最終話:to be continued?　作：ドクダミ2号

ディスペアーとの戦いは一時的とは言え、終わりを告げた。ディスペアーを退けたと言う功績の割に、世間の声は冷たかった。
元々、疑問から始まった戦いは復讐へと姿を変え、多くの犠牲を出した上で「撃退」だったのだ。全員が悪く言ってるわけでは無いが、それでも多くの者が翔の事を良くは思っていなかった。

翔「なーんだかなー、あの戦いが嘘みたいに……なっちゃったな。」
自分の部屋で、1人呟く翔。ついこの間まで戦っていたとは思えぬほど、グータラしていた。
ナナリア「アホなことを言うな。私がここにいる。嘘なんかじゃ無い！」
ナナリアは相変わらず、翔の家で一緒に暮らしている。側から見ればまるで夫婦の様に………。
翔「分かってる。大きい声は出さんで良い。………世間ってのはどうしてこうも素直じゃ無いんだか………。」
ナナリア「仕方無いだろう。元々のお前が色んな所で有名になる程、ヤンチャしてたんだからな。」
翔「日頃の行いか………、知るかよってんだ。」
2人で終わってしまった事を話す。もう、どうしようも無い事を………。




数ヶ月後……
今、翔は重要な問題を抱えていた。それは………
翔「あー……進路どうしよ………。プロデュエリスト考えてたけど、誰もスポンサー付いてくんなかったよ。」
そう、翔の進路である。忘れがちかも知れないが、翔はまだ学生だ。ただ、もうすぐ卒業が迫っている。その状態で進路が決まっていないのはどれほどヤバイか………。
ナナリア「進路……か。いっその事何でも屋とかでも始めたらどうだ？」
冗談半分で、ナナリアが笑いながら茶々を入れる。しかし…
翔「あー、それ良いかもー。このご時世、意外と儲かるかもな！っはっは！」
どうやら、半分……いや3分の2程壊れている様だ。
山崎「おい、真面目に考えろよ！！」
一緒に考えていた山崎が大声をあげ、注意する。
山崎はあの騒動のあと、すぐに病院に運ばれ一命を取り留めた。どうやら進路は決まっている様で、若干余裕がある様だ。
ツァン「本当、何考えてるんだか………。流石お不良様ですね。」
山崎同様、一緒に考えていたツァンも非難の声を上げる。ツァンの方も進路はすでに決まってるようだ。
翔「うるっせぇな！！俺の何が分かるってんだ！？あぁ！？ゴラ！」
ナナリア「良いからとっとと考えろ！！私にも直接関係してくるんだぞ！？」
直接……と言うのは、つまりナナリアは今後も一緒に翔と暮らしていくつもりの様だ。翔の元しか居場所が無いと言ったらそれまでだが………。
山崎「でも、何でも屋。良いんじゃね？だってお前ファン多いし、色んな頼み事来そうだな。普通に器用だし。」
ツァン「頭は悪いけどね。」
翔「大きなお世話だ！！」




あれから結局進路は決まらず、ずるずると2年も経ってしまった。バイトなどを転々としていたが、このままではいけないと思ったのか、取り敢えず何でも屋を始める事にした翔とナナリア。ただ、今まで住んでたあの家ではなく、遠く離れた町に移動し、そこで始めるつもりでいた。
翔「……分かってるとは思うが、もうこの街に用は無い。このままいた所で………辛いだけだ。」
ナナリア「……うん。」
翔「………何でだろな……何で………こうなったんだろうな。本来なら……俺はお前と会う事なんて絶対なかった筈なのにな………。」
ナナリア「……確かにそうかもしれない。でも、私は正直……お前に会えて良かったと思ってるんだ。」
翔「そうか………俺もだ、ナナリア。」
ナナリア「………翔。………愛してる。だから………離れないでくれ………！」
翔「………あぁ、約束するよ。だからお前も………何時までも俺の側を離れないでくれ………。」
2人はお互いに、愛の言葉を囁く。その言葉はネオドミノシティによって作られた綺麗な夜景に………こだました。
……end



今まで見てくれた人々に、感謝と謝罪を。
ありがとうございました。そして……ごめんなさい。










次回作予告
多くの学校でデュエルの科目が追加された町………デュエルフローラ。その町で暮らす、櫻と六花は町でも有名な双子の姉妹デュエリスト。そんな彼女達と一緒にいるのが、高校野球界の稲妻、雷 蓮と火がついたら爆発まで止められない、爆炎少女 早川 凛。
彼女達が日々通う学校、聖決闘高校ではよく珍事件が発生する！それを解決するのがこの4人の役目の様なものである！(ただし、蓮と凛はほぼとばっちり。)
櫻「あら？今度の犯人は……あなただったのね？覚悟なさい！」

遊戯王デュエルフローラ
〜受け継がれた魂〜
乞うご期待？