第６４話 大天使クリスティアのお話　作：ハカラメ

注）ｓｓ初心者です！二次設定その他もろもろにご注意ください。
ライトロードのお話なのに主役がクリスティアとは、これいかに・・・？
そんなわけで、ケルビムさんの天界でのお話です。






「天空の聖域」

それは、光の国上空に浮かぶ、美しき神殿。
そこでは、光の国の王である大天使とその部下である天使たちが、日々光の国の民たちをまとめ、平和を守っているのだった・・・




バサッバサッ
ケルビム「ふぅ、やっと着いたか」

ケルビム「ここに戻ってくるのは、久しぶりだな...」


シャイン・エンジェル「あっ、ケルビムさん！お久しぶりでございます」
ケルビム「おぉエンジェルじゃないか。しばらく見ない間に、随分立派になったな」
シャイン・エンジェル「ケルビムさんもお変わりないご様子で何よりです。ささ、大天使様がお待ちです、どうぞこちらへ！」


～～～


天空の聖域内、神の居城ヴァルハラの「国王室」...


シャイン・エンジェル「大天使様、ケルビムさんがお着きになられました」
？？？「おぉ、そうか。入れ」

ギギギィ...バン！


大天使クリスティア「久しぶりだな。会えて嬉しいぞ、ケルビム」


ケルビム「お久しぶりでございます、大天使クリスティア様...」
クリスティア「はっはっは！ そう堅苦しくするな、お前らしくもない。昔のように、タメ口でもいいのだぞ？」
ケルビム「むぁっ！？ そ、そのような昔の事は、お忘れくださいと言ったではありませんか！」
クリスティア「はははっ！ 冗談だよ冗談！はっはっは！」
ケルビム「くっ...///」


シャイン・エンジェル「それでは、私はこれで。どうぞごゆっくり...」
ギギギィ...バタン


ケルビム「・・・それで、ご用件というのは何でしょうか」
クリスティア「ん？用件なんてあったかな」
ケルビム「大事な用件があるから早く来いという手紙をよこされたじゃないですか！」
クリスティア「あ！そういえばそうだったな！はははっ！」
ケルビム「はぁ...しっかりしてください、あなたはもうこの国の王なんですよ？」
クリスティア「そう言われてもなぁ・・・で、その用件というのはな、他国の事なんだが...」




ケルビム「・・・なるほど。水の国が、風の国に侵略しようとしている、ということですね」
クリスティア「あぁ。すでに水の国は、一部がすでに風の国と戦闘状態だったが、いよいよ大きな戦に発展しようとしているらしいのだ」
ケルビム「他国の国は、どうすると？」
クリスティア「闇の国は水の国を支援していると噂されるが、今の所は動きがない。中立国の地の国と、かつての同盟国であった炎の国も、これといって動いてはいない・・・光の国は、風の国と同盟を結んでいる間柄だ。これ以上戦闘が激化するようならば、我々も黙っているわけにはいかぬのだ・・・」
ケルビム「それで、私たちの力を借りたい、ということですか...」
クリスティア「・・・そうだ。ライトロードは光の国の中でも１、２を争うほどの大きな勢力だ。その力を借りることができれば、この度の戦も・・・」

ケルビム「・・・申し訳ありませんが、それは出来ません」

クリスティア「！」
ケルビム「我々の長である、セイントミネルバ様は、先の大戦以降、決して他国とは戦わないことを誓っています。ミネルバ様は、もう誰にも傷ついてほしくはないのです・・・だから、私たちは戦うわけにはいきません」
クリスティア「・・・」
ケルビム「申し訳ありません、大天使様。ですが・・・」
クリスティア「・・・お前なら、きっとそう言うと思ってたよ」
ケルビム「！」
クリスティア「すっかりライトロードが板についてるじゃないか、ケルビム。その調子で、これからもよろしく頼むぞ」
ケルビム「は、はい...あの、戦闘の件は・・・？」
クリスティア「その事なら問題ない。我々の誇る天使隊が、すでに水の国へ向かっている所だ。だから心配いらないよ、はっはっは！」
ケルビム「ま、まさか、私を試したのですか！？」
クリスティア「まぁまぁ、そう怒るなって。久しぶりに、お前の顔も見たかったしなぁ」
ケルビム「呆れた・・・用件が済んだのなら、私はこれで失礼します」ｽﾀｽﾀ

クリスティア「なぁ、ケルビム。お前、天界へ戻って来る気はないか？」
ケルビム「！？」
クリスティア「お前がいないと、どうにもつまらんのでなぁ、はっはっは...」
ケルビム「・・・もう...あなたなら、私がいなくても大丈夫ですよ。今だって、しっかり王として務めを果たしているじゃありませんか」
クリスティア「だがなぁ...」
ケルビム「それに・・・私はライトロードが好きなのです。ライトロードがある限り、私の居るべき場所はあそこなのです。申し訳ありません・・・」
クリスティア「・・・そうか・・・それは残念だな！あっはっは！」
ケルビム「・・・ふふっ」


ケルビム「それでは、大天使様。私はこれで・・・」
クリスティア「あぁ、そうだケルビム。セイントミネルバは今どうしてる？」
ケルビム「ミネルバ様ですか？ さぁ、今はどこにいるのやら・・・どこかの国で慈善活動をしているかと思いますが...何故です？」
クリスティア「いや、大したことじゃないんだ。ただ何となく、何となくな・・・」
ケルビム「もしかして、『嫌な予感』ですか？やめてくださいよ、あなたの嫌な予感は、よく当たるんですから・・・それじゃあこれで、失礼します」
クリスティア「あぁ、またいつでも来いよ！」
ケルビム「ｸｽｯ　あなたという人は、まったく・・・それではこれで」
クリスティア「はっはっは！　あっはっはっは！！！」


ギギギィ、ガチャン...



クリスティア「はっはっはっはっ・・・ふぅ」

クリスティア「よく当たる・・・か」



クリスティア「何もなければいいんだがなぁ・・・」




大天使クリスティアのお話、完

第６５話に続く