19話:始動！高等部3年遊亜 翔！　作：ドクダミ2号

暖かな空気が流れる。ついこの間まで、あんなに戦ってたとは思えないほどに。
「ひさしぶりー！」
「元気してたかー？」
・・・色んな会話が飛ぶ。今日から新学期が始まる。新入生もやって来る。
俺もギリギリで進級できた。特に文句はないな。
山崎「うぃーっす！元気か？」
翔「まぁな。俺は元気だ。お前は？」
山崎「元気だ！元気過ぎて少し盛ってるぐらいにな！」
翔「死んどけや。クソ変態。」
山崎「新学期早々酷いな・・・。」
翔「うるせぇ。下ネタに付き合ってる暇はねぇ。」
山崎「うわぁ・・・荒れてるねぇ・・・。」
・・・アホに構ってる暇はない。・・・俺が3年だから、もうアキ先輩はいないはず。留年する様な人じゃないし。・・・ここから先、アカデミアの奴らは俺が引っ張って行くしかない。・・・誰も死なせない為に！
山崎「翔！？おい！聞いてんのか！？」
翔「あ、あぁ。悪い。考え事をしていた。」
山崎「しっかりしろよ。それより新入生！新入生見に行くぞ！」
翔「・・・あぁ。そうだな。」
・
・
・
山崎「おぉ！あの子可愛い！あの子も可愛い！もうさいっこう！！」
翔「そんな事が目的だったの！？」
山崎「はぁ！？じゃぁ他に何があるんだよ！？」
翔「いや！あるだろ！新入生の顔を覚えるとかさ！」
山崎「やってんじゃん。」
翔「可愛い子だけ覚えてどうする！」
山崎「じゃぁお前は全員覚えられるの！？」
翔「う、それは・・・。」
山崎「無理なんじゃん！だったら言うなよ！」
翔「く・・・。」
なんだかこういう会話が懐かしい。
・・・もしかして俺って普通の高校生じゃ無くなってる？
ツァン「何してるの？」
山崎・翔「うぉ！」
ツァン「そこまでビックリしなくても・・・。」
翔「いきなり話しかけるなよ・・・。」
・・・次第に笑いが込み上げてくる。
翔「ふ・・・ははは！ははは！」
山崎「ははは！！」
ツァン「何笑ってるの？」
翔「いや、何でもない。・・・行くか。」
・
・
・
担任「というわけでね、ま、みんな進級おめでとう。私からは以上。では解散！」
翔「終わったー！帰るかー！」
山崎「なぁ、翔。お前んち行っていい？」
翔「何で？」
山崎「新しい家が気になると言うか・・・。」
翔「あー・・・良いよ。」
山崎「やたー！」
・・・するとツァンもやって来て。
ツァン「ボクも良いかな？」
翔「あ？・・・良いけど。」
山崎「お、ツァンちゃんまで来るのか。」
ツァン「ちゃんは止めて。」
翔(・・・別に大丈夫だよな？)
・
・
・
ツァン「ねぇ？あの家は良い？」
翔「まぁな。広い事以外は。」
山崎「広いんだ・・・。」
普通の会話を広げる。こういうのはやっぱ良いね。
翔「さて・・・着いたぞ。」
山崎「ここか・・・て、デカー。」
ツァン「お邪魔します。」
翔「ただいまー。」
・・・多分気まずくなる。何故なら
ナナリア「おかえり。」
山崎「・・・え？」
ほぅら、このとうり。
ツァン「あれ？あなた・・・。」
ナナリア「ひさしぶり。」
山崎「・・・知り合い？」
ツァン「えぇと、なんと言うか・・・。」
翔「ツァン達が捕まった時に色んな意味でお世話になった人・・・て言えば良いかな？」
山崎「へ、へー。でも何でここに？」
翔「・・・住む場所が無いのさ。こいつは。」
ナナリアはただコクリと頷くだけだった。
山崎「・・・なるほど。」
ナナリア「にしても、お前に友達と呼べる奴がいる事が驚きだな。」
翔「・・・馬鹿にしてんのか！？」
ツァン「・・・あいつらの仲間だったんじゃ？」
ナナリア「あいつらへの忠誠なんてはなから無い。いつか逃げ出そうとはしてたが・・・怖くてな。拷問が。」
ツァン「拷問！？」
翔「ヒェー、あいつらそんな事すんのか。」
ナナリア「あぁ、あいつらは手段を選ばない。お前らも気をつけるんだな。」
山崎「ご忠告ありがとう。おねいさん。」
ナナリア「おねいさんは止めろ。」
翔「山ちゃん、今日は女の子に怒られてばっかりだな。ざまぁ。」
山崎「ちっくしょー・・・いちいち腹がたつ・・・。」
翔「ところで・・・きてるな・・・。」
ナナリア「へ？」
山崎「何が来てるの？モテ期？」
翔「お前は何でそういう発想しか出来ないんだ・・・。俺のモテ期はいつもだろ。」
山崎「こいつ！遂に！認めやがった！」
翔「・・・敵だよ！」
そういうと翔はさっと振り向き、ナイフを投げた。
部下「ぎゃ！」
翔「こんなとこまで攻めてきたんだこうなる事は予想していたはずだろ？」
部下「く・・・だったらデュエルだ！」
翔「・・・しゃーねーなー。俺も殺しはしたく無いしな。・・・構えろ！」
部下「ひぃ・・・デュ・・・デュエル！」
・
・
・
・
・
翔「ヴァルキュリアでダイレクト。俺の勝ちー。」
部下「ぎにゃぁ！」
山崎「相変わらずだなー・・・。」
ナナリア「ふふ・・・。」
翔「帰って上に伝えな！雑魚じゃ無理だってな。」
部下「ヒィーーー！！！」
翔「さて、疲れたからお茶入れてくれない？」
ナナリア「はいはい、全く。」
山崎「あらー・・・まるで主婦みたーい。」
ナナリア「な！主婦ってお前！」
翔「はぁ・・・これだからデリカシーのない奴は。」
ツァン「本当に。」
山崎「えー・・・。」
ナナリア(・・・でも、少し嬉しいかも。)
翔「・・・さて、この様子じゃまた忙しくなるかもな。」
山崎「無理すんなよ。」
翔「あぁ！もう殴られるのはごめんだ！」
・・・次回に続く