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第26話:最悪な人生 作:ドクダミ2号





ニュースキャスター「昨日午後11時頃、登戸デュエルアカデミアにて火事がありました。更に30分後、大きな爆発が起こり周囲を火が包みました。この爆発は火事が原因………。」
誰もいない部屋でテレビがついている。ここにいるはずの人はいま………



ナナリア「………。」
遊星「……何て事だ。」
クロウ「ヒデェな……!許せねぇよ……!。」
ナナリア「……翔!?翔!!」
返事はない。目の前にいなければここにもいないのか………それとも………
……そう思うだけで背筋に何かが走る感覚する。……とにかく今は信じるしかない………!
レスキュー隊1「よし、次はここか。」
レスキュー隊2「何でここだけ変に盛り上がってるんだ?」
レスキュー隊1「知らん。行くぞ、せぇの!」
ぐわんと音を立てて、瓦礫が移動する。………すると、中から手が出てきた。
ナナリア「!」
遊星「あれは……手?」
クロウ「手だけじゃない事を祈るぜ………!」
レスキュー隊1「………。」
レスキュー隊2「だ、大丈夫ですか!?聞こ
えますか!?」
その言葉に反応するかの用に、手がピクピクと動く。レスキュー隊員は頷き合い、瓦礫からの救出に尽力した。
瓦礫に埋もれていたのは、独特の髪色をした青年だった。足が大きな瓦礫に挟まり、身動きが取れなかったのだろう。うつ伏せの状態で埋もれていた。
レスキュー隊1「……く!瓦礫が邪魔だな!よし、やるぞ!」
レスキュー隊2「あぁ!行くぞ、おら!」
足を挟んでいた瓦礫が動き出す。彼の足は、潰れていた状態だった。治るまでにはきっと苦労がいるだろう………
ナナリア「翔!?しっかりしろ……!」
遊星「大丈夫か!?おい!」
言葉一つ一つに反応するように、ピクピクと動いている。しかしはっきりとした反応はない。
ナナリア「お願いだ!返事を……してくれ………。」
すると彼は、ゆっくりと体を動かし始めた。何とか意識を取り戻したらしく、少しづつナナリアに近づいていく。
翔「ナナ……リア………?」
ナナリア「あぁ、私だ!大丈夫か!?」
翔「ナナリア……俺は………俺は………!」







依然として瓦礫からの救出が行われている。かくいう俺もそうして助かった身だ。………今俺は病院にいる。一命を取り留め、足も時間はかかるが、治ると言われた。……後遺症は残るがな。病院にいると見知った顔に会う。
翔「あれは臥竜………、あいつ何とか生きてたみたいだな。………俺は……何も守れなかった……!」
ナナリア「翔?」
次第に翔の目から涙が溢れ始め、次の瞬間翔はナナリアに抱きついた。
ナナリア「な、おい!」
翔「誓ったのに!誰も死なせはしないと!自分に……誓ったのに………!結果これだ!俺は……俺は何もできない!!無力で、口だけの………最低の男だ!!……誰か……俺を殺してくれ……!その方がもう……ずっと楽だ………!」
泣きながら訴え続ける翔。確かに彼は何もできなかっただろう。だが………その辛さを知ってこそ、ナナリアは突き放す。
ナナリア「なら……1人で死んでこい!誰かに頼るな!お前は確かに無力だ!だからと言って……誰かに殺されるのを望むのはおかしいだろう!!」
翔「俺は……どうすればいい!?教えてくれ、ナナリア!誰かに殺されるのを望んちゃダメなら………俺は………俺は何をすればいい!?教えてくれ………!」
………ナナリアは静かに口を開き、こう言った。
ナナリア「お前は自分のやりたい様にやればいい。」
翔「でも……その結果がこれだろうが!俺はもう……何もできないんだよ………!」
ナナリア「だったらもう止めるんだな。静かに暮らせばいい。例え友が、知り合いが、仲間が………私が奴らの手で傷つこうともな。」
翔に重い言葉を投げかける。………翔は暫く沈黙していたが、遂に口を開いた。
翔「それじゃ……ダメなんだ!俺は………仲間たちが……お前が傷付くとこなんか見たくねぇ!……俺が守るしかないんだ………!俺にしか戦えないんだ!奴らは……俺が……!みんなは……俺が……守るんだ!」
ナナリア「ふふっそれでこそお前だ。」
翔「ありがとうナナリア。お前のお陰で、自分を取り戻せた。……終わらせよう!この無意味な戦いを!」
ナナリア「そうだな!……ふふふ、お前はそうしてる方がかっこいいよ。」
翔「……はは、お前には支えられっぱなしだな。いつかお礼をしないと………。」
そこからの行動は迅速だった。自分が動けない代わりに、仲間という仲間を呼び集めディスペアーについての情報を集めさせた。………この時既に、事件は最悪の展開に傾いてる事を知らずに………。


