番外編5:とある風紀委員のマル秘手帳　作：ドクダミ2号

4月28日、つまり今日は散々な1日になったと思います。
今日はいつもどうり風紀委員室でお仕事をしていたときでした。
廊下から変な声が聞こえてきたんです。それは…怒号の様な物でした。
「放っせての！！ふざけんな！！」
うわ〜。また面倒なのが来たよと心の中で思いながら、耳をすまします。すると委員長こと、原 麗華先輩の声がして来ました。
麗華「ダメです。離しません。」
「っざけんな！！おい！！」
麗華「入りなさい。」がらら！
そこにはなんとあの遊亜翔先輩の姿がありました。
翔「何なんだよ！俺、何かした！？」
麗華「貴方に是非風紀委員になって頂きたく、連れてきました。」
私は素っ頓狂な声をあげたことでしょう。もちろん、言われた本人、翔先輩も素っ頓狂な声をあげてました。
翔「俺が？風紀委員？ばかばかしい！寝言は寝て言えや！」
麗華「貴方は人一倍正義感が強いんですよ。そこを見込んで言っているんです。寝言ではありません。」
翔「アホかっての！やってらんねー。帰る。」がらら
麗華「あぁちょっと！！ふぅ行ってしまいました……。」
………何やら変な事になってまいりました。
あの後翔先輩の行動が気になって悪いとは思いつつも後をつけてみました。
何やら誰かを探してる様でキョロキョロしながら校内を歩いていました。すると………
マリア先生「あ、翔くん！こっち！」
どうやらマリア先生を探していた様です。
翔「これ、宿題のプリントです。」
マリア先生「翔くん、人に物を渡す時は両手で持ちましょう。」
翔「………。」
翔先輩………不服そうな顔をしています。こういう所を見ると「あぁ、不良に見える」と思ってしまいます。
次に教室に戻ったみたいです。一体何の為なんでしょう？
翔「あれぇ？どこやったかなぁ？俺のVI◯A……。」
どうやら、ゲーム機をなくしたみたいで結構焦った顔で探しています。学校にゲーム機を持ってくる時点でアレですけど……。
その時でした。
不良生徒1「かっかっか！お前のゲーム機はここだよーん。」
不良生徒2「返して欲しけりゃこっち来るんだな！ははは！！」ダダダッ！
あちゃー、盗難事件です。風紀委員としてここはキツく言いたいとこですが相手が相手、少し怖い。……でも！私だって麗華さんみたいになりたい！ここで引いてしまったらダメです！
そう思い、私は走りました。
私「あの！そのゲーム機を翔先輩に返してあげて下さい！」
不良生徒1「あぁ！？なんだオメェ？この俺に？お？指図するんですか？あ？」
不良生徒2「まぁまぁ、落ち着けよ。なぁお嬢ちゃん。俺らみたいな奴はほっといた方が身の為だよ〜？ん？早く帰ってあい◯りでも見てた方が良いよ？」
私「ダメです！私は風紀委員です！この件は貴方たちを指導した上で、きちんと先生方に報告致します！」
不良生徒2「……ち！うぜぇんだよ！」がしっ！！
私「きゃ！離してください！」
不良生徒2「人が下手に出てれば！！あぁ！？クソが！！」ゴス！
私「がっ！！痛いです！やめて下さい！！」
不良生徒2「ははは！！やめて下さいだってよかわいい〜！」ガス！ガン！
私「いや！痛い！がっ！」
不良生徒1「おいおい、その辺にしてやれよ。死んじゃうってwww」
不良生徒2「それもそうだなwじゃ最後に……君、エッチした事ある？」
私「え？ない…です…。」
不良生徒2「やったー！初物ゲットー！いっただきまーす」ガチャガチャ
私「え！？いや！来ないで！」
不良生徒1「おいおいw俺も混ぜろよw」
まさに大ピンチでした。その時でした。屋上に翔先輩がやって来たんです！
翔「相変わらず、くっだらねぇ事ばっかやってんなぁ。」
不良生徒1「あぁ！？ウゼェよ！！」ヒュッ！
翔「それでパンチのつもりかよ。弱いから止めて、ダサい。」パシッ！
不良生徒1「うわ！嘘だろ！？」
翔「そぉらよっと。」ヒュン！！
不良生徒1「ぎゃぁ！」ダン！！
不良生徒2「クソが！」シャキン！！
翔「おぉとバタフライナイフ。危険な物を持ってるねぇ。」
不良生徒2「うぅおら！」ヒュン
翔「く！刃物はあぶねぇって！」ヒョイ
不良生徒2「くそったれぇぇ！！」ヒュヒュヒュン
翔「……はぁ。」パシッ！
不良生徒2「うっそ！」
翔「そぉれ！！」ぐん！
不良生徒2「うわぁ！！」ドスン！！
つ……強い！圧倒的に……。
翔「さて……大丈夫か？」
私「は、はい！」
翔「この事は…内緒にね。俺が困るから。」バチン。
こんな……ウィンクされたら……黙っちゃいますよ！！
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私はもう、この時翔先輩に心を奪われていました。そう、この時までは……。
私「先輩ー！あれ？誰か一緒にいる？」
翔先輩は誰かと一緒にいました。翔先輩はその人をナナリアと呼んでいました。
翔「全く。こんなとこまで迎えに来るかなぁ？普通。」
ナナリア「だって……帰りが待てなくて……。」
ガビ〜ン！頭の中で、そんなに音が鳴りました。つまりは……恋人ですかぁ！？
翔「はは！可愛いこと言うなお前。」
ナナリア「な！可愛いとか言うな……恥かしい。」
……こうして私の初恋は形になる前に終わりましたとさ。チャンチャン。