第２７話　側近「アマゾネスの聖戦士」②　作：白金　将

～昼　市場～
格闘戦士「……お、聖戦士じゃないか」
聖戦士「久しぶりだな」
格闘戦士「丁度魚を運び終わった所だよ。しかし、お前が一人で何してるんだ？」
聖戦士「帰るまでに暇をもらってね」
聖戦士（彼女は今でも変わってないな……）

格闘戦士「何か思い詰めてることがあったら言ってくれよ」
聖戦士「思い詰めるような事か……ないから安心しとけ」
格闘戦士「はっはっは。それならいいさ」
客「すいませーん」
格闘戦士「客が来た。いつでも相手してやるから、また来いよ」
聖戦士「ああ。引き留めてすまなかった」

聖戦士（変わってない人もいるのか……）



～夕方　聖戦士の家～
聖戦士「ここに戻ってくるのも久しぶりだ……」
聖戦士「荷物が届いてるな……ああ、もう頼んでから一か月経ってるのか」
聖戦士「一か月前の私が頼んだ物……思い出せないな」
聖戦士「札には何と書いてあるかな」

　聖戦士様はいけないペット　～私は女王様に逆らえない～　全８巻セット

聖戦士「……は？」（呆れ）
聖戦士（待て待て待て待て待て待て）
聖戦士（私は私はいつこのような物をどこで頼んだというのだ）
聖戦士（一か月前の事だから全く覚えてない……畜生、これはどこから届いたんだ……）
聖戦士（里の図書館経由だったら賢者が送ってきたに違いないが……いい迷惑だ）
聖戦士（どこから届いたんだ……）

　王立魔法図書館　より直送

聖戦士「直送！？　私が注文したというのか！？」
聖戦士（……落ち着け。落ち着くんだ）
聖戦士（きっと賢者がそう仕向けたんだ。普段の私がこのような趣味を持つはずがない）
聖戦士（そうだそうだ、そうに違いない。あとで賢者に文句を言っておこう）
聖戦士「賢者め。今度会った時は……うっ」ﾌﾗｯ

ﾊﾞﾀﾝｯ

聖戦士「……」
聖戦士（……やっと届いた）ﾑｸｯ
聖戦士（久しぶりのお休みという事は本が読み放題…！？）ｶﾞﾊﾞｯ
聖戦士（女王様あああ！）ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ
聖戦士（女王様凛々しくてかっこいいんですうう！）ﾍﾟﾗﾍﾟﾗﾍﾟﾗﾍﾟﾗ



～夕方　図書館～
女王「二重人格？」
賢者「発達した文明によるとそういう物がある、と」
女王「そんなこと言われても……聖戦士が？」
賢者「あくまで可能性の域を出ませんが……始まったのは最近ですね」
賢者「仮にそうだとしても、今までは何も支障がなかったので今後も差し支えないかと」
女王「今度は注意して見てみるわ」
女王「さて、私はそろそろ帰らないといけない頃ね」
賢者「女王は忙しいですね」
女王「忙しくもなんともないわよ。ただ……」
賢者「……？」

女王「私が帰らないと、本当に心配する人がいるのよ」
賢者「……そうですか」ﾆｺｯ
女王「だから、私はもう帰るわね。また機会があったら来るわ」
賢者「お待ちしております」

賢者（二重人格……また妄想が捗っちゃうわね）
賢者（普段は凛々しい人が乱れる姿……あぁ、想像しただけでよだれが止まらないのぉぉ）//