第２０話　司書「アマゾネスの賢者」①　作：白金　将

～図書館にて～
射手「女戦士さんが剣士さんと訓練に行ったから図書館に来たんだし」
射手「図書館と言っても本は限られてるんだけど……」
？？？「あら、いらっしゃい」
射手「どうもです」

射手「お久しぶりです、賢者さん」
賢者「久しぶりねぇ。女戦士はどうしたの？」
射手「剣士さんと遊びに……」ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ
射手「訓練してるんだし」
賢者「強い戦士になれそうね」
射手「……暇つぶしに来たんだし。何かいい本あったら貸してくれだし」

賢者「暇つぶし？　そう言えば、少し前に王立魔法図書館から取り寄せた物があったわね」
射手「じゃあそれにするんだし」
賢者「射手ちゃんにはまだ早いかもしれないけど……」
射手「いいから早くするんだし」
賢者「はいはい」ｽﾀｽﾀ

射手（にしてもこの図書館広いんだし）
射手（文明はあまり発達してないけど本だけは多いんだし……）
射手（と言ってもジャンルはほとんど同じなんだし）ｼｮﾎﾞｰﾝ
賢者「持って来たわよー」
射手「お、ありがとうなんだし」

賢者「えーっと、確か、『荒野の女戦士×アマゾネスの射手』って奴で」
射手「ちょっと待つんだしなんでそんなのがあるんだし」
賢者「なにって、向こうからわざわざ買って来たのよ？」
射手「なな、ななな、なんでピンポイントでうちと女戦士さんなんだし」
賢者「さあ」ﾌｰﾝ

賢者「とりあえず、私は本の整理しなくちゃいけないから。それでも読んでて」
射手「あ、待つんだし」
賢者「一時間くらいで戻って来られるからそれまでに読みなさいよー」
射手「……行っちゃったんだし」
射手「ににに、にしても、この本は一体なんなんだし」
ｼﾞｰｯ
射手「表紙の女戦士さんかわいいんだしいいぃぃ！」ｶｧｧ///
射手「」ﾊｯ
射手「」ｷｮﾛｷｮﾛ
射手（だ、誰もいなかったんだし……？）

射手「とりあえず読んでみるんだし。駄目だったらもう読まないんだし」
射手「」ﾊﾟﾗｯ
―　―　―　―　―

射手「女戦士さん、朝ごはんなんだし」
女戦士「射手ちゃんを食べるからいいもーん」ｷﾞｭ
射手「ひあぁぁ！？」ｶｧ//
女戦士「やっぱり射手ちゃんかわいいねー」
射手「お、女戦士さん、そんなの照れるんだし」
女戦士「だーめ。ほら、射手ちゃんこっち向いて」
射手「うー」ｶｧｧ////

女戦士「」ﾁｭ

―　―　―　―　―
射手「きゃあぁぁぁ！」////
射手「女戦士さんかわいいんだしぃぃぃ！」
賢者「気に入ったようね」
射手「はうわっ！？」

賢者「さっきから息荒くなってるわよ」
射手「そ、それは、その」
賢者「別にいいわよ。それ、あなたにあげるから」
射手「へっ？」
賢者「元々いつかあなたにあげるために多く買ったのよ。大事にしなさい」
射手「ありがとうなんだし……」
射手（すっかり夢中になってまだ三ページも読んでなかったんだし……）

射手「……あ」
賢者「どうしたの？」
射手「な、なんでもないんだし」
射手（……これ、どこに隠せばいいんだし？）