第４８話　三日目　「相棒」ＶＳ「師弟」①　作：白金　将

～夕方　死闘場控室～
女戦士「うえぇ……まだ頭がぼうっとするよぉ……」
射手「試合なんだから少しだけ我慢するんだし……」

射手「向こうは一対一の戦いを仕向けて来るんだし」
射手「だから今のうちに誰と戦うか決めるんだし」
女戦士「うーん」

女戦士（剣士さんは近接攻撃だと実力差が大きくて……）
女戦士（訓練生ちゃんだと攻撃のリーチで大きく負けている……）
女戦士「勝ち目ないじゃん！」ｳﾙｳﾙ
射手「まぁまぁ落ち着くんだし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

射手「剣士さんの場合、女戦士さんのこれまでの訓練の成果が試されるんだし」
射手「元々軍に入っていた女戦士さんならきっといい勝負できると思うんだし」
女戦士「大丈夫かなぁ(´・ω・｀)」
射手「女戦士さんが頑張ってたのはよく知ってるんだし」
女戦士「射手ちゃん……」ｳﾙｳﾙ

女戦士「ありがとー！　頑張るよ私ー！」ｷﾞｭｩｩ
射手「ひあぁ……ぐるし……」
女戦士「あ、ごめん」ｻｯ

女戦士「私は剣士さんと戦うから、射手ちゃんは訓練生ちゃんをお願い」
射手「分かったんだし」



吹き矢兵「そろそろいいか？」
２人「大丈夫です（だし）！」



～夕方　死闘場～
剣士「来たか」
訓練生「来ましたね」

女戦士「よろしくお願いします」
射手「お願いしますなんだし」
格闘戦士「よし……構え！」

格闘戦士「準決勝、始め！」



女戦士「行くよ！　射手ちゃん！」
射手「分かったんだし！」
剣士「かかってこいやぁぁぁぁ！」
訓練生「尋常に勝負です！」

女戦士（やっぱり剣士さんの正面に立つと緊張する……）
女戦士（だけど、負けるわけにはいかない！）
剣士（本気でやり合うのは初めてか……楽しみにしてるぞ）

射手（鎖は思ってる以上にリーチが長いから障害物を使わないといけないんだし）
射手（でも遠距離戦ならこっちが圧倒的に有利なんだし……！）
訓練生（射手ちゃんと戦うのは気が引けますが、戦う以上は本気でやらせていただきます！）



女王「楽しみな組み合わせが始まったわね」
女王「あなたはどっちが勝つと思う？」
聖戦士「甲乙つけがたいですね」
聖戦士「女戦士の実力が未知数ですので何とも」
女王「そう言えば彼女の真面目な試合が見られるのはこれが初めてだったわね」

女王「射手とのタッグで彼女はどのような力を見せてくれるんでしょうね……」
聖戦士（女戦士には辛い組み合わせだろうが……さあ、どう戦う）



スカ黄「やっと女戦士おねーちゃんの試合が見られるね！」
スカ青「前は見られなかった」
スカ黄「賢者さんはどっちの応援してるの？」
賢者「えっ？　あ、そうね……私はどっちも応援してるわよ」
スカ黄「あ、ずるーい！」

賢者（応援する身からしたら辛い組み合わせね……）
賢者（でも女戦士さんの戦いにも興味があるから楽しみ）



女戦士「ていやぁ！」ﾌﾞﾝｯ
剣士「まだまだぁ！」ｶﾞﾝｯ
女戦士「くっ……」

女戦士（剣士さんの力、思った以上に強い……）
女戦士（あまり最初から飛ばし過ぎるとスカウトちゃんたちみたいになっちゃうから……）
剣士（さあ、どう来る……）

女戦士「ていやぁっ！」ﾌﾞｩﾝ
剣士「！？｣ｶﾞﾝｯ
剣士（想定以上の力……やはり強い……！）
女戦士（隊長直伝の剣技……どこまで通用するか……！）

女戦士「そいっ！」ｽｯ
剣士「ちぃっ！」ｶﾞｧﾝｯ
女戦士「今だぁぁぁぁ！」ﾌﾞｩｩﾝ
剣士「！？」ｶﾞﾝｯ
格闘戦士「一本！」

剣士「……ほほう」
剣士「そう来なくっちゃなぁぁぁぁ！」



訓練生（一体どこに隠れちゃったの……？）
訓練生（落ち着かなきゃ、落ち着いて……）
訓練生「……」


ﾋｭﾝ
訓練生「！」ｻｯ
ｶｯ

訓練生（頭の的をかすっていった……！？）
訓練生（でもまだ一本貰っていない……！）
訓練生「そこです！」ﾌﾞｩﾝ

ｽﾊﾟｯ

訓練生「えっ……」
吹き矢兵「一本！」
訓練生（早すぎる……矢を放った後は少しだけ時間が空くはずなのに……）

射手「そんなんじゃ遅すぎるんだし」
訓練生「ううっ……」



賢者「……」
賢者「あー、もう！」
スカ黄「剣士さんも訓練生さんも一本取られちゃった……」
スカ青「まだ始まったばかり」
スカ黄「おねーちゃんも射手ちゃんもすごいねぇ……」

賢者（剣士の馬鹿……見てるこっちがドキドキしてくるじゃない……）
賢者（私も何を考えてるのかしら……ああ、ばかばかばか）
スカ黄「賢者さんどうしたの？」
賢者「……え、私？　何でもないわよ……」
スカ青（顔赤くなってる……）