第１９話　ふたりの休日③　作：白金　将

～夕方　射手の家～
訓練生「なんで私が呼ばれたの？」
射手「力のある訓練生さんにお願いしたくて」
訓練生「剣士さんに頼んだらよかったのに」
射手「剣士さんはラヴァルマグマカレーから離れてくれなかったんだし……」
訓練生「あーっ」
射手「やり方は調理師さんに聞いたのでそれ通りにやるんだし」
女戦士「はーい」

女戦士「ふいーっ、これをどうしたらいいの？」
射手「このフライング・フィッシュをお刺身にして、残りは焼いて食べようかと」
女戦士「少し時間たってるけど平気かな？　一応氷の中に入れてたけど……」
訓練生「多分大丈夫だと思いますよ。それじゃ、始めましょうか」
女戦士「うん！」
訓練生「じゃ、ここを押さえて……」

～１０分後～
訓練生「ここを……えいっ！」
ｽﾊﾟﾝ
女戦士「おおっ、綺麗に割れた」
射手「流石訓練生さんですね」
訓練生「これくらいどうってことないって」
射手「ここまでやったらあとは大丈夫ですね」
射手「訓練生さんと女戦士さんは休んでてください」
女戦士「はーい」
訓練生「わかりました」

訓練生「最近どうですか？　女戦士さん」
女戦士「いろんなことがあったから疲れちゃった」
訓練生「また、マッサージしてほしかったら言ってくださいね？」
女戦士「うん！」
女戦士（その時はオプションもつけてもらっちゃおう♪）
訓練生（女戦士さんといると楽しいです……！）
射手（二人で仲良くされると集中力が切れるんだし……）ﾄﾝﾄﾝ

～１０分後～
射手「出来たんだし」
女戦士「おおーっ」
訓練生「いいですねぇ！」
射手「魚を生で食べる文化があるって言ってたからお刺身にしてみたんだし」
訓練生「生……私たちは普段は焼き魚ですからね」
女戦士（戦場に駆り出されてから魚なんてあまり食べてなかったなぁ）

女戦士（みんな、元気かなぁ）
射手「女戦士さん、どうしたんだし？」
女戦士「な、なんでもないよっ。早く食べよう！」
訓練生「私の分も？」
射手「手伝ってくれたお礼なんだし」
射手（本当のところは二人じゃ全部食べられないからなんだし……）
訓練生「ありがとう。じゃ、私も頂いちゃおう」

～２０分後～
訓練生「もうお腹いっぱいですね……」
女戦士「久しぶりにこんなに食べたぁ」
射手「お刺身全部なくなっちゃったんだし」
女戦士「たくさんお話もしたなぁ」

訓練生「あ、もう遅いので私は帰りますね」
女戦士「また来てねー！」ﾉｼ
射手「またなんだし」
訓練生「はいはーい」ﾉｼ

射手「……今日はどうしたんだし？」
女戦士「昔の事思い出しててね……なんだか恋しくなっちゃったって言うか」
射手「やっぱり帰りたいって思うんだし？」
女戦士「帰りたいって考えるんだけどね……」ｷﾞｭ
射手「ひゃっ」
女戦士「射手ちゃんと離れるのも嫌だなって」
射手（女戦士さん顔が近い近い近い近い）ｶｧ
女戦士「……あ、ごめん！」ｶｧ//
射手「別にいいんだし」ｷﾞｭｩ
女戦士「射手ちゃん……」///
女戦士「……ありがとね」
射手「辛かったらいつでも言うんだし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
女戦士「はーい」

女戦士（射手ちゃん、大好きだよ）ｷﾞｭｩｩ
射手（女戦士さんと一緒にいると楽しいんだし……）ｷﾞｭｩｩ

ー「ふたりの休日」　終わりー