それから暫くして………
不良「翔の兄貴!やりましたぜ!遂に……遂に奴らの居場所を見つけましたぜ!」
臥竜「俺も協力させてもらった。奴らは………野放しにはできん。それに……黒斗の事もあるしな。」
翔「本当か!?助かる!どの辺だ!?」
仲間達とそんな会話をしている翔を見て、ナナリアはふふ、と笑っていた。
翔「何だよ。何笑ってんだ?」
ナナリア「いや、こうして見るとお前って案外仲間多いんだなって。」
翔「………バカにしてる!?」
……こうして楽しく会話をするのも何だか久し振りなような気がしていた。実際は1日しか経っていないのだが、その間が異常なまでに長く感じられたからだ。
翔「さて………要はここを叩けば!」
不良「それが………ここが総本山なのか……そこが分からなくて……。」
何となく分かってはいたがやはりか………
翔「そうかぁー………まぁどの道足が治るまでは動けないし………。もう少し調べてもらって良いか?」
臥竜「構わん。お前は回復に専念しろ。」
翔「悪いな。あと、敬語使えよ。」
不良と臥竜はそのまま病室から出て行く。この部屋には翔とナナリアだけになった。
ナナリア「足は大丈夫なのか?だいぶ酷い状態だったが………。」
翔「気にすんな、それより……ナナリア。大事な話があるんだ。」
いつかは言おうと思っていた事を伝えよう。そう思っていた。この想いはずっと前から固まっていた。………ナナリアがこっちに来る。一呼吸おいて、いざ伝えようとした………その時だった。
不良「ぎゃあああ!!!」
臥竜「うわぁぁぁ!!」
突然、2人の悲鳴が響き渡る。驚き出入り口の方を向くと、1人の男が入って来た。
翔「てめぇは誰だ!?あいつと臥竜に何した!?」
男「……何も、ただデュエルをしてあげただけだ。そしてあいつらが負けただけだ。俺は何もしていないさ。」
この声……聞き覚えがある。しかし………どこで聞いたのか………全く思い出せない。
男「誰だか分からんって顔してるな。」
ナナリア「……何でお前がここに………!」
どうやらナナリアは知っているらしいが………少し聞いてみよう。
翔「知ってんのか?」
ナナリア「あぁ……あいつはーーー」
男「説明は俺がする。実験台は黙ってろ。」
翔「………実験台?」
どういう事だ?ナナリアが……実験台?
翔「おい、ナナリア………。」
ナナリア「………少しでもサイコデュエリストの気がある奴に、促進剤をうつんだ。私はその実験台でもあった………。こいつはそんな私をずっと実験台と呼ぶんだ………!」
翔「……おい、つーことはよぉ……お前はあいつらの仲間って事か?」
男「そうだ。俺の名前は清水 真。……お前とはどこかで会っているぞ?」
どこかで………?……ダメだ!思い出せない!
清水「ヒントをやろう。お前のデュエルディスクに内臓されている、剣と盾のカードは誰があげた?」
翔「何だと!?」
清水「やっとわかったようだな。そうだ、俺はあの時カードを渡したやつだ!」
最悪だぜ……あの時協力者だと思って一応受け取ったあのカードは………敵のだったか!!
翔「それで?何の用だ!?」
清水「ふっ決まってるだろう。お前を殺しに来たんだ!」
翔「ち……やっぱりか。」
清水「安心しろ、チャンスはくれてやる。デュエルで決着をつけようか。」
なるほど………少しは話がわかる奴のようだ。……だが!
翔「何で俺が殺されなきゃなんねぇんだよ!」
清水「何故かって?そうだな……教えてやっても良い。……理由は簡単さ。お前が邪魔なんだ。お前のせいで俺たちは撤退せざるをえないんだ。……本来俺たちはこの次元の人間じゃない。」
翔「……何?」
清水「自分達の次元だけじゃなく、もっと他の次元に手を出したんだ。今まではうまく行っていた。部下達を過去の世界に送った時はお前らの先祖にやられたがな。………だが、この世界ではお前がいた。我々にとってお前はイレギュラーな存在だったんだ。」
翔「………それで?撤退までの時間稼ぎに俺を殺すのか?随分とぶっ飛んだ発想だな!……やられる訳にはいかねぇ!デュエルだ!」
清水「それでこそ、我々にたてついた男だ!さぁやろう!」

「「デュエル!!」」

次回に続く
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ドクダミ2号
だいぶ終わりに近づいてきてますが、終わりに近づいているのはあくまで遊戯王DAだという事……忘れないで下さい (2016-04-21 23:30)
ター坊
立ち直ったと思いきやヒットマンが来るとかとことん不運な星の翔。それにしてもナナリアのパートナーっぷりがいい。
そして久々のデュエル回。 (2016-04-22 07:49)

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