第十五話　セレナの本心とイリアの思い　作：怪盗七夜月

現状
・ルカナ単独
・ジャックサイド　他アトロ、セント
・イリアサイド　　他セレナ
・クルトサイド　　他クルミ


・ルカナサイド
当てもなく町を彷徨っている状態。すると突然
「キャ⋯⋯！何！？」
突然後ろから目隠しをされ前が見えない。
「ちょっと！！やめろ！離せ！」
ルカナは必死に抵抗するが
「うるせぇんだよ、このアマ！！」
リーダーと思わしき男が言った。
「グ⋯⋯」
ルカナは下腹部に強烈なパンチを喰らって気絶してしまった。


・ジャックサイド
「あーあ⋯」
セントが溜息をつく、
「どうしたんだ？」
アトロが聞くと、
「だってクルトにぃさんとデュエルできないだもん！」
セントが言うと、
「今はそれ所じゃ無いだろう！女子勢全員いないんだから！」
ジャックが一喝する。
「ジャックが女子勢のことを心配するなんて以外⋯女子好きですか？後クルトは？」
アトロが揶揄うと
「俺は別に好きとか嫌いとかじゃない！クルトはどうでもいい！早くいくぞ！」
そう言い終えると先に行ってしまう、二人は追いかけていった。


・クルトサイド
連続デュエルで疲れていたクルトは
「仮眠をとるかぁ⋯」
と言ってクルミの隣で仮眠をとることにした。その数十分後⋯
「アニキ⋯コイツで⋯？」
一人の男が言う。
「ぬかるなよ⋯」
主犯格と思われるという声とともにクルミに目隠しをし、クルトを放って立ち去った⋯その間クルトは気付く事は無かった⋯⋯


・イリアサイド
「⋯⋯⋯」
セレナは俯いている。
「心配なのね⋯？」
イリアがセレナの頭をなでながら言うと
「うん⋯ルカナ姉ちゃんが一番心配⋯」
と俯いたまま答えた。
「大丈夫よ」
イリアは慰めると、セレナはこんなことを言い始める。

「僕達は頼る当ての無くなった孤児なの⋯生きるためにはどんな事もしたよ⋯盗み、詐欺⋯でも、殺されかけた時、誰かが守ってくれたの。それがルカナ姉ちゃんだったの⋯皆、喧嘩したりしてたんだけど、ルカナ姉ちゃんがいろいろ教えてくれたの。デュエルして⋯するといつの間にか仲良くなれたの。でも僕達は信じ合うまでに時間が掛かったの。だから僕はクルトのことを簡単には信じられないんだ」
と言った。イリアは少し黙った後、

「クルトもね⋯故郷を襲われて、友も、親も皆失ったの⋯私はクルトを助けたの。最初は無茶しようとしてた。止めたら「夢を叶える」って言ったの。そんな状況じゃないのに。デュエルして、その気持ちは本物だと悟ったの。だからクルトと旅をしてるの。ルカナもよ。クルトを信じてるから一緒に居られるの。セレナもジャック達を信じてるから一緒に居るんでしょ？それと同じなのよ。私はクルトの夢を応援したいから一緒に居るの。セレナもクルトの事を信じられる様になるわ」
静かにこういった後、静かに笑った。

「ありがと⋯イリアさん⋯なんか元気出たよ。私も皆を助けたい⋯！姉ちゃんも、皆も⋯」
セレナはこう言った。


第十六話へ続く