゃん達も入るかなぁ?」

瑞樹「…帰る時にでも聞いてみたら?」

葵「そうだね～皆一緒にできるといいなぁ♪」
グぅ～
葵「…にゃはは♪お腹すいた～」

お腹を鳴らした葵は少し顔を赤めらせ、照れくさそうに言う。

瑞樹「…そうね。葵、椿ちゃん、購買所で何か買いましょ。」

葵「うん、そうしよ♪瑞樹、椿ちゃん♪」

椿「そうするでぇす」

私たち3人は昼食を買う為、校内に設置された購買所に向かう

葵「ほぇ～一杯人居る～」

私たちが購買所に到着すると、既に多くの生徒によって購買所前は列を成していた。

瑞樹「…出遅れたわね。」

椿「うう～…お腹すいたでぇす」

葵「私たちの分残ってるかな～」

私たちが、列に並ぼうとした直後

杏奈「あ!葵ちゃんだ、やっほ～」

葵「あ、杏奈ちゃんだ～」

カンナ「葵ちゃん達も昼食を買いに来たんですか?」

葵「うん♪でも～…」
葵は再び列に視線を移す

杏奈「ああこの混みようだもんね～。はい、葵ちゃん」

葵「ほえ?これって‥お弁当?」

杏奈ちゃんは葵に、3つの弁当が入った袋を手渡す。

カンナ「はい、昼食用のお弁当です。念の為に葵ちゃん達の分も買っておきました♪」

葵「うう…ありがとカンナちゃぁ～ん」(ギュー)

カンナ「はうう～葵ちゃん抱きつかないで下さいよ～」

葵「カンナちゃんの胸気持ちい～♪優しい匂いもする～♪」

カンナちゃんの胸の中で葵は満面の笑みを浮かべる

カンナ「はううぅ～」

瑞樹「まったく葵は…離れなさいよ。」

葵「えへへ～♪気持ちよかった～」

私はカンナちゃんから葵を引きはがす

杏奈「もう葵ちゃんは…皆で屋上で食べよっか♪」

椿「名案でぇす!」

葵「そうしよ～♪屋上へレッツゴ～♪」

葵はお弁当をもった腕を天井に向かって突き上げる
瑞樹「葵、お弁当崩れるわよ。」
葵「え?あ…おとと。」
葵は、慌てて腕を降ろす
そういって私たちは、屋上へ繋がる階段へと向かう

葵「屋上広～い!天気も良い～♪」

葵は屋上の扉を思いっきり開けると、そこから青空が広がっていた

葵「おお～、絶好のお弁当日和だね～♪」

カンナ「ですね～♪」

椿「うう～、早くお弁当食べるでぇす」

瑞樹「はいはい、分かったわ」

私たちは、買ったお弁当を食べる為、屋上の端へと進み、軽い雑談を始める。

葵「ほぇ～カンナちゃんも災難だったね～」

カンナ「えへへ～でも、そのおかげで友達も2人も出来ちゃいました♪」

葵「おおぉ～カンナちゃん、それは良かったね♪」

カンナ「はい♪」

瑞樹「杏奈ちゃん、カンナちゃんの事支えてあげてね?」

杏奈「うん、分かってるよ♪」

カンナ「瑞樹ちゃんも、委員長一緒に頑張りましょう♪」

瑞樹「えぇ、そうね。」

椿「皆大変でぇすね～」

葵「うう～、椿ちゃんだけ何も役職に就いてないくせに～…えい!」

椿「ひゃあ!?」

葵「こちょこちょ～♪」

椿「ひゃはは、葵ちゃん、やめるでぇすよ～」

葵は、制服の上から椿ちゃんの腋を指で刺激し始め、椿ちゃんはその刺激から逃げる様に体を動かす。

瑞樹「もう…二人とも早く弁当食べるわよ。」

私たちは、買ったお弁当を広げ、青空の下昼ご飯を食べ始める。

葵「お弁当美味し～♪」

カンナ「あ、杏奈ちゃん。口にご飯粒くっ付いてますよ。」

杏奈「ん。ありがと。カンナちゃん♪」

カンナ「ふふ♪」

瑞樹(この子達、一弾と仲良くなったわね)


