第八十六話　大会中の大事件　作：怪盗七夜月

・とうとうクイズ大会が幕を開ける。第１回戦は咲夜と咲が出場。サドンデスにまでもつれ込み、咲夜たちが一位突破した。


２回戦も咲夜は出場。控室で休憩を取っていた。

無「やりましたね～」
咲「別に僕は何もしてないよ、肝心なところは音無さんがやってくれたし」
梨「⋯⋯」
　音無は読書中。

ハ「このままいくわよ～！」
桃「あれ⋯⋯？」
咲「白桃、どうしたの？」
桃「蓮君が見当たらないな、と思って。次出場ですのに」
ハ「そうね⋯⋯どうしたのかしら。サキ、見てきなさい」
咲「うん、⋯⋯」
　そう言って部屋を出る。休憩時間までも自由にさせてもらえないのか。

☆★☆★

控室から歩いてスタジアムの外へ行こうとする。すると、人だかりがあった。

咲「何かあったのかな⋯⋯？」
？「一大事だ！『SDA団』を呼んで来い！」
　そんな声がした。咲夜は足を速める。

咲「んな⋯⋯！蓮！有希！どうしたんだ！」
　そこには血を流し倒れている蓮。その近くにはもっと出血している有希が居た。額に血を流している。
近くには血に濡れた２人のカードが。

？「おい！『SDA団』のメンバーだ！」
咲「何があったんだ！」
有「⋯⋯⋯」
　有希は口を開き、途切れ途切れに言う。どうやら、「蓮が襲撃されているのを見つけ、有希が助けに入った。
相手が凶器で有希を狙ったのを蓮が守って直撃し大出血、有希も同様になり、今に至る」という。相手は
　既に逃げたのか⋯⋯何たる状況だ！

？「私は医者だ⋯⋯君に言いたいのだが⋯⋯」
咲「⋯⋯」
？「彼女には後遺症が残るかもしれない」
咲「⋯⋯！？」
？「坊やには数か月安静と手術で済むが、彼女の場合、出血と怪我の具合が桁違いなんだ⋯⋯」
咲「そんな⋯⋯」

★☆★☆

咲夜は顔をうなだれて控室に戻る

桃「蓮君は⋯⋯？」
咲「⋯⋯」
ハ「サキ⋯⋯答えなさいよ」
咲「⋯⋯」
ハ「団長命令よ！答えなさい！」
咲「⋯⋯蓮と⋯⋯有希は⋯⋯」
無「⋯⋯」
咲「アカデミアに帰った⋯⋯」
イ「え⋯⋯！？」
ル「どういう事！？」
咲「誰かに襲撃されて⋯⋯血まみれで倒れてて⋯⋯手術するって⋯⋯」
ハ「うそ言わないでよ！ンな訳ないでしょ！ホントの事言いなさいよ！」
咲「嘘じゃ⋯⋯ないよ！！これを見ても嘘だって言える！？」
　咲夜がデッキケースから出したのは血に濡れて赤く染まった「カオス・ソルジャー 開闢の使者」と
　「クリアクリボー」のカードだった。そう、このカードは蓮と有希のカードだ。

み「ひぃ⋯⋯」
無「⋯⋯」
梨「⋯⋯」
桃「嘘⋯⋯」
ハ「⋯⋯！」
咲「有希は⋯⋯後遺症が残るかもしれないって⋯⋯」
一同「⋯⋯」
　咲夜は端末を出してアカデミアに連絡を入れる。

十「やあ、咲夜、浮かない顔してどうしたんだ？」
咲「十代先生⋯⋯手術の用意、お願いします⋯⋯」
十「なんかあったのか⋯⋯？」
咲「蓮と有希が⋯⋯頭殴られて、血まみれで倒れてるのが見つかって⋯⋯」
十「なんだって⋯⋯！？」
咲「これ、見てください⋯⋯」
十「⋯！とにかく、もう何も言うな。こちらで何とかする。咲夜！絶対折れるなよ！」
　そう言って通信は切れる。

イ「２回戦、棄権しましょ！」
咲「いや、棄権はしない」
ル「なんで！？こんな状況でやるの？」
咲「違う！こんな状況だからやるんだ！蓮の無念、僕が晴らすんだ！」
　そう言って、走って部屋を出て行く。

咲夜は蓮に言われたことを思い出した。
⋯⋯
蓮「⋯⋯咲夜⋯⋯く⋯⋯ん⋯⋯、ごめ⋯んね⋯、頼む⋯⋯僕⋯のぶ⋯⋯分、、まで⋯⋯」
⋯⋯
咲「⋯⋯蓮⋯⋯待っててよ⋯⋯！絶対、起きてろよ⋯⋯！」
　咲夜は腹をくくり、感情を抑えて、２回戦へと望む。

☆★☆★

司「選手入場完了！さあ、第２回戦始めるよ！ってあれ？『チームSDA団』は１人しかいないよ？？」
咲「この試合⋯⋯僕一人で戦う！」
　周りは盛り上がる。対戦相手は顔が曇る。

司「反対ナシ！よって始めるよ！２回戦は『アニソンクイズ』のはずだったけど！人数多いから、ごちゃ混ぜに
　なって入ってるよ！！歌詞を見て、曲のフルネームで答えてね！」

？「ほう⋯⋯１人でか⋯⋯」

司「ちなみに映画の名前は言わなくていいよ！それでは第１問！この曲は？」

《ありったけの夢を⋯⋯(かき集め　探し物を探しに行くのさ)》

？「『ワンピース』のウィーアー！」
司「正解！『チーム超新星』１ポイント！」
咲「⋯⋯」

司「第２問！」

《持っていけ最後に笑っちゃうのは⋯⋯(私のはず　セーラー服だからです←結論)》

？「『らき☆すた』のもってけ！セーラー服！」
司「またも正解！『チーム超新星』、絶好調だ～！」
咲「⋯⋯」
司「第３問！」

《Galaxy Ex⋯⋯(Express 999 will take you more journey a never ending journey)》

？「『銀河鉄道999』で銀河鉄道999！」
司「正解！超新星！3ポイント～！！」
咲「⋯⋯」

？「『名探偵コナン』の『名探偵コナンのメインテーマ』！」
　「『ルパン三世』でルパン三世のテーマ！」
　「『LineTown』であいうえおんがく」
　「『クレヨンしんちゃん』のOLA！」
　「『きゃりーぱみゅぱみゅ』のにんじゃりばんばん！」
　「『中島みゆき』の時代！」
　「『福山雅治』の桜坂！」
　⋯⋯、、⋯⋯、、

その頃、白桃達は控室。

桃「試合、どうなってるんですの？」
　TVをつける。

イ、ル、み、桃「⋯⋯！？ええ⋯！？」
無「どうしたんですか？」
梨「⋯⋯！」
　現在得点を見ると、SDA団の得点だけ0ポイントのまま。1位との差は15ポイント。

無「さっきのが響いてるんでしょうか⋯⋯」
ハ「サキ⋯⋯！ちょっと行ってくる！」
イ「ちょ⋯⋯！待ってよ！」
　ハルヒは咲夜のもとへ走る。観客席に向かって。

ハ「サキ⋯⋯！」


第八十七話へ続く