第八十七話　託された気持ち　作：怪盗七夜月

・第一回戦終了後、蓮を探しに行く咲夜。すると、外で騒ぎが。そこに居たのは血まみれで倒れていた連と有希だった⋯⋯2人はアカデミアへ送還され、第2回戦は咲夜1人で出ることとなる。しかし、咲夜は第2回戦、1問も答えず、1位と15ポイントの差を作ってしまう。それを見たハルヒが咲夜のもとへ向かうが⋯⋯

こちら、飛行機の中。応急処置を受けた2人がTVで試合を見ていた。

蓮「咲夜⋯⋯」
有「⋯⋯」
　ポイントを見て、黙る2人。

有「きっと、これからだよね！」
蓮「そうなる事を願うよ⋯⋯」

☆★☆★

その頃、咲夜は⋯⋯

司「さあ、運命の40問目だ！次、答えられなければ『チームSDA団』は1位通過は無くなる～！」
？「⋯⋯」
司「さあ！第40問目⋯⋯」
？「ちょっと待った～！！」
　全員がそう叫んだ奴の方を向く。無論、咲夜も。

叫んだ奴はそう言うと昨夜の方へやってくる。

咲「⋯⋯！」
？「ちょっと！サキ！何こんなとこで折れてんのよ！」
咲「ハ、、ハルヒ⋯⋯」
　そう、、叫んだのはハルヒである。この状況を見かねたハルヒは一発かまそうと此処へ来たのだ。

ハ「あんた、さっきのセリフはどうしたのよ！」
咲「ッ⋯⋯」
司「ちょっと⋯乱入は困るよ⋯⋯))」
ハ「うるさい！あんた、チーム1人欠けただけでそんな弱っちくなるの⋯⋯！？」
咲「さっきは言ったけど⋯⋯！それでも⋯⋯！それでも、、」
　そう言いかけた時、鈍い音がしたと同時に、咲夜の頬に痛みを感じる。ハルヒの左手は咲夜の右頬に⋯⋯

咲「⋯⋯！」
ハ「なんなのよ！あんた！何もわかってないじゃない⋯⋯！」
咲「⋯⋯！」
　ハルヒの顔には涙が浮かんでいる。

咲「何がだよ⋯⋯！何を分かれって言うんだ！」
ハ「サキは蓮から何を言われたのよ！」
咲「⋯⋯！」
　蓮から言われたこと。「僕のぶんまで」⋯⋯この言葉が心の奥底に引っかかる。

ハ「私も知ってるのよ⋯⋯あんたより⋯⋯あんたより蓮の方が、無念で心が沈んでる筈じゃない！」
咲「⋯⋯」
ハ「あんた、蓮から託されたのもロクに出来ないで⋯⋯先生たちの期待も裏切って⋯⋯どうやって顔合わせるのよ！」
咲「⋯⋯！」
ハ「これ⋯⋯持ってなさい⋯⋯」
　そう言ってハルヒは去っていった。その姿は何か切なかった。ハルヒが渡したもの⋯⋯手紙だ。

《ごめんね、咲夜⋯⋯ホントは最後までいたかったのに⋯⋯でも、私は咲夜ならやってくれるって信じてる！
　だって、咲夜は、いっぱい友達が居る⋯⋯支え会えて、共に過ごせる仲間がいるもの⋯⋯》

咲「⋯⋯」
その手紙は血が混ざった有希からの手紙だった。手紙を見た咲夜は気を引き締めた。

司「さあ、気を取り直して、40問目行くよ！」

《一万年と⋯⋯(2000年前から愛してる)》

？「⋯『創世のアクエリオン』で『創聖のアクエリオン』⋯」
司「⋯⋯！正解！ここにきて、第40問目で『チームSDA団』が動き出した～！」
　そう、答えたのは咲夜である。

？「⋯⋯託された思いが心を強くしたか⋯⋯」

ハ「遅いのよ⋯⋯」
　ハルヒは陰から見ていた。そう呟くと一人で笑った。


第八十八話へ続く