第七十一話　任意同行⋯⋯？　作：怪盗七夜月

・保健室に戻る咲夜と白桃。白桃は自分の正体を明かし、ハルヒの事を咲夜に詳しく言う。咲夜は状況があまり呑み込めず、分かったのは「タダ者ではない」という事だけ。保留という形で承諾した。

翌日。
窓の外では小鳥がちゅんちゅん鳴いている。

鮎「おはよう、咲夜君。よく眠れたかしら？」
咲「あ、はい⋯⋯」
　ホントは眠る以前に面倒事が起こって気になったせいであまり眠れなかったけど。

鮎「寝てる間に背中調べさせて貰ったけど、回復がとても速いわ。もう大丈夫よ」
　マジかよ。「椎間板損傷」とかあったんじゃないのか？１日で治るとか有り得ない。

咲「⋯⋯」
鮎「どうかしたの？」
咲「いや、思うように体が動かないなって⋯⋯」
鮎「病み上がりだからね。少しづつ動かしてね。体育の授業は見学するように」
　そう言われると保健室を追い出された。時刻は⋯⋯午後４時。放課後じゃないか。

咲「遅くなったな⋯⋯」
　そう言ってドアを開けると２人増えてるではないか。

咲「其方さんは？」
ハ「紹介するわ。『朝比奈みかん』ちゃんと『擬宝珠無花果』君よ」
　薄々気づいていたが果物関連の名前ばっかなんだ。『柿』『桃』ときて『蜜柑』に『無花果』かよｗ

咲「どこから拉致して来たんだ」
　思わずそう言ったのも状況的に手を引っ張って部屋入れたと思える状況だからな。

ハ「任意同行の間違いよ」
　似たような物だ。

ハ「居残って勉強してたとこ捕まえてきた！」
　勉強の邪魔されてかわいそうに。自分が代わりに謝ります。

咲「なんでまたこの子を？」
　そういうとみかんの顔を突っつく。

ハ「この顔！飛び切り可愛い子が１人は居てもいいじゃない！」
　そしたら西園さんは「可愛い」という部類には入らないのか。なお可哀そうに。

咲「で？可愛いからという理由だけで勧誘するのか」
ハ「そうよ！それ以外に何が知ってるの？」
　こいつ正真正銘真性のアホ＆自己中だ。脳内がどうなってるのか知りたい。

み「でも読書部って本読むだけで他に何するんですか？」
咲「ここは借りてるだけで、貴方が勧誘させられてるのは、名称、活動方針が未定の同好会的なものです」
み「え⋯⋯？」
咲「そこで座ってるのが読書部員です。」
白「『西園白桃』ですの。よろしくですの。」
み「はぁ⋯⋯」
　混乱してるご様子。

無「それで、その名称は決まってるんですか？」
ハ「名前なら決めたわよ！」
　さあ、とうとう名前が言い渡される！

ハ「SDA団よ！」
　皆沈黙。誰か突っ込んでくれ。
　「『早柿ハルヒ』を中心としたデュエルを盛り上げる為に集められた団」を略した物らしい。

ハ「あ、勿論、私が団長ね。あんた達は団A、B、Cだから」
無「成程、分かりました。入りましょう」
ハ「そうこなくっちゃ！」
　何が分かったんだ。っていうか、本当に入るのか。こいつもおかしい。ネジが１本緩いんじゃないか。

ま、こんなところでその日から日常が普通ではなくなっていくこととなる⋯⋯


第七十二話へ続く