日常編・Bパート:翔とナナリア　作：ドクダミ2号

ナナリア「・・・はぁ。」
一人しかいない家でため息をつく。翔はアカデミアに通っているはずだから。
ナナリア「それにしても暇だな。こうしているだけじゃな・・・」
・・・そう、話相手もいない。一人なのだ、今はな。
ナナリア「・・・そうだ！」
一つ良いことを思いついた。翔の部屋を探索してみよう。悪戯心がでてしまうな・・・ま、いいか。
ナナリア「失礼しまーす。」
誰もいない部屋に挨拶し入る。そこまで広くない畳の部屋。・・・少しだけ翔の匂いがする気がした。
ナナリア「まずは机だな・・・ふふ。」
思わず笑いが込み上げてくる。なんだか楽しくなってきた。
ナナリア「どれどれ？・・・。」
机の一段目は教科書や文房具などに混じり小銭が入ってるくらいだった。
ナナリア「ふーん、小銭は入れない派なのか。さて二段目は？」
二段目は携帯ゲーム機とそのカセットがあるぐらいだった。
ナナリア「へー、翔はゲームとかするのか。少し意外だな。・・・無駄にRPG系が多いな・・・。」
その後も三段目、四段目とみたがカードがあるぐらいで面白いものは無かった。
ナナリア「さて次は・・・ん？楽器？」
部屋の隅に幾つかの楽器がある事に気付いた。エレキギター、ベース、キーボード・・・。もしかしたらドラムも持ってるのか？
ナナリア(さてはバンドでも組んでたか？・・・想像がつかないな。いつも半目で過ごしてるようなあいつがノリノリで演奏する姿が・・・。)
ナナリア「さて本命の・・・押入れを・・・」
その時だった。
翔「何してんだおめーは・・・。」
ナナリア「げ！翔！い、いやこれはだな、その、・・・ごめんなさい。」
翔「素直でよろしい。・・・まさか押入れ開いてないだろうな？」
ナナリア「開いてないが・・・何故？」
翔「いや・・・気になっただけだ。」
ナナリア「？」
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次の日
ナナリア「何故あいつは押入れを気にしたんだろう？・・・確かめてみるか。」
今は朝。調べるだけなら、時間はかからない。
ナナリア「・・・何だか怖くなってきた・・・。」
押入れを目前にして急に弱気になってしまった。・・・何を弱気になっている！こういう時は勢いが肝心だ！
ナナリア「せぇの！」
すっ！
ナナリア「・・・特にないもない？」
布団とドラムがあるぐらいだった。
ナナリア(・・・ていうかドラムあったのか。・・・あいつはどこまで弾けるんだ？・・・この際だ。奥も見てみよう。)
少し進むと何かあるのが見える。どうやら封筒みたいだが？
ナナリア(これは・・・写真？誰の写真なんだろう？)
その写真には見知らぬ女性がギターを持って歌っているような写真があった。・・・いや待て、見知らぬ？いや、見た事あるような？
・・・独特な緑の髪。半目。へそ出しの格好から見える女性とは見えない腹筋、というより筋肉。そして余りにも無さ過ぎて不自然な胸。
ナナリア「・・・まさか。」
顔を上げてみる。・・・そのまさかだった。写真に写っている服が置いてあった。間違いない。これは翔だ。
ナナリア「え！？何で！？そういう趣味とか！？いやいやいや絶対ない！・・・待てよ？」
・・・楽器を見た時を思い出す。確か私はバンドでも組んでたかと思った。・・・これはまさかバンド活動か？
翔「お、懐かしい写真。」
ナナリア「ぎゃー！！！何で！？何でいるの！？」
翔「下校時間が早かったんだよ今日は！で、お前の事が心配で急いで戻って見れば・・・！」
ナナリア「え？私の事が・・・？」
翔「・・・と、口が滑ったか。と！に！か！く！俺の部屋を勝手に漁るな！」
ナナリア「ごめんなさい・・・。」
翔「・・・でも、本当に懐かしいな。学園祭の時の写真だ。」
ナナリア「学園祭？アカデミアにもそんなものが？」
翔「あるわい！・・・去年の話だ。有志発表でさバンドやったんだ。俺と山崎ともう一人でな。その時にさせられた格好だ。」
ナナリア「ふーん。そうなのか・・・。」
翔「・・・お前の部屋も探索してやる！」
ナナリア「あぁ。・・・ん？いや！ちょっと！！？」
翔「へー、こんな下着を・・・。」
ナナリア「何見てんだ！！おい！！被るな！！」
・・・fin