第５５話　最終日　エキシビジョンマッチ③　作：白金　将

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残り残機
女戦士　１
射手　　３
聖戦士　１
女王　　２
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聖戦士「あと一回か……」
聖戦士「……ﾌﾌﾌ」
射手「……！」

聖戦士「私は負けられない……女王様の為に負けるわけにはいかない……！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
射手「これは……まさか……！」

聖戦士「見せてやろう！　これが『アマゾネスの意地』だ！」
聖戦士「そしてお前にはここで沈んでもらう！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
射手（圧倒的威圧感……立ってるだけで漏らしそうになって来るんだし……！）

射手（早い所決めないと……！）ｽﾊﾟｽﾊﾟｽﾊﾟ
聖戦士「そんな物止まって見えるわぁぁぁぁ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ｶﾝｺﾝﾍﾟﾝ

聖戦士「遅いっ！」ﾌﾞﾝｯ
射手「……！」
射手（一瞬で距離を詰められた……！）

ｶﾞﾝｯ

吹き矢兵「一本！」
射手（そんな……あの速さにどうやって付いて行けば……）ｾﾞｪｾﾞｪ



女戦士「あと２回……同じ方法は流石に使えないから……」
女戦士（足腰も元に戻った……！）

女王「流石にそれは予想外だったわね……それじゃ」
女王「私も本気を出してみようかしら」ｽﾁｬ
女戦士（あの構え……まさか）

女王「これをかわせるかしらぁぁぁぁ！？」ﾌﾞﾝｯ

ﾌﾞﾝｯ　ﾌﾞﾝｯ　ﾌﾞﾝｯ　ﾌﾞﾝｯ　ﾌﾞﾝｯ
ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

女戦士「あ……」
女戦士（回転切りをしながらこっちに近づいてくる……！）
女戦士（しかもなんか竜巻っぽいのも出来てる！）

女戦士「逃げるんだよぉ！」
女王「待ちなさい！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ



剣士「あの技は……」
賢者「かつて女王が現役の戦士だったころ、女王まで上り詰めた必殺技……」
賢者「当たれば流石に軽傷じゃ済まないわね……それだけ女王も本気ってこと」
スカ黄「女戦士さんはどうなっちゃうのー？」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
スカ青「生きてるから。多分」
調教師「流石にブランクはあるかと思ったが、パッと見、それもないようだな」

賢者「私も女戦士さんみたいに、女王様に抱き着いてみようかしら」
剣士「やめとけ」



射手（壁に追い詰められた……！）
聖戦士「もう逃げ場はないぞ」ﾌﾞﾝｯ
射手「……っ！」ｻｯ

ｶﾞﾝｯ

射手（こうなったら矢で突くしか……！）
聖戦士「見切った！」ﾎﾞｺﾞｫｯ
射手「……！？」
吹き矢兵「一本！」

射手（腹部を……蹴られた……）
射手（あれ、視界が、ぐらぐらって……）


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～過去　深夜　射手の家～
射手「女戦士さん」
女戦士「ＺＺＺ……」

射手「女戦士さーん」
女戦士「ＺＺＺ……」

射手（起きないんだし）
射手（……これでダメだったら明日の朝に話すんだし）
射手「」ｽｩｰ

射手「お姉ちゃん……？」
女戦士「はうわっ」ｶﾞﾊﾞｯ
射手「わわっ！？」

女戦士「……今誰かにお姉ちゃんって呼ばれたような」
射手「気のせいなんだし」
射手（まさか本当に起きるとは思ってなかったんだし……）ｱｾｱｾ
女戦士「むーっ、なんだか眠れなくなっちゃった」
射手「ごめんなんだし」
女戦士「？」
射手「あ、なんでもないんだし」

射手「……女戦士さん」
女戦士「なあに？」
射手「その……」
射手「トーナメント、ペアを組んでほしいんだし」

女戦士「」ﾃﾞﾝ
女戦士「」ﾃﾞﾝ
女戦士「」ﾃﾞﾝ
射手「」ｺﾞｸﾘ



女戦士「いいよぉぉぉ！」ｷﾞｭｩｩ
射手「はうわっ！？」ｶｧｧ///
女戦士「射手ちゃんとだったら百人力だよ！」
射手「お、女戦士さん、顔が近……」
射手「」ｶﾊﾟｧ
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～夕方　死闘場～
射手（……おねえちゃん）
射手（おねえちゃんの、ために……）

射手「お姉ちゃんの為に！」ｷﾞﾗｰﾝ
聖戦士「……！」
聖戦士（この威圧感……本当に射手の物なのか……！）

射手「そいやそいやそいやそいやそいやぁぁぁぁ！」ｽﾊﾟｽﾊﾟｽﾊﾟｽﾊﾟｽﾊﾟ
聖戦士「……！？」

ｶﾝｺﾝﾍﾟﾝﾋﾟﾝｹﾝ

聖戦士（速い……射手の速度だけでなく、矢の速度も上昇している……！）
聖戦士（そうか、これが射手の意地……）

聖戦士「ならばその上を行くまで！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
射手「どこからでもかかって来いなんだし！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

射手（お姉ちゃん……もう少しだけ頑張るんだし！）ｸﾞﾗｯ



女戦士「……！」
女戦士（今、射手ちゃんが「お姉ちゃん」って呼んだような……）
女戦士「」ｶﾝ☆ｺｰﾝ

女戦士「……私の必殺技、パート２」
女戦士「これでも食らいなさい！」ﾌﾞｩｩﾝｯ

ｽﾎﾟｯ　ﾋｭｰｰｰ

女王（何か飛んでくる……）
女王（……あれは女戦士の剣鞘！？）

ｶﾞｺﾞﾝｯ

女王（何とか弾けたが……動きは止められた……！）
女戦士「今だぁぁぁぁ！」ﾌﾞﾝｯ
女王（しまった、後ろは……！）

ｶﾞﾝｯ

格闘戦士「一本！」