第６３話　あの場所へ帰るために　作：白金　将

～異次元　鎖使いの家～

ｶﾞﾘｯ

鎖使い「……」
鎖使い「一日一回つけてる傷が今日で４０個……」
鎖使い「帰る方法が見つかればいいけど」

女戦士「ＺＺＺ……」
鎖使い「彼女から感じたのはヴェルズのオーラ……」
鎖使い「でも、ここから出るには彼女の力が必要みたいね」
鎖使い（鎖を解いて床に寝かせたのは正解だったかな）

もけもけ「」ﾓｹｰ
鎖使い「よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
もけもけ「」ﾓｹｹ



女戦士「……む？」
鎖使い「起きた？」
女戦士「はい……なんでしょう。頭が変な感じで……」
鎖使い「普通の世界とはいろいろ違う所があるから仕方ないかな」

鎖使い「……申し訳ないけど」
鎖使い「あなたには自在に次元を操ることが出来るように訓練してもらわないと」
女戦士「訓練……めんどうくさいなぁ」
鎖使い「私がおうちに帰れるかもかかってるんです！」
もけもけ「」ﾓｹｰ!
女戦士「……」

女戦士「よし、頑張ろう！」
鎖使い「おー！」
もけもけ「」ﾓｹｰ!



～夕方　里　射手の家～
射手「……」
射手「……」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

聖戦士「……いるか？」
射手「」ｺｸﾘ

聖戦士「今日で１０日目だ」
聖戦士「気持ちがわからないでもないが、たまには出てきたらどうだ」
射手「」ﾌﾘﾌﾘ
聖戦士「……そうか」

聖戦士「また来るぞ」ｽﾀｽﾀ
射手「……」



聖戦士（一応休みをもらったが……）
聖戦士（里も復興で大変な時期だ。私は休んでよかったのだろうか……）

聖戦士（ぐ、頭が……）ﾌﾗｯ
聖戦士「」



聖戦士「」ｶﾞﾊﾞｯ
聖戦士「……お休み」
聖戦士（早く家に帰って女王様の同人誌を一から百までしゃぶりつくさないといけｎ）



～異次元　鎖使いの家～
女戦士「つかれたよぉ……」ﾊﾞﾀﾝ
鎖使い「でも大分制御できるようにはなってるじゃないですか」
女戦士「今日はもうやめようかなぁ……」
女戦士「あれ、ここには水浴びできるところないんだっけ」
鎖使い「残念ですが……」

鎖使い「水の備蓄は結構ありますが、それでも水浴びは出来ませんね」
鎖使い「布切れで身体を拭くしかありません」
女戦士「そっか……」

女戦士「つかれたから背中の辺りふいてー」
鎖使い「仕方ないですね……」
女戦士「ありがと……」ﾇｷﾞﾇｷﾞ



鎖使い（……女戦士さんの身体、いい感じに引き締まってる）ﾌｷﾌｷ
鎖使い（そして結構着やせしているタイプ……？）
女戦士（うーん……）
女戦士（なんかじっくり見られてるような……）

女戦士「まだー？」
鎖使い「あっ」
鎖使い「い、急いで拭きますね」//



鎖使い（そう言えばずっと他の女性と話したことなかった……）
鎖使い（うう……周りは誰もいないけど……）
鎖使い「……終わりました」
女戦士「ありがとー。それじゃ、ちょっとベッド借りるねー」ｺﾞﾛﾝ
鎖使い「あれ、服は」
女戦士「服はそのまま置いといて―」

女戦士「ＺＺＺ……」
鎖使い（女戦士さん……ごめんなさい、我慢が出来ません……！）ｶﾞﾊﾞｯ



～真夜中　里　女王の間～
女王「……」
女王「……」ﾌｰﾑ

女王「一人だと退屈ね」
女王「聖戦士は今まで頑張ってくれたから家に帰したけど……」
女王「……」

女王「本当は隣にいてほしいのにね……」



～真夜中　里　図書館　賢者の部屋～
賢者「ええと……」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ
賢者「……」

賢者「……」ｳﾄｳﾄ


剣士「」ｽﾀｽﾀ
剣士「ん」

賢者「ＺＺＺ……」
剣士「全く……無理しやがって」

剣士「ほら、毛布だ」
剣士「最近無理が続いているから病気とかにはなるなよ……」
剣士「……」

剣士（好きな人がいないと、その人は病気にすらならないのか）
剣士（射手があいつのことをどう思ってるかは知らないが……辛いだろうな）



～異次元　夜？　鎖使いの家～
女戦士「……ぁっ」ﾋﾞｸｯ
鎖使い「」ｷﾞｭ

女戦士「訓練生ちゃん……そこはダメって言ってるでしょ……ＺＺＺ……」
鎖使い「……！」
鎖使い（まさか妹も彼女のことが……？）

鎖使い「……」
鎖使い（妹には負けてられないんだから）ﾓﾐﾓﾐ
女戦士「ぁぁっ……ＺＺＺ……」ﾋﾞｸﾝ









～異次元～
鎖使い「大分できるようになりましたね」
女戦士「努力の成果だよぉ」
女戦士「これで自由自在にいろんな次元に行き来できるのかな……？」
鎖使い「まずはいろいろやってみないと分かりませんね」

女戦士（なんか夜あんまり疲れ取れてる実感はないけど……ま、いっか）
女戦士「それじゃ、さっそく始めるよー。忘れ物はない？」
鎖使い「大丈夫です」

女戦士「これをこうして……そいやっ！」

ｽﾞｽﾞｽﾞ

二人「あ、あれ、吸い込まれるよぉぉぉぉ！」ｽﾞｽﾞｽﾞ
もけもけ「ﾓｹｪｪｪｪ」ｽﾞｽﾞｽﾞ