田中「(おい‥友達もかなりの美少女だぞ。)」

中田「(そうだな。カンナちゃんを付けてきて正解だったな。)」


瑞樹「‥‥う～ん、見られてるわね。私たち。」

葵「ほえ?…ホントだ～」

視線を感じ、物陰からちらちらと覗く男子生徒二人の姿を見つける。

瑞樹「…あの二人…みたいね」

葵「瑞樹が美人だからかな?」

瑞樹「馬鹿‥ひそひそ話から狙いは私じゃないわよ」

葵「ひゃう?!…うぅ～痛いよ、瑞樹ぃ～」

葵の額にデコピンを入れつつ、視線を再び皆の方に戻す。

杏奈「あれって確か…」

瑞樹「杏奈ちゃん、心当たり有るの?」

杏奈「ん、ああ、あの二人は確か…」

カンナ「同じクラスの田中さんと中田さんですね～」

葵「それって、カンナちゃんの新しいお友達の２人?」

カンナ「はい、お二人とも、優しそうな方でした♪」

葵「じゃあ、あの二人も一緒にご飯食べに誘おうよ♪」

葵は、2人の男子生徒の元に小走りで駆ける

葵「(ねぇねぇ～カンナちゃんの友達なんでしょ～♪一緒に食べよ～♪)」

田中「(え、あ、い、良いんですか？)」

葵「(うん♪皆で食べた方がおいしいよ～♪)」

中田「(じゃあ…言葉に甘えて…)」

葵は、2人を連れ、私たちの下へと戻ってくる。

田中「え、えっと‥俺は田中秀吉って言います。その…カンナさん達とは、同じクラスです。」

中田「俺は…中田といいます。ほぼ田中と同文です。」

葵「二人ともよろしく～♪私桜木葵♪こっちから～瑞樹に～椿ちゃん♪」

瑞樹「…よろしく」

椿「よろしくでぇす!」

私たちは数刻田中さんたちを交え、軽い雑談を行い、親交を深める。

葵「へぇ～二人とも、スポーツ好きなんだね♪」

田中「はい、俺は小さい頃からずっと野球一筋っす!」

杏奈「僕もスポーツ好きだよ。野球もサッカーも。」

杏奈ちゃんと葵は田中さんとスポーツの話題で盛り上がっている。

中田「う～んそうだな…この表現はきっと…この主人公は…こういう事をいいたかったんじゃないかな?」

カンナ「あ、あってます♪すごいです、中田さん♪」

中田「いや～意外と難問だね。これは。」

椿「全然分からないのだ…」

カンナちゃんと中田さんは有名大学の赤本の問題を出し合い、椿ちゃんはその問題に悪戦苦闘している。


瑞樹「ん…もうすぐ昼休みが終わるわね。」

私がふと時計を見ると、あと数分で昼休み終了を示していた

瑞樹「さて、皆。そろそろ片付けて、教室に戻るわよ。」

葵「うんそだね～♪」
私たちは、食べ終った全員のお弁当を屋上のゴミ箱に捨てる。

中田「じゃあ、この続きは、また明日って事で。」

カンナ「そうですね～♪」

葵「ふぇ～また授業か～…」

瑞樹「我慢してよね。葵」

私たちは、屋上のドアから校内に入り、再び自分たちの教室がある階まで降りる。

葵「杏奈ちゃん、カンナちゃんまた放課後でね～」

杏奈「うん、わかった～」

カンナ「では、葵ちゃん、瑞樹ちゃん、また会いましょうね」(ニコニコ…)

瑞樹「ええ。」

私たちは再び、カンナちゃんたちと別れ、再び自分たちの教室へと向かう。