第七十二話　好きなキャラ　作：怪盗七夜月

・任意同行という形でまた連行したハルヒ。名前も「SDA団」に決定したのだが⋯⋯


今更思ったぞ。展開がアレと殆ど似てるじゃないか！アイツも好きなのか？聞いてみることにした。

咲「あのさ」
ハ「なにさ」
咲「ハルヒも好きなのか？その⋯⋯『涼宮ハルヒ』シリーズが」
ハ「誰に許可して名で呼んでるのよ。ん⋯⋯？なんでアンタ、私の名前知ってるの？」
　何故って、一度会ってるからな。そうだ、あの言葉を言ってやろう。

咲「『七夕の夜のプトレマイオス』、あとは『ヴェノミナーガとアンデット』」
　その瞬間表情が変わった。睨みつけるような目がまんまるになって。

ハ「アンタ⋯⋯「サキ」⋯⋯？」
　何故あだ名なんだ。

ハ「やっぱりそうね！でもなんでそんなこと聞くの？」
　いや、だってそっくりだから。人数や名前から。

ハ「まあ、大好きだけど。誰が好きなの？？」
　急に馴れ馴れしくなったぞ。

咲「僕は⋯⋯鶴屋さんとキョンかな。あと長門。主題歌は古泉と谷口」
ハ「鶴屋さんは分かるわ。『にょろ』とか『めがっさ』とか独特よね。でも谷口は異常よ」
　何故だ。谷口の「晴○晴○ユカイ」はいいと思うぞ。あ、特典の方ね。

ハ「鶴屋さんはメイド服が似合ってたわ。朝比奈さんはチョットね⋯⋯」
　いいじゃないか！キョン曰く「ミス太陽系」、涼宮ハルヒ曰く「ロリ顔」もいい特徴じゃないか？

ハ「そうだ！」
　思い立ったようにいう。咲夜は「どうしたんだ」と言う。

ハ「映画撮るわよ！」
　はぁ？、となる咲夜。

ハ「アレみたいに、カメラ使って、映画撮るのよ！」
咲「なんでいきなり」
ハ「確かもうすぐアカデミア祭がやるわね。それで作って、見せるのよ」
咲「カメラとか、そこら辺はどうするつもりだ」
ハ「私に任せて、アンタは台本でも考えてなさい。明後日また来るわ。明日は休みでいいから」
　そう言って部屋を出て行った。デジカメならあるのだがビデオカメラはどうするんだ。

咲「まさか⋯⋯ああ⋯⋯もう知らん」
　そう、本物みたいに強奪するんじゃないか。だが協力はしない。賛否も出さん。責任はアイツに取らせよう。

今日は他のメンバーは居ない。西荻さんは「用事があるから今日は休ませていただきますの」と、
朝比奈さんは授業そのものを欠席。もう一人はバイト。
「早柿」「みかん」「白桃」「擬宝珠無花果」「水無月」何故この団には独特な名前が多いのか。

げた箱を開けると何か入っている。本だな。誰が入れたんだ？ま、読んでみるか。

久しぶりに寮に帰った。ごたごたで居なかったからな。お、いい匂いがするよ。有希が何か作ってるのか？

咲「帰ったぞ」
　有希の「お帰り」で迎えられる。夫婦生活かこれは。

有「体、大丈夫なの？」
咲「まあ、それなりには」
　体は回復してるが精神的には不安定です。

夕食は刺身か。しかも鯛。魚だ。咲夜は肉より魚とか、野菜派である。
席に着いた咲夜は少し眠くなってあくびをした。すると鯛を開いた口に入れてきた。

咲「ん⋯⋯美味しい。切り方、うまくなったな」
有「ありがと」
　有希曰く「結ばれてから最初の食事だから」だってさ。僕、返事したっけか？

ただ切に願う。「ヤンデレとかいう奴にはならんでくれ」と。ツンデレが居るのにヤンデレまでいたら倒れる。

さて就寝間近。げた箱に入っていた本を読むことにした。
この本、興味深い。有希なら読み入るだろうな。そう思った。
明日が休みなのが幸いだ。

咲「明日はゆっくり休めそうだ」
　心の中で少しばかり喜ぶ咲夜だった。


第七十二話へ続く