第２９話　旧友「アマゾネスの吹き矢兵」①　作：白金　将

※今回は短いです。吹き矢兵さんごめんなさい。

～朝　射撃場～
吹き矢兵「……」
吹き矢兵「……！」ｼｭｯ

ｽﾊﾟﾝｯ

吹き矢兵（当たった……）
？？？「吹き矢兵さーん」
吹き矢兵「？」

吹き矢兵「なんだ、射手か。朝からお前が来るとは珍しい」
射手「そろそろ練習しないとまずいと思ったんだし」
吹き矢兵「そろそろ……なるほど、もうそんな時期か」
射手「去年は決勝で負けちゃったから今年こそ頑張るんだし」

吹き矢兵「よし、それじゃ走り込みに行こう」
射手「走るんだし……？」
吹き矢兵「お前の唯一の弱点は体力の無さだ。それを補う」
射手「走るの嫌なんだしー」
吹き矢兵「四の五の言ってないで行くぞ」ｸﾞｲｯ
射手「うわああぁぁ」ｽﾞｽﾞｰ



～朝　射手の家～

女戦士「ＺＺＺ……」
女戦士「ＺＺＺ……」
女戦士「……」

女戦士「はうっ」ﾋﾞｸｯ
女戦士「……あれ、射手ちゃん？」
女戦士「射手ちゃーん」
女戦士（射手ちゃんがいない……？）

訓練生「女戦士さん！」
女戦士「わわっ！」
訓練生「女戦士さん、大変です！　射手さんが……」
女戦士「訓練生ちゃん、落ち着いて！」
訓練生「は、はい」ｽｰﾊｰ

訓練生「射手さんが、走り込みに行ってるんです！」
女戦士「ええっ！？」



～十分後～
女戦士「朝ごはんとりあえず作ったよ」
女戦士「射手ちゃんが走り込み……何かあったの？」ﾊﾟｸﾊﾟｸ
訓練生「あっ、女戦士さんは知らないんですね」ﾊﾑ
訓練生「この里では、年に一度トーナメントで最強のペアを決めるんです」
女戦士「ペア？」ﾊﾑ
訓練生「アマゾネスでペアを組むんです」ﾊﾟｸﾊﾟｸ
女戦士「ふむ……」

女戦士（射手ちゃんと一緒に出たいけど……射手ちゃんにも相手はいるんだよね）
訓練生「射手さんの練習を覗いて見ますか？」
女戦士「うん！」



～昼　広間～
吹き矢兵「大分走ったな」
射手「ぜぇ……ぜぇ……」
吹き矢兵「そこにシートを敷いたから横になりな。脚揉んでやるよ」
射手「ありがと……なんだし……」ｾﾞｪｾﾞｪ
射手「」ﾊﾞﾀﾝ
吹き矢兵「痛くないようにするからな……」

女戦士「あの人は誰？」ｺｿｯ
訓練生「吹き矢兵さんですね」ｺｿｯ
訓練生「昔から射手さんとは親しいんですよ」
女戦士「ほえぇ……」
訓練生「大丈夫ですよ。そういう間柄じゃありませんから」
女戦士「はうっ！？」
訓練生「静かに」ｼｰｯ
女戦士「あ、あうっ」

射手「大分楽になったんだし……」
吹き矢兵「長い事運動の一つもしてなかっただろ」ﾓﾐﾓﾐ
射手「う……」
吹き矢兵「体の凝り具合を見たら隠したって分かるよ」ﾓﾐﾓﾐ
吹き矢兵「大分痛めてるな……無理しやがって」ﾓﾐﾓﾐ
射手「ごめん、なんだし……」

女戦士「射手ちゃんもマッサージしてもらってる」
訓練生「私がしてるのと変わりませんね」ﾆｺﾆｺ
女戦士「わらうなー」ﾌﾟﾝｽｶ
訓練生「帰りましょうか」
女戦士「そうだねー」
女戦士（私も頑張らなきゃ